日本共産党の志位和夫委員長は17日、衆院本会議の代表質問で、安倍晋三首相が今年発表するとしている「戦後70年談話」に関し、首相が「村山談話」にある「植民地支配と侵略」への「痛切な反省と心からのおわび」という核心的内容をあいまいにし、事実上否定する姿勢を示していることを厳しく批判しました。

 そのうえで、「『村山談話』の核心的内容を継承する」「首相や閣僚による靖国参拝は行わない」など日本共産党が提唱する「日本とアジア諸国との和解と友好に向けた日本の政治がとるべき五つの基本姿勢」を提起し、安倍首相の見解をただしました。

 安倍首相は靖国神社参拝について「国のためにたたかい尊い命を犠牲にした方々に対し、尊崇の念を表し、御霊(みたま)安かれとごめい福をお祈りするのは、国のリーダーとして当然のことだ」と明言。閣僚の参拝についても「私人として参拝するかどうかは、もとより自由であると考えている」と問題視しない考えを示しました。

日本とアジア諸国との「和解と友好」へ「五つの基本姿勢」

 (1)「村山談話」「河野談話」の核心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動をとり、談話を否定する動きに対してきっぱりと反論する。

 (2)日本軍「慰安婦」問題について、被害者への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出す。

 (3)国政の場にある政治家が靖国神社を参拝することは、侵略戦争肯定の意思表示を意味するものであり、少なくとも首相や閣僚による靖国参拝は行わないことを日本の政治のルールとして確立する。

 (4)民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、立法措置を含めて、政治が断固たる立場にたつ。

 (5)「村山談話」「河野談話」で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場を、学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる努力をつくす。