志位氏は冒頭、戦争法を廃止し立憲主義を取り戻す「国民連合政府」の樹立と、そのための野党の選挙協力を呼びかけた「提案」の意義と内容を詳しく説明。そのうえで、「提案」発表後の1カ月余を振り返り、「日本の政治の新たな激動の時代が開始されたという感を強くしています」と述べ、自ら実感している四つの特徴点を強調しました。
第1は、戦争法に反対する国民のたたかいが、法案強行の暴挙を新たな出発点として、さらに大きく発展していることです。
志位氏は、シールズの「渋谷街宣」(18日)や「総がかり行動実行委員会」の国会正門前集会など、法案強行後も広がる戦争法反対のたたかいについて、「日本を変える巨大な流れに発展しうるすばらしい可能性をもった運動です」と強調しました。
第2は、こうした中で、党の「提案」の方向が、国民のなかで一つの流れになりつつあることです。
志位氏は、「提案」が、政治を変えたいと願っている多くの人々の気持ちと響きあい、歓迎され、賛同を得るとともに、世論調査でも野党の選挙協力への期待が高まるなど、「『提案』が投じた一石によって、『野党は共闘』ということが一つの流れになりつつあると感じます」と強調しました。
第3は、野党間の話し合いの特徴です。この間の重要な動きとして、戦争法に反対してきた諸団体と野党5党との意見交換会(16日)や野党5党による臨時国会召集要求をあげ、「提案」の方向での野党間の話し合いについて、「さまざまな困難はあると思いますが、一歩一歩、粘り強く話し合いを続け、必ず合意を達成したいと考えています」と語りました。
第4は、「提案」に対する国際的関心の広がりについてです。
志位氏は、外国特派員協会での講演(15日)や20~23日までの訪韓の際の講演などに言及。韓国でも「提案」に強い関心が寄せられたことを紹介しました。
その上で、「『国民連合政府』が実現するならば、それは、日本の政治に、日本国憲法に基づく立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻し、すべての国民の『個人の尊厳』を守り、大切にする社会に向けての一歩を踏み出すことになると同時に、北東アジアの平和と安定にとっても、大きな貢献になると確信します」と力を込め、「この歴史的チャレンジを必ず成功させ、日本の政治に希望ある新しい時代を開くために全力をあげたい」と語りました。
記者からは、「野党の選挙協力をどうすすめるか」「“共産党アレルギー”にどう対応するか」など質問が相次ぎました。
宮城県議選の共産党躍進について問われた志位氏は、安倍政権の暴走に対する怒りが深いこと、保守、無党派の人たちを含めた勝手連的な日本共産党支持の動きがあったことを指摘し、「野党共闘が実現すれば、こうした動きが画期的に広がると思う。野党共闘がいよいよ大事だということが、今度の選挙からも言えるのではないか」と述べました。