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天下り6社33人
プライバシーへの国民の不安が高まっているマイナンバー(共通番号)。その関連事業を、政府の検討会議で委員を幹部が務めていた企業が独占的に受注している問題(15日付既報)で、新たに判明した発注額862億円の約9割にあたる772億円を会議メンバー9社(法人含む)で独占していることが2日、日本共産党の池内さおり衆院議員と本紙の調べでわかりました。まさにプライバシーを食い物にする利権・癒着の構図です。(矢野昌弘)マイナンバー導入のために内閣官房は2011年、技術面について検討する「情報連携基盤技術ワーキンググループ」を設けました。委員21人のうち、大手電機企業の幹部ら民間企業関係者が13人加わっています。
政府機関発注のマイナンバー関連事業は、新たに判明した43事業を加え、計70件合計で862億円超が明らかになりました。
このうち772億円超を「ワーキンググループ」に委員を出した9社が受注していました。発注額の89%を分け合っていることになります。
受注したのは、多い順に富士通が216億円、日立製作所が188億円、NTTデータが138億円などとなっています。(表参照)
発注方法にも不可解な点が浮かびます。少なくとも18件の事業が入札を伴わない随意契約でした。
NTTコミュニケーションズ、日立製作所、NEC、富士通、NTTデータの5社連合が受注した「情報提供ネットワークシステム等の設計・開発等業務」が入札不調の末に随意契約で受注した金額は123億1200万円。契約額は予定価格の99・98%と、談合が疑われるケースです。
11年度以降に行政機関の幹部33人が受注した企業6社に“天下り”していました(表参照)。マイナンバーが官民の癒着の温床になっていることが浮かび上がります。