自衛隊生活体験研修では何をしているのか。NTT労働者を組織する通信産業労働組合(通信労組)の調査によると、NTT東日本の青森、福島などで研修が行われ、訓練内容は、朝6時にラッパで起床、点呼、ベッドの撤収、朝食、体育教練、負傷者救助、10キロの行進訓練、深夜11時就寝などです。目的は、集団生活や訓練で同期意識や規律意識の強化とあり、NTTの本来業務とは関係ありません。
吉良氏は3月23日の参院予算委員会で、業務と関連のない苦行を押し付ける「ブラック研修」を追及し、塩崎恭久厚労相は「悪質な研修の把握につとめていきたい」と答えています。この答弁に照らしても、業務と関係のない生活体験研修は許されません。
防衛省は安倍政権下の2013年に、民間企業の新入社員に対する2年間の自衛隊入隊制度を検討していたことが、辰巳孝太郎参院議員の参院安保法制特別委員会質問で明らかになっています。企業を通じた事実上の“徴兵制”との批判を呼んでいます。生活体験研修がこうした事実上の“徴兵制”への地ならしになる恐れもあります。
NTTは、戦争法案で指定公共機関とされています。ブラック研修であっても、戦争法案の先取り訓練であっても許されません。
業務と関係ない「ブラック」研修
吉良よし子参院議員の話 安倍政権が「戦争する国」づくりをすすめるなか、大量の民間労働者が企業研修という形で、自衛隊訓練を受けさせられているのは深刻な事態です。労働者の仲間意識をつくるのが目的とする企業もありますが、業務と関係ない研修を強制することは「ブラック研修」としか言いようがありません。強制的な研修を行うよりも自由に意見を言い合える明るい職場にすることこそが仲間意識をつくる上で大切です。
自衛隊訓練で、物言えぬ労働者をつくることはやめさせましょう。