国の責任で実施を
小中学校の少人数学級が全国に広がっています。保護者や教職員の長年にわたる運動や日本共産党議員の論戦に押されたものです。(丹田智之)
少人数学級は国の制度で小学1年だけ。毎年の予算措置で小学2年までにとどまっています。
自治体独自に35人以下学級を導入しているのは、文部科学省の調査(表参照)によると、少人数授業との選択制や条件付きを含めて25府県。そのうち10府県では中学3年まで実施しています。
長野県は、2013年度から中学3年まで35人以下学級とし、実質的に30人規模学級となっています。いじめや不登校、特別な指導が必要な生徒の増加に対応するため、02年度に小学1年の学級編成を35人以下としたのが始まりです。県教育委員会の資料でも「先生に質問しやすくなった」(生徒)、「個々の課題で丁寧な指導ができる」(担任)と効果を認めています。
県内の教職員組合などでつくる「県民教育署名をすすめる会」は毎年、生活協同組合やPTA連合会と連携して少人数学級の推進や学費無償化などを求める署名行動に取り組んできました。全県で集めた署名は、26年間の累計で1393万人にのぼっています。
長野市の中学校教員、深澤隆英さん(46)は「30人規模学級が導入されて以来、教職員の負担や教室内でのトラブルが減りました。署名行動など長年の努力がなければ実現しなかったと確信しています」と語ります。
日本共産党は、県民運動と連携して少人数学級の推進を求めてきました。02年の県議補選で6議席に前進すると、全学年で少人数学級を導入するよう田中康夫知事(当時)に要求し、05年度から小学4年まで35人以下学級が拡大。07年県議選では7議席に躍進し、粘り強く取り上げる中で、09年度から小学校全学年で実現となりました。
党長野県議団の石坂千穂団長は、「少人数学級は多くの県民の願いであり、議会内外の党派を超えた共同で前進させてきました。今回の県議選で10人の議員団を実現し、県立高校での少人数学級の導入を求めていきたい」と力を込めます。
日本共産党の畑野君枝衆院議員は2月23日の予算委員会で、各都道府県の取り組み状況を紹介しながら、国として35人学級の計画的実施を要求しました。「毎年度1学年ずつ35人学級を拡大するには、最大139億円の国庫負担額でできる」と指摘すると、安倍晋三首相も「実現へ向け努力したい」と応じました。
日本共産党は提言「今こそ国民の力をあわせ少人数学級の推進を」を発表し、「少人数学級推進の一点で国民的共同を」と呼びかけています。