『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場公開を記念して、いつもは有料会員向けに配信している「アニメの門生放送!オフトーク動画」特別編を無料配信します。
また、今回はじめてアニメの門ブロマガをご覧いただいたまどマギファンの皆さん向けに、ブロマガ2号に掲載した藤津亮太のお庫出し原稿2本を再掲載いたします。
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1.【無料動画】アニメの門生放送!『魔法少女まどか☆マギカ』劇場公開記念OFF TALK特別編
2.お蔵だし原稿「魔法少女の成長物語」(2011年5月7日朝日新聞夕刊「茶話」掲載)
3.お蔵だし原稿「魔法少女たちに永遠の花束を」(同人誌「ティロ・フィナーレ本」収録)
【無料公開】アニメの門生放送!『魔法少女まどか☆マギカ』劇場公開記念OFF TALK特別編
OFF TALK動画は、毎月第1金曜日よる22時から行っている「アニメの門生放送!」の時間内では話しきれなかった内容を、ゲストと一緒に振り返る15分程度の動画です。月額200円のチャンネル会員になると過去のバックナンバーを含むすべてのオフトーク動画を自由に視聴することができます。
今回は『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場公開を記念して、日本最大級を目指すアニメポータルサイト「AniFav」編集キャップの前田久さんとともに、「まどマギ」特別編を急きょ収録。アニメ評論家・藤津亮太がこれまであまり語ってこなかった新房監督の演出についての思いを明らかにしています。
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お蔵出し原稿「まどマギ」スペシャル
藤津亮太がこれまで発表してきた原稿から、単行本に収録されていないものをお蔵出し!
今回は、ブロマガ2号に掲載した『魔法少女まどか☆マギカ』に関する原稿を2本、再掲します。
魔法少女の成長物語
MBS・TBSなどで放送された「魔法少女まどか☆マギカ」が堂々たる完結を迎えた。
本作の魔法少女は、自らの願いと引き替えに契約を結び、災いをなす“魔女”と戦う存在だ。主人公まどかがそんな魔法少女の戦いを知るところから物語は始まる。
だが契約には落とし穴があった。魔法少女たちが絶望し力尽きた時、彼女たち自身が魔女となってしまうのだ。何故こんなルールがあるのか。物語は終盤、そこに焦点をあてて壮大なSF的ビジョンを展開する。
中核をなすアイデアに美少女ゲームからの大きな影響があり、クライマックスでは宇宙の法則にも言及するなど、美少女ゲームやSFの文脈から読み解かれるのが本作のもっとも正統な読み方であろう。
だが本欄は、隠し味のように潜む成長物語の要素に注目しようと思う。
ポイントはまどかの母。彼女はべらんめぇ調のワーキングマザーで、少ない出番ながら強い印象を残す。
最終回直前の第11話で魔法少女になることを決意した時、まどかは母と対峙する。娘を心配する母の言葉を飲み込んだ上で、まどかはそれでもやらなければならないことがあると駆け出す。第1話では母がリボンを選んであげていたまどかが、自分の意志で人生を選び取った瞬間だ。
またまどかは、第3話で母の人生を「夢を目的にするのではなく、生き方そのものを夢にする生き方」と理解する。これは最終回で魔法少女となったまどかの行動に繋がる。
母の生き方を理解し、自分の生き方を選択する。実に王道の成長物語だ。そこには図らずも『魔法のスターマジカルエミ』('85)など「成長」をテーマにした魔法少女ものの遠いエコーも響いているように思う。
(2011年5月7日朝日新聞夕刊「茶話」掲載)
[メモ]
約700wほどの原稿にできるだけ詰め込んでみました。まとめサイトに取り上げられたせいもあって、ちょっと僕にはよくわからない反響があった原稿でもありました。で、この時はいろんな要素をギュっと圧縮して700wで書いたわけですが、それを解凍というか展開して書いたのが次の原稿です。これは2011年の夏コミに出た同人誌「ティロフィナーレ本」に寄稿を求められて書いたものです。
魔法少女たちに永遠の花束を
1、魔法少女はどこから来たのか
「ジャンル映画とは何か。強調すべき第一点は、ジャンル映画とはハリウッドの大量生産システムから生み出される大衆消費財だったということである。それはフォードやトヨタの工場の自動生産ラインに乗って組みたてられる大衆車のように生産され、消費された。好むと好まざるとにかかわらず、ハリウッドは一定のパターン(それは「好み」に応じて斬進的に変化しないわけではないが)に基づいて自社の製品をつくりつづけ、観客はそれをそのパターン条件下で享受しつづけた。パターンのこの反復可能性が継続的な大量生産/消費を可能にする。そしてパターンゆえに、生産者側も消費者側も自分たちが何を売り、そして何を買っているのかはっきりとわかっていた。ジャンルの生成と発達は安定拡大を目指す産業の必然なのである。」
――『映画ジャンル論 ハリウッド的快楽のスタイル』(加藤幹郎、平凡社)
『魔法少女まどか☆マギカ』は、“魔法少女もの”ではない。それは脚本を担当した虚淵玄も言明している通りだ。
けれども今回、『まどか☆マギカ』について語るにあたっては、「魔法少女」という単語から全てを始めようとと思う。それはこの言葉が、この作品を語る上でさまざまな因果をつなぎ止める特異点になっているからだ。
だから、まず最初にこうやって問いかけることから始めよう。
「魔法少女はどこから来たのか」。
教科書的に答えるならば、その起源はまず1966年に求められる。
同年『奥様は魔女』にヒントを得た横山光輝の『魔法使いサリー』が初の「少女向けアニメ」として東映動画(現・東映アニメーション)映像化されたのだ。
そして『サリー』のヒットを受けて制作された『ひみつのアッコちゃん』(1969)では、「変身用小道具(魔法のコンパクト)」「あこがれの職業への変身」「お付きの小動物(猫のシッポナ)」といったジャンルを特徴づける要素が早くも登場している。
以降、東映動画は1980年までの14年間に9作の魔法少女ものを送り出す。だが、この中で「魔法少女」を肩書きに持つのは『魔法少女ララベル』だけだ。
肩タイトルで「魔法少女」をうたわないのは、東映動画作品だけではない。
1980年代に魔法少女ものに革新をもたらした『魔法のプリンセスミンキーモモ』から『魔法のアイドルパステルユーミ』に至る5作も「魔法」の言葉は使えど、「魔法少女」の単語は避けている。
『ララベル』が「魔法少女」を名乗らざるを得なかったのは、この作品が前作『花の子ルンルン』へのカウンターとして、日本を舞台にした庶民的な作品――つまり世界観に特異性が薄い方向性――を目指したため、肩タイトルにその世界観を象徴させることが難しかったからだろう。
この『ララベル』を例外として、次に「魔法少女」の単語が登場するのは、1996年の『魔法少女プリティサミー』。そして、その後、2004年に『魔法少女隊アルス』、『魔法少女リリカルなのは』、2005年に『奥様は魔法少女』、2006年に『砂沙美☆魔法少女クラブ』と続く。いうまでもなく『リリカルなのは』の監督は新房昭之である。
これらの作品の特徴はいずれも「魔法少女もの」という系譜からすると、かなり変化球な作品であるということだ。パロディにするか、肩タイトルだけ借りるか、その意匠を解体するか、そのアプローチはそれぞれだが、いずれにせよ「もはや魔法少女ものとは呼びづらい作品が、あえて魔法少女をうたう」という共通点がある。
1990年代以降の「魔法少女もの」は、その見取り図が非常に描きづらい。
「魔法少女もの」の正統な系譜が『おジャ魔女どれみ』(1999)、『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』(2001)と登場する一方で、 『美少女戦士セーラームーン』(1992)から『ふたりはプリキュア』(2004)へとつながる「戦闘美少女もの」が一大潮流を形成する。そのほかにもさまざまな「魔法少女もの」(バリエーションの「アイドルもの」も含め)が登場するが、それらの存在はスタンドアローンで1980年代までのように、シンプルな系譜を描くことは難しい。
この混迷はおそらく、1988年に『ひみつのアッコちゃん』のリメイクが成功した時から始まる。その時から「魔法少女もの」の単線的な歴史は終わり、「魔法少女もの」という漠然とした巨大な概念と、ターゲットや方向性によって切り口が変化する個別の作品が存在するだけになったのだ。
だからこそ「魔法少女もの」として変格な作品が、視聴者との関係を取り結ぶために、その不透明な立ち位置を明瞭にする目的で「魔法少女」を率先して名乗る。それはずいぶんとアクロバティックな転倒だ。
だが現代にあって「魔法少女」を名乗るということは、このアクロバティックな転倒を自覚することにほかならない。だから「魔法少女と名乗っているにもかかわらず、魔法少女ものではない」といわれてしまう『まどか☆マギカ』は、「魔法少女もの」の歴史に鑑みて実に正しい。
『まどか☆マギカ』の立っている場所はそのような場所なのだ。
(同人誌「ティロ・フィナーレ本」収録/全5章)
※「魔法少女たちに永遠の花束を」1~5章はアニメの門ブロマガ2号に全文掲載されています。
続きは劇場で!
アニメの門ブロマガ まどマギ劇場公開SP「動画も、記事も、あるんだよ」、いかがだったでしょうか。動画を収録したのは「前編」が劇場公開される前夜、りょっぴーも前Qさんも全くの白紙状態で「まどマギ」劇場公開祭りに参加するという、そんなの絶対おかしいよ!なブロマガ企画ですが、はたしてアニメ評論家・藤津亮太の予想は的中しているのか……?!それは皆さんの眼で確かめてください。続きは劇場で!!
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>>9
問題は時間ループ程度の設定被りじゃないです・・・・・
・魔法少女
・魔女設定
・ワルプルギスの夜の訪れ
・黒キャラが実は時間ループ能力
・エントロピー云々の解説
これらモロにスマガと被ってます。
ちなみにQBのような契約云々しといて実は黒幕であり裏があるキャラ
も被ってます
魔法少女は色ごとのキャラ設定もほぼ被ってます
ここまで被るとさすがに擁護も難しいです。ましてやツイッターでシナリオ書いたバイオさん本人に指摘された後、
言い訳とも取れるツイートをすぐに削除してしまうという失態まで・・・・
>>10
スマガが早くアニメ化されて
「さすがまどマギのパクリ元の作品だ! まどマギよりずっと面白れーぜ!」
って言われたら良いですね。
祈ってます。
>>11
まぁ確かにそうですね、面白ければパクリって許されますもんね。そーいう雰囲気わかりますよ。
新作の映画ではなにをパクって面白くするのか、これから楽しみですね
>>12
許してねーヤツが言うなよwww
そこまで丸パクリならもっと声が上がってとっくに元作品がクローズアップされるだろって皮肉だ。
もうちょっと文脈読めよ。
俺だってスマガはやったことがあるから(面白かった)似た設定はある思うよ?
自社作品だけに名前の一部も流用してるなーとも思ってた。
だがパクリとまではいかねーな。
設定の相似性だけなら物語の文化には連綿たるオマージュの歴史があって
シュタゲとか様々な作品スレで何度も論議される機会が多いから
あからさまなパクリは多人数のファンや評論家とやらに調査されすぐばれる。
一年以上も経ってまどマギだけに顔真っ赤にして言ってるのが嘲笑に値するってこった。
>>13
なるほどぉ、逆に言えばいくらパクリにパクリを重ねても多人数のファンや評論家とやらに調査されなければパクリとは認められないんですね。
ええ、ちなみに僕個人はまったく許してませんよ。でも面白ければパクリって許される風潮、ありますでしょ?
僕がその風潮否定したところで何か変わります?
しかも虚渕さんの発言曰く、まどかのシナリオは「スマガをまったく知らなかったことを前提で書かれた作品」
な「ハズ」です。
つまり虚さん側にオマージュだとか設定の流用の意図はまったく無くこのシナリオを考えたことになりますよね。
もちろん虚淵さん自身の発言(虚「スマガはまどかを書いた後に知った。」)を全面的に信用するならのお話ですが。
私はオマージュや流用それ自体を否定してるわけじゃないです。オマージュの意図があるなら嘘や隠し事しないで堂々と認めてしまえばいいんじゃないですか?今のところ虚さんからは嘘と誤魔化ししかきこえてきませんが、
私から見ればこれは、オマージュや流用ではなく「パクってしまおう」というやらしい意図が見え隠れしてるのにしか解釈できませんけど・・・・。
改めて言い直します。
新作の劇場版ではなにをオマージュ( して面白くするのか、これから楽しみですね()
ネットの普及した現代で不特定多数のパクり追究派増えてる。
まどマギみたいな人気作ならなおさらだ。
だが寡聞にしてパクリ疑惑の話題はほとんど聞かないな。
ステマ疑惑はよく聞くがw
スマガを全く知らんというのはドコのソースだ?
同じソフト会社の作品を全く知らんというのは確かに考えられんが。
ちなみにオマージュ否定してないってあの文章でどう信じろと(^^;)w
>>15
そもそもオマージュの定義って、引用元に対しての敬意と申しますか、そーいったものが必要だと思うんですが。
(正確な定義は知りませんので違ってたらごめんなさい。)
それを踏まえた上で考えるとウロブチさんに作品の引用元に対する敬意は無いと思いますね。
レポート作成するときだってそうでしょうけど、なにかに対する引用はちゃんと引用元を明らかにしないといけませんよね?(しかも引用の文章は字数に含まれないっていう・・・)
引用を明らかにしてないどころかしらばっくれてる時点でそもそもオマージュじゃ無いんじゃないでしょうか?
ちなみにソースはwikiでも書いてますけど、オトナアニメのインタビューが元です。
なら「なにをオマージュして面白くするのか楽しみですね」
なんてからかうような文章書くなよ。
それがオマージュという言葉を否定してるようにしか見えないんだよ。
>>17
オマージュそれ自体は否定してませんよ。No.13みたいな人が語るオマージュ()を皮肉っただけです。
言葉の単語を否定してるわけじゃないです。
その言葉を使った人間を、否定してるんですよ。わかりますかね?
映画版の続編はそういうの無いといいなぁ。。