参院連合審査会
2020年東京五輪の主会場に予定されている新国立競技場の問題について、14日に開かれた参院内閣・文教科学委員会の連合審査会では、2520億円を超える規模に膨れ上がった建設費や、その公表が遅れたことなどに、批判が集中しました。日本共産党の田村智子議員は、昨年5月の基本設計で1625億円と発表された時点で多くの建築家が「それでは収まらない」と警鐘乱打していることや、下村博文文部科学相自身が同7月に「市場価格の影響で増える可能性がある」と答えていたことを指摘。田村議員も昨年12月に質問主意書で取り上げていることを挙げ、「下村大臣が予想以上にコストがかかることを知ったのが4月以降というのは、とても容認できない」と追及しました。
下村文科相が「ずるずるというのではなく、適切に対応した」と答弁したのにたいし、田村氏は「1年余りの間、まともな意見に耳を傾けてこなかった。それが事態を悪化させた。変更は可能だった」と批判しました。
現行案では2019年ラグビーワールドカップ(W杯)も五輪も間に合わない恐れがあると強調した田村氏は、W杯の主会場を新国立から変更するよう提案しました。「会場設置者が困難と申し出れば変更は可能だ。検討すべきだ」と田村氏が迫ると、文科相は「指摘は受けていたが…」と検討さえしていないことを明かしました。
田村氏は「シンプルで実績のある設計にすれば五輪には十分間に合う」と、強く見直しを求めました。