日本共産党の志位和夫委員長は17日の記者会見で安倍政権の経済政策について問われ、「トリクルダウン論でも、増税路線でも、異次元の金融緩和路線でも、いずれも破綻は明らかだ。アベノミクスは三重に破綻している」と述べ、政策の根本的転換の必要性を強調しました。

 志位氏は、ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授が16日、政府の国際金融経済分析会合で消費税10%への増税と法人税減税のいずれにも反対を表明したことについて、「アベノミクス税制そのものの破綻を示すもので非常に重要だ。消費税の増税路線と、大企業減税のバラマキ路線の破綻は明らかになっている」と強調しました。

 金属大手企業が16日に行った春闘要求への回答でベースアップが低額だったことについても、「大企業をもうけさせれば、いずれは労働者の賃金が上がるというトリクルダウン論は成り立たないことを示している。これまで大企業でも実質賃金はマイナスだと指摘してきたが、名目賃上げもすずめの涙になっている」と指摘しました。

 志位氏は、「国民の賃金を上げようと思えば、まともに働くルールをつくることが必要だ。長時間労働を規制する、非正規から正社員への流れをつくっていく、最低賃金を抜本的に引き上げる、このルールを壊してきたアベノミクスを総括して、国民の暮らしを応援する方向へ転換することが求められている」と述べました。

 さらにマイナス金利政策の問題点も指摘した上で、「私たちは、国会でも経済政策の転換を求めていくが、選挙戦にむけて抜本的対案を示し、国民のなかで大いに議論してアベノミクスからの転換を求める流れをつくりたい」と表明しました。