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終戦70年の夏に/「戦争しない国」の決意今こそ
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終戦70年の夏に/「戦争しない国」の決意今こそ

2015-08-17 10:52

    主張

    終戦70年の夏に

    「戦争しない国」の決意今こそ

     安倍晋三政権による戦争法案策動のさなか、アジア・太平洋戦争の日本の敗戦から70年を迎えました。安倍首相は14日発表の「70年談話」に「不戦の誓い」などの言葉を書き込む一方で、記者会見では戦争法案について「日米同盟が完全に機能する」「必要な法制」とのべ、「戦争する国」へ突き進む姿勢をあらわにしています。70年前日本が敗れた戦争は、310万人以上の国民と2000万人を超すアジア諸国民を犠牲にしたものです。「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(憲法前文)決意を実現していくことが不可欠です。

    多くの人たちの血が

     日本から遠く離れた南太平洋の島々や東南アジアのジャングル、中国大陸などで満足な補給もなく餓死した兵士、激しい地上戦の舞台となった沖縄、非人道兵器・原爆の投下で一度に大量の人命が失われた広島や長崎、無差別爆撃で老人や幼子まで犠牲になった東京や大阪―。国民の被害だけでなく、日本が侵略した中国大陸やアジアの国々での殺害や破壊など、戦争の悲惨さ、痛ましさは、いまなお胸を締め付けるものがあります。

     1945年8月14日、当時の日本政府はアメリカ、イギリス、中国の3カ国が発表した「ポツダム宣言」を受け入れ降伏、翌15日に天皇の「玉音放送」で国民に敗戦を知らせました。同宣言は国民をだまして「世界征服」を進めた「無責任」で「身勝手」な「軍国主義者」の一掃を求めたものです。

     日本国憲法の公布は翌46年11月、施行されたのは敗戦から約2年後の47年5月です。戦争中、中国大陸での戦争に駆り出されて負傷し、引き揚げ船のなかで憲法9条を読んで感激したという財界人で全国革新懇などで活躍した品川正治さん(故人)は、9条について「日本の兵士やアジアの本当に夥(おびただ)しい人民を殺し、殺された人々の血が染み込んでいる条文です」と書き残しています。(『戦争のほんとうの恐さを知る財界人の直言』)

     日本国憲法は前文で戦争の惨禍を繰り返さないことを宣言したあと、9条で戦争を放棄し、戦力は保持しないことを明記しています。戦後すぐ文部省が作成し、全国の中学生に配布された『新しい憲法のはなし』は、「こんどの戦争をしかけた国には、大きな責任がある」とのべ、「こんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました」と解説しています。「戦争をするためのものは、いっさいもたない」ことと、「よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって…じぶんのいいぶんをとおそうとしない」ことです。「戦争をしない国」への決意は明白です。

    歴史の逆戻りを許さない

     敗戦から70年、「戦争をしない国」を決意したこの憲法のもとでも「再軍備」や「海外派兵」の企てが繰り返されましたが、日本が自ら戦争を起こすことはなく、54年に創設された自衛隊も一人の戦死者も外国人の犠牲者も出していません。安倍政権がいま国会で強行をたくらむ戦争法案は、その憲法を踏みにじり、再び日本を「海外で戦争する国」「殺し殺される国」に変えるものです。

     歴史を逆戻りさせることは許されません。戦争法案を廃案に追い込み、「戦争をしない国」の決意を貫き通そうではありませんか。

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