主張

大阪のダブル選挙

共同で「維新政治」に終止符を

 11月22日投票の大阪府知事選・市長選のダブル選挙まで1カ月を切りました。「オール大阪」と庶民の共同の力で「維新政治」に終止符を打つ、全国的な意義をもつ選挙です。日本共産党は「反維新」の一点で、5日告示の知事選では無所属の栗原貴子氏(自民党府議団政調会長)、8日告示の市長選では無所属、柳本顕氏(前自民党市議団幹事長)を自主的に支援し、勝利へ総力をあげます。

府と市に「異質の危険」

 橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が、大阪市を解体する「大阪都構想」を掲げ府・市政を牛耳ってきた間、大阪にはこれまでと異質な、暮らしと地方自治の土台を破壊する、きわめて危険な政治がもたらされました。ダブル選挙の焦点は、「維新政治」に終止符をうち、庶民のまち・大阪にふさわしい、まともな府政・市政をよみがえらせることにあります。

 「都構想」の狙いは、大阪市をなくし「1人の指揮官(知事)」がやりたい放題の体制をつくることです。「府市統合」の名ですすめた病院、大学、研究所つぶし、「なんでも民営化」路線の公的責任投げ捨ては深刻です。“選挙で勝ったらなんでもできる”という独裁的手法のもと教育への介入、大阪市職員の「思想調査」などの民主主義破壊が強行されました。

 住民の暮らしへの被害も重大です。府民向け施策は1551億円も削減され、救命救急センターの補助金全廃、学校警備員補助廃止、特養ホーム建設費補助3分の1カットなどが相次ぎました。市政では「敬老パス」有料化、市民病院廃止など市民サービス切り捨て、施設つぶしが続きます。地方自治も民主主義も暮らしも大本から壊す「維新政治」を、これ以上継続させることは許されません。

 大阪では、「維新政治」にたいする反撃の世論とたたかいが、国政への態度、政治的立場の違いなどの垣根をこえて広がっています。2年前の堺市長選で「都構想」反対を掲げた竹山修身市長の勝利以来、「反維新」の市長は8市になりました。松井一郎知事提案の「泉北高速鉄道」のハゲタカファンドへの売却案は、府議会野党の共同で否決に追い込みました。

 今年5月の「都構想」の「住民投票」では「大阪市をつぶすな!」などを合言葉に、地域振興会、医師会、商店会総連盟、商工連盟などが一つになり、市民団体・個人が草の根から立ち上がるなか、政党では日本共産党、自民党、民主党、公明党が共同し、「大阪市つぶし」にきっぱりノーの審判を下しました。「都構想」の破たんにより、橋下氏は「政界引退」も口にせざるをえない事態です。「維新政治」退場へ政治的立場を超えた共同を、さらに広げ強めるときです。

新たな政治の扉を開こう

 「維新の会」は、審判を受けた「都」構想を再びダブル選挙で持ち出し、野望実現へ異常な執念です。安倍晋三首相との「改憲タッグ」へ思惑を秘め、「維新の党」分裂・「おおさか維新の会」の国政政党化など生き残りへ必死です。

 これまで積み重ねてきた「反維新」の一点の共同を貫き、なんとしてもダブル選挙に勝利しましょう。「オール大阪」の勝利は、全国の政治の流れにも大きな影響を与えることは明らかです。府民と市民の声を総結集し、新たな政治の扉を開こうではありませんか。