「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2025年07月08日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2025年07月22日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025/07/08配信のハイライト
- 暑さと「トランプ関税ふたたび」
- 「マスク新党でどうなる?」と「財政の理解とMMT」
- 「参院選について」と「首長は海外で学位とっとけ」
- 視聴者質問「伊藤穰一氏の責任」「2028年に内戦」「狭く深くにシフト」とGQuuuuuuX感想
- 『PLURALITY』と「悪意に対する備え」「人は選択したくない」
- 「お任せ」と「選択する権利」と「社会はいつの間にかそうなってる」
暑さと「トランプ関税ふたたび」
山路:もうこの格好を見てもわかるように、今日もずいぶん暑いじゃないですか、
小飼:暑かったですね。「かった」じゃねえよ、過去形にするなよ、俺(笑)。
山路:これ、日本だけじゃないっていうことなんですよね。スペインで47度でしたっけ、そんなのあったというし。
小飼:ただな、イベリア半島は乾いてるんだよな、何が羨ましいかっていうったら。
山路:まだ多少は過ごしやすいって? その一方、イギリスのロンドンの地下鉄、これ地下鉄、冷房がほぼないらしいですよね(笑)。
小飼:死ぬるよね。日本やシンガポールみたいに地下鉄のプラットホームまでエアコンが効いてるという、いやそれでもやっぱりプラホームのほうが車内よりも暑いし、駅から外に出るとさらに暑いですよ。だから2段階ぐらいヒートショックがあるので、だから今日けっこう来たよ、ここまで来るのに。だからまず家を家を出て暑いのが来て、さらに外に出て暑くなって、
山路:駅で冷やされ、
小飼:そうそう、駅の地下通路で冷やされ、車内で冷やされ、いや本当に何と言えばいいのかな、鍛えられる鉄みたいな気分になった(笑)。そう、焼き入れ焼きなまし(笑)、
山路:でも、ヒートショックでも、熱中症よりはマシなんじゃないかっていう(笑)。これ、とにかくヨーロッパって今でも極端にエアコン少ないらしいですね。
小飼:だからもともといらなかったもんな。でも、ブリテン島は必要だったと思うけどね。しけるから。
山路:で、ヨーロッパなんかはもちろんなんですけども、当然もっと暑いところっていくらでもあるじゃないですか。インドで今、エアコンの普及率7パーセントだそうなんですよね。
小飼:いやー、なんという膨大な市場。中国どれくらいなんだろう?
山路:中国はどうなんだろうな。ただインドのこの7パーセントも以前から相当増えて、最近増えて7パーセントになったところらしいんですよね。まぁそこにでいろいろ日本企業なんかも頑張ろうとしてるって話なんですけど。
小飼:(コメントを見ながら)電力足りるのかっていう心配をしてる人がだいぶ増えてきたんですけども、僕は逆にじゃあ、なんで電力需要が増えたのかっていうのを考えると、大丈夫だと。
山路:それはその国が豊かになってきたからっていうふうに見る?
小飼:っていうのではなくて、要するに電力需要の伸びを何が一番になってるかっていうふうに言ったら、エアコンなんですね。なんだけれども、じゃあエアコンが一番活発に動くときに太陽光発電というのも、一番発電するんですよね。だから最近、震災直後というのは電力需給というのをみんな一喜一憂してたじゃないですか、計画停電をやったり。最近それやってないでしょ。
山路:確かに。ああいう電力需要のグラフ、出なくなりましたよね。
小飼:そうそうそう、それどころかもう太陽光発電があまりに普及したので、昔は原発の余力で揚水発電の水を上げてたのを、もう昼間にやりましょうって話になってるんだよね(笑)。
山路:じゃあ本当にインドなんかのそういうエアコンの需要に関しても、太陽光発電がこれから普及していくんであれば、
小飼:いやでも普及する。だって一番安いんだもん。ただし一番安く作れるのが中国なので、でもやっぱりインドぐらいの大国だと地産地消したいんだよね。じつはインドもけっこう頑張って、
山路:あ、太陽電池作ってるんですか?
小飼:作ろうとしてて、工場いっぱいおっ建ててるんだけど、そこが太陽電池を出してくるっていうのはやっぱりタイムラグがあるから。でも、そういった意味であんま心配してない。
山路:ちなみにその電力に関しては太陽光発電で賄えるとしても、エアコンって言ってみたら外に熱い空気は出すじゃないですか。そういうことで都市環境の変化みたいなものとか、
小飼:いや、もうぜんぜん耳クソみたいなもんなんで。
山路:そうですか(笑)。
小飼:地球温暖化とかに比べたら本当にエアコンによる排熱なんていうのは耳クソなんですよ。だから今までの問題は、それを温暖化ガスの排出で化石燃料の燃焼で賄ってたっていうことなんですよね。
山路:でもエアコンとかのハードウェアを作るためにそれなりに資源はいったりするじゃないですか、
小飼:じつは一番心配しているのは銅ですね。copperですね。Cuですね。
山路:それは他の家電なんかよりもエアコンのほうがたくさん銅使われてるんですか?
小飼:むっちゃ使う。
山路:むっちゃ使う。
小飼:はい、普通の家電の桁1つ2つくらい大きい、
山路:えぇ、そんなに(笑)。
小飼:だから特にでかいのが室外機についてます。
山路:あー、そうかそうか。
小飼:室外機のコンデンサー。
山路:これって代替するものっていうのはないんですか?
小飼:えーとね、代替品ないわけでは、たとえばアルミとか使えなくはないんだけども、やっぱり熱伝導なので、それだけもしアルミで作ろうとしたら、室外機がでかくなってしまうので。
山路:なるほどなー。あー、そこでなんかまたブレイクスルーがちょっと期待されているところではあるわけなんだ。
小飼:そうなんです、銅は比較的安くて、いろんなところで見つかりやすくて、それでまあ熱を通しやすい、電気を通しやすいっていう素晴らしい特性があるので。しかも精錬しやすい。
「都市鉱山」(コメント)
山路:ってありますけど、本当に辺のリサイクルめちゃめちゃ重要になってくるんですね、
小飼:そう、だから都市鉱山を今盗掘してるやつがいるんですよ、室外機泥棒。
山路:ああ。そうか、銅を狙うのに室外機が手っ取り早いんだ、
小飼:そう、だから室外機パツンとやって、そのままリサイクル屋にポーンと売るわけです。
山路:室外機をそのまま中古で売るよりも、ある意味なんていうのか、その銅が目当てなんだ、
小飼:銅が目当てなんですよ。
山路:へぇー。いや、なんかすごい感じになってるな。
「ダイキン買うか」(コメント)
山路:ってありましたけど、ダイキンって世界の、少なくとも確か個人用のシェアでは1位じゃないですか。
小飼:ですね。
山路:これ今後、その世界でエアコン需要間違いなく伸びると思ってるんですけど、あとついでAIデータセンターとか。これってダイキンの株、買いなんですか。
小飼:えーとね、今のところ配当性向がショボいね。
山路:(笑)なるほど。
小飼:もっと配当するか、自社株買いをするかっていう、普通のバックオフィス側の努力が求められるっていう感じ。だから今の株価は高すぎず安すぎずなので、そういう意味では投資してもいいけどでも、今時株価に対して、配当が1.5パーっていうのはちょっと見劣りするよな。
山路:バークシャーハサウェイとかが買ったりしてクッと上がったりとかしないですかね。
小飼:だから今は3パーセント台のゴロゴロしてるじゃん。
山路:なんか日本企業、最近配当良くなってますもんね。
小飼:そう、だから皆さんのお賃金が上がらなくなったのと引き換えなんですよね。まさに。
山路:なるほどねえ。
小飼:(コメントを見ながら)お、わざわざ買い替え、そういえば、うち、僕が買った住戸というのは全部ダイキンだったね。例外なくダイキンだったね。賃貸で住んでた時のほうはちょっとわからん。特にな、下馬に住んでた時には故障して、大家さんが取っ換えてくれたんですけれども、取っ換えるのに1週間くらいかかってて、その間、本当に避暑してましたね、逃げてました。我々、ちょっと留守にするんで、その間に直してください、みたいな。
「もう一軒家ってリスクしかない気がしてきた」(コメント)
山路:っていうのは、これは室外機を盗まれるリスクの話なのかな。これ、しかしちょっとこの人の言うことも一理あるなと思って、もう一戸建てってなんか自由にできて良さそうに思うかもしれないけど、それって自分で全部メンテしなきゃいけないという責任あるじゃないですか。
小飼:いや、本当に。
山路:弾さん、一戸建てはもう割に合わないみたいなことを前言ってましたよね。
小飼:少なくとも都内ではないね。いや、戸建てだったらやっぱり100坪、いや、100坪、まぁ500平米ぐらいは欲しいよね。土地がね、敷地が。
山路:そこに2階建てぐらいにしてっていう感じか。
小飼:そういうことですね。で、戸建てだったらじつは冷暖房、もっといい方法があって、室外機の代わりに地中を使うんですよ。
山路:え、そんなものってあるんですか。
小飼:あるある。
山路:地下の冷えてるものを使うってこと?
小飼:そうです。
山路:そういうのって日本でもあるんですか?
小飼:あるあるある。
山路:へぇー。
小飼:すごい効率もいい。
山路:ふーん。ちなみにそれなんていうカテゴリーになるんですか?
小飼:なんていう名前だったっけ。
山路:なんかエアコン的な感じの名前ついてるのかなと思ったんですけど。
小飼:地中を使うという。
山路:ちょっと後で調べとこう。
「都市を丸ごと冷やす方法はないの?」(コメント)
山路:って。ドーム都市、
小飼:大きなところはじつは使ってたりしますよね。
山路:え、都市を丸ごと冷やすの文脈?
小飼:都市を、そう、ビルディングを丸ごとっていうのは。
「賃貸ならすぐ引っ越せるしな」(コメント)
山路:って。これはまあ戸建てというよりは賃貸か、買うかの話ではありますけれどもね、こっちは。
「北海道に引っ越したい」(コメント)
山路:ああ、ただ北海道も最近、旭川でも35度超えるような、なんか天気になったりとかして、なかなか大変な話になっていくかもしれないですけどもね。じゃあちょっとまた今まさに話題になってた国際ニュース絡みに行きたいんですけれども。トランプ関税やんの、やらねえの、みたいな。ドリルみたいな話になってきてますけれども。
山路:これ、どう思います? 結局トランプ関税、日本には25パーセント、相互関税かけるみたいなことをすげえなんか下品な感じの言葉で、書簡送ってきたみたいですけれども。
小飼:うん。まぁそれはやるんでしょうな。だって払うのはアメリカ国民。
山路:ちょっと笑ったのが日本の株価ってぜんぜん変わってないんですよね(笑)。
小飼:ねえ。
山路:一方、アメリカの株価は昨日ぐらいからガンと。
小飼:スバルとかマツダとか、けっこうヤバいと思うんだけれども。
山路:車に関してはヤバいですよね。
小飼:で、同じトヨタでもレクサスは本当に全部、日本で作ってます。高級なやつは日本で作っている。ただしアメリカでしか売ってないモデルはアメリカで作っている。
山路:なんかでかいやつ、ありませんでした? アメリカだけの。
小飼:そうそうそう、4ランナーとか、タンドラとか。え、そんなのトヨタ作ってるのって、たぶん日本の人が思うようなやつ。本当にアメリカのピックアップトラックと、もうもろぶつかるようなやつね。
山路:これで不思議なのはこのトランプ関税、仮に25パーセントぐらいで落ち着くというか、それで決まったとしても、今までよりアメリカ、値上げになるのは間違いないわけじゃないですか、アメリカの消費者にとって。なんでその割にはアメリカの株価も思ったほどには下がってないという感じ、しません?
小飼:いや、だから日本車の場合はもともと高いのよ。もともと同じクラスの、米国ブランドのものよりも2割か3割高いのがデフォルトなんです。なのになんで売れるかっていったら、リセールバリューが高いの。日本におけるApple製品みたいなもんで。
山路:ある意味企業としては吸収する余力もあるわけだ。
小飼:というのか、消費者のほうでね。しかも残クレみたいなものがいっぱいあるので、残クレ方式で買ったら、あんま変わらないの。
山路:なるほど、車関係のなんかローンの充実によって、その辺のところっていうのが。
小飼:もっとエクストリームなのは、フェラーリ。
山路:フェラーリ。
小飼:買った時も高く売れる(笑)。
山路:あー、あれがなんていうか、アートとか芸術品みたいな。
小飼:いやー作る量を絞ってるっていうこともある。その代わり、バカがぶつけてぶっ壊して、さすがにぶっ壊しちゃうともうどうしようもない。一番いいのは買って飾っておくという(笑)。
山路:(笑)いやはや。ただ本当に株価に関して言うと、こんなにいろいろな不安定要因があるのに、なんか上がってません? 全体的に。アメリカも日本も。
小飼:ちょっと不安だね。
山路:なんでこう、みんなこんなに楽観的なんだろうとか思ったんですけれども。弾さん的にはやっぱりちょっと不安を感じる?
小飼:いやー、まあでもそれは上がってる上がってるって言ったって、ブラックマンデーもリーマンショックもあるわけで、その程度のショックというのはあるでしょう。あるいは本当に、グレートディプレッションぐらいのものもあるでしょう、人類史を考えれば。
山路:まぁそれにそこまで大きな話にしなくても、10年ぐらいのチャートで見てもこんな、なんかブラックマンデー、そういうリーマンショックとかも今から見たら、
小飼:まあ、ところどころ穴が開いてるわけです。で、S&Pというふうに言っても、でもS&Pもやっぱり一極集中が激しいよね。
山路:結局マグニフィセント・セブンとほぼ同じじゃねえか、みたいな。
小飼:そうなんだよね。
山路:マグニフィセント・セブンって、アメリカの消費者に影響がある株ではあんまないと思われてたりしますよね。
小飼:全世界的なものだって思われているよね。確かに顧客はアメリカに限らないわけじゃないですか、マグニフィセント・セブンの場合というのは。
山路:その一方で、すごい消費者に直結するような会社ってけっこう潰れたりも。デルモンテとか潰れたりとかしてますよね。潰れたと言っていいのかな、チャプター11申請したりとか。その一方でマグニフィセント・セブンというのは上がっているというのはなんだろうなとは思うんですけども。
なんで世界、こんなに反応しないんだろうと思ったことがもう一つあって、イラン攻撃したじゃないですか、アメリカ。あれ、私なんかも第3次世界大戦の始まりかぐらいビビったんですけど。
小飼:空爆しかできないから、だね。これが本当に国境線接していればイラン・イラク戦争みたいなことというのもあり得ますし。ミサイルはそんなにいきなりたくさん作れませんし、単に両軍とも弾切れなんじゃないですか。
山路:ただイランとかってすごいテロ活動みたいな形での報復とかもあるかなと思ったんですよね、それもなんか、そんなにすごい活発でもなく。
小飼:いや、すぐでなくてもいいわけです。むしろ、これで有耶無耶になったのかなっていうあたりでドカンと、
山路:油断してるあたりで。じゃあなんとなく、世界のみんながそんな大事にならなくて安心安心と思ってるからこそ、やばいという。
小飼:まぁそうだね。べつに多めに見て、あくまで休戦レベルであって。
山路:でも、ずっと続いてきたことといえば、ずっと続いてきた状態ではありますよね、イランとの関係というのは。そうか、
小飼:まぁずっととは言っても、イスラム革命の前というのは親米国だった、
山路:まぁそうですね、イスラム革命以降の意味でずっと、と言ったんですけれどもね。アメリカに絡んで言うと、ウクライナへの追加兵器、供与するらしいですよ。これって何か影響あると思いますか?
小飼:それはあるけれども、要するにinconsistentな(一貫しない)わけですよね。もう援助する、援助しない、援助する、援助しないみたいに。もうすでにアメリカは頼りにならないっていうふうには思っていると思います。もちろん口では、
山路:とりあえずありがとうって言っておくにしても、
小飼:感謝するにしても。感謝してねえじゃないかっていうやつもいるかもしれないけれども。少なくともちゃんと言質は取っているんだよね、必ず取っているんだよね、ウクライナ。
山路:思ったんですけど、援助するにしてもアメリカ側が、これって絶対にロシアが徹底的に負けるっていうふうにはしないんだろうなとも、あくまでもロシアの力を減らすようなレベルでしか援助はしないんだろうなと思いましたけれども。
小飼:どこまでっていうことだよね。そろそろロシアも、人的にきつくなってきた。
山路:まだ人いっぱいいるじゃないですか(笑)、
小飼:いやー、まぁでも死傷者がやっぱり100万人になったっていうのは。少なく数えても、死者がもう15万人を超えてるっていうのはベトナム戦争でのアメリカの死者の3倍ですからね。人口が日本よりちょっと多い程度の国でね。
山路:都市部の人はなんか死者は少ないらしいですけれどもね。
小飼:そこが工夫なんですよ。
山路:貧乏な地方が、
小飼:そう、田舎者を戦場に送ってるわけです。
山路:金も遺族に払ってね。
「北朝鮮が頼り」(コメント)
山路:って、なんか本当にそういう野砲なんかでも北朝鮮製のものが今使われてるみたいなことが出てましたけれどもね。
小飼:本当にそのうち、槍と棍棒とかになるのかね。
山路:もうウクライナもある意味サンクコストがひどいから引けないっていうのはあるんじゃないかと思いましたけども。
小飼:いや、コストではないんだよね、ウクライナの場合は。
山路:国のアイデンティティというか。
小飼:アイデンティティというのか、ロシアに対して引くというのはどういうことかというのを、彼らは熟知してるわけですよ。いや、2014年からもうそれははっきりしてたんだけれども、2014年の時にはあんま世界は助けてくれなかった。
山路:いやー、まだなかなか本当にウクライナのほうも落ち着く感じではないですけどね。
小飼:ずっと続くでしょうね、これは。
山路:ウクライナ戦争始まった時に、私はすぐケリつくかなと思ったんだけど、これ長く続くぞみたいなこと弾さん言ってましたけど、続きますね本当に。
小飼:続きますね、はい。
山路:下手すとこれから10年とか続くことってある?
小飼:あるけれども、持つかな。
「マスク新党でどうなる?」と「財政の理解とMMT」
山路:お互いにね。これ、もう一つアメリカ絡みで言うと、例の男が今度はアメリカ党ですよ。
小飼:ハァー。