現代は高度情報化社会である。
客観的・中立を装っているメディアの情報発信が、
政治的プロパガンダや恣意的な情報操作の側面を
強く持つことを意識化することは、この情報社会で生きる
我々にとって必須となる。
経済情報なども時の権力者にとって都合の悪い情報は
マスメディアでは滅多に報道されない。
これが、経済動向の予測が難しい理由の1つだ。
メディアを使った情報操作について
モスクワから情報発信されている国際関係アナリスト
の北野幸泊氏がウクライナのマレーシア航空機爆破事件を例に
わかりやすく解説している記事があるのでご紹介する。
(President Online より以下転載)
ロシア・中国で流れるマレーシア機撃墜「ウクライナ軍」説
国際関係アナリスト 北野幸伯
ウクライナ軍によるプーチン暗殺未遂?
マレーシア航空機が7月17日、ウクライナ東部ドネツクで撃墜された事件。
日本では、ウクライナからの独立を目指し、ロシアの支援を受ける親ロシア派
による誤爆というのが定説だ。
しかし、世界的な定説かというと、実はそうでもない。
ロシアでは、ほぼ全国民が親ロシア派がやったとは思っていない。
何と、欧米寄りのウクライナ軍がやった! というのだ。
<中略>
日本人の大半は、マスコミはおおむね事実を報道すると信じているが、
実は、そうではない。
政治的意図は少なくない頻度で事実より優先される。
今回の場合、米国の政治的意図は
、「クリミアを併合し、米国に逆らうプーチン・ロシアを国際社会で孤立させること」。
たとえウクライナ軍が撃墜したとしても、ロシアがやった!
と主張する可能性が高い。
ロシアの政治的意図は、逆に「孤立を防ぐこと」。
だから、親ロシア派が撃墜したとしてもウクライナ軍がやった!
と主張する可能性が強い。
中国はロシアの原油・天然ガスと最新兵器を必要としているから、
とりあえずロシアを支持する。
外国から流されてくる情報は、いつも真実とは限らない。
各国政府の意向に沿った政治的プロパガンダの場合もあるのだ。
(転載終了)
NHKや大手新聞などのメディアで流れる情報というのは、
事実を伝えるものだと思っている人が多い。
懐疑的な人もたくさんいるが、それでも大手の情報に
いちいち反応してしまうのが日常茶飯事である。
圧倒的な影響力を与える大手メディアは、
徹底的なプロパガンダ装置として時の権力に利用されてきた。
それは古今東西どこでも同じだ。
情報発信する側に、恣意的な要素が存在するのは、
マスメディアだろうが、個人ブログだろうが当たり前である。
問題は、現在のマスメディアがプロパガンダ装置であることを
隠すことに重点をおいていることだ。
第三者的、客観的な立場から報道しています、とぬけぬけと嘘をいう。
しかしそれを真に受ける人たちが相当数でてくる。
この第三者的、客観的、という報道の嘘を意識化することが
メディアリテラシーの基本となる。
我々はこういう立場から情報発信をしている、と明確に示し、
その通りに報道している政党や宗教の機関紙の方がまだ
正直な分、誠実である。
「第三者的、客観的報道などありえない」という意識化が必要であり、
全てのメディアはプロパガンダであり、情報発信は必ずその発信
する立場を見て考えていかなくてはならない。
政治情報に限らず経済情報も、権力に都合の悪い情報は
権力よりのマスメディアでは報道されないと思っていたほうが
よいだろう。
報道する側の立場と思想を理解することが、情報化社会に
翻弄されずに生きる肝である。
<リンク>President online 国際関係アナリスト北野幸伯 ロシア・中国で流れる
マレーシア機撃墜「ウクライナ軍」説
<関連リンク>ロシア政治経済ジャーナル 北野幸伯
<参考リンク>日本のマスメディア鵜呑み度は世界一
「補足」
マレーシア航空機の爆撃を始め最近頻発している
航空機の事故の背景について。