「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2025年09月02日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2025年09月30日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2025/09/02配信のハイライト

  • 「洋上風力計画の厳しさ」と「サントリー会長辞任」
  • なぜ円建てステーブルコイン?
  • 視聴者質問「きつい作品が見れない」「リタイア後の生活」「不動産投資」
  • 「FeliCaの脆弱性と対策」と質問「学ぶべきはPython?」
  • 「Netflixによるスポーツ囲い込みの影響」と「捏造動画を規制すべき?」
  • 「透明頭蓋骨」と「物体の衝突回数で円周率」

「洋上風力計画の厳しさ」と「サントリー会長辞任」

山路:何度もいうものあれですけど、暑いですよね(笑)。

小飼:ねえ。

山路:今年一番の暑さだったんじゃないかっていうぐらいの。

小飼:昨日がそうだったけど、今日は、昼前って涼しく感じちゃいましたね。

「慣れっておそろしい」(コメント)

小飼:たった31度だとかいってね。

山路:今年、結局観測史上もっとも暑い夏ということにはなったみたいですよ。

小飼:ほんとに40度の壁をあちこちで突破してたよね。

山路:近いから当然っちゃ当然なんですけども、韓国のほうも観測史上最も暑い夏に、ということで、

「9月でもまだまだ夏が続く」(コメント)

山路:この暑さに関してちょっとおもしろい話題がありまして。SNS上の12億件のツイートかな、それを調べた話があるんですけれども、それによると気温が35度を超えると、人が、ネガティブなつぶやきが増えるっていうのは、暑くなると増えるっていうのは、それはそうだろうなっていうんだけど、それが高所得国と低所得国で暑くなったときのネガティブ度合いっていうのがぜんぜん違うらしいんですよね。

小飼:やっぱエアコンの差?

山路:っていうふうにまずは思いますよね。

小飼:いわゆる先進国というのは、ほんとに温帯のほうにあるので、今の基準だと涼しいほうに入りますよね。

山路:ただヨーロッパのほうはそうは言ってられなくなってきてますよねと。

小飼:オリンピックのときにも問題になったじゃん。選手村にエアコンがねえって。

山路:EU、いまだに気温が高くなってもエアコン規制が厳しくて入れられないところが多いらしいんですけど、もうそんなこと言ってられないだろっていう、

小飼:景観も変えちゃうっていう気持ちはわかる。

山路:アメリカの経済ブロガーなんかも、EU、クーラーやるってことはすげえアメリカ的手法だから気に食わねえんじゃねえの、みたいな指摘をしてて。

小飼:それはちょっと違うと思うし、エアコンを設置しても、前にも言った通り、エアコンディショニングというのはソーラーパネルとすごい相性がいいんですよね。震災直後は本当に電気予報をみんな釘付けになって見てましたけども、最近もう、ここ数年はぜんぜんないですよ。なんでないかって言ったら、太陽光のおかげです。

「日傘は使いますか?」(コメント)

小飼:僕は手が塞がれるのがすごい嫌なんですよね。だから、基本的には日傘は差さずに、せいぜい帽子被る程度です。そもそも日中、本当に動かないようにしてる。無惨様に鬼にされたと思ってください。

山路:なるほどね(笑)。じゃあ太陽の下で動けるような血の持ち主をちょっと探すという感じになってるんですかね。しかし、いやいや大変な。これ、本当にこれだけ地球温暖化で暑い夏が続くようになったら、住環境の快適格差みたいなのって半端なくなってくる、かつての南北格差以上のものになってくるんじゃないかと、

小飼:地球温暖化の文脈とはちょっと、

山路:エアコンとかの普及がよりきついんじゃねえのっていう、

小飼:地球温暖化って、たとえば地球全体の平均で1度とか2度とかって言ってますけれども、局所性がすごい大きい。で、寒いところほど暑くなるんだよね。逆のところもあるんですよ、じつは。シミュレーションの結果で。

山路:下がってるところもあるっていうね。

小飼:そうそうそう。アマゾンとかそうじゃなかったかな。

山路:これ、じゃあ熱帯なんかはあんまりガッと熱くなりはしにくいってことですか、

小飼:そうなんです。ただし熱帯性低気圧は威力がマシマシになる。じつはそっちのほうなんですよね。エクストリームな気象が増える。確実に。

山路:赤道直下は台風とかサイクロンはないんでしたっけ? ナウルは台風に直撃されないみたいな話がありましたよね。でも、温暖化の影響ってたぶん台風が来ないぐらいじゃ、割に合わないぐらいのものにはなると思いますけれどもね。

「北極海がやばい」(コメント)

小飼:そうなんですよ。だから、北極グマは大丈夫かっていって。このままだと、みんなシャチに食われてしまうぞと。

山路:あとこれ、温暖化の影響でメタンハイドレートみたいなのが溶けんじゃないのみたいなこと言われてるじゃないですか。

小飼:それけっこう怖いんだよね。

山路:今の気温の上がり方みたいなものって、メタンハイドレートが放出されての気温上昇は含まれてないですよね。

小飼:いや、実際にグーッと上がってきてるじゃないですか、今世紀に入ってきて。あれば実測なので、実際に測定されたデータなので。

山路:だから今後メタンハイドレートが溶けてきたら、今までのこういうんじゃなくて、グッと上がることもあり得るわけですよね。

小飼:可能性としてはある。ただそうは言っても、空中に放出されたメタンというのはそのままでずっといるわけではなくて、いずれかのタイミングで酸化して、水と炭酸ガスになってはしまうんですよね。およそ数年だと言われています。

山路:数年か。なんか影響がよくわかんないですね、果たしてどうなのかというのは。

小飼:メタンよりも二酸化炭素のほうが温暖化ガスとしてはずっと弱いので、燃やしてしまったほうがいいんじゃねっていう意見はけっこうあるんですよね。

「メガソーラーのせいで温暖化してる」(コメント)

小飼:っていうのは嘘。ちょっと考えてみればわかります。

山路:それはもう面積的なところからってことっていうこと?

小飼:いや、だから、そもそもないんだってば。本来であれば熱になってしまう太陽光の一部を電力に変換しているので、絶対に下がるんです。上がるということはありえない。

山路:メガソーラー陰謀論という、私ちょっとじつはあんまり詳しくないですけど、

小飼:陰謀論陰謀論だね、

山路:メガソーラーが増えてるから温暖化が進んでるっていう意見なんですか?

小飼:バカ言うな、それだったら本当に苦労しねえわ、

山路:陰謀論っていうこと自体はあんまりよく知らないんで、

小飼:バーカ!

山路:そういう意見なんですか?メガソーラー陰謀論というのは。

小飼:そもそも、それを鵜呑みにする連中は本当に小学校高学年からやり直してほしい。ありえないっていうことがわかるから。

「イヤホンの人は驚きそう」(コメント)

山路:(笑)、

「メタンハイドレートの開発はありえない?」(コメント)

小飼:なかなか元を取るのは難しいでしょうね、

山路:海底からひっぱってこないといけない、

小飼:いっぱいあるということイコール、その資源を資源として活用できるということではないわけです。

山路:ツンドラとかのやつとかは、永久凍土とかその辺のやつ、

小飼:ハイドレートを回収するのに温めて、少し温めて、そこに置換する、大抵の場合炭酸ガスだけどもっていうのを吹き込まなければいけないよね。なかなか大掛かりになるんですよ。

山路:もうその時点で金かかりそうな感じがする、

小飼:もちろん、たっぷりお金がかかる。

山路:なんか氷みたいなの取ってきてシュッて燃やしたらもうそのまま燃料になります、みたいな単純なもんでもないわけだ。

小飼:だからたくさんあれば採れるっていうふうには限らないんですよ。よく日本の資源量すげえ、マンガンノジュールがいっぱいあるじゃないか、メタンハイドレートがいっぱいあるじゃないかって、じゃあ、てめえ取ってこいっていう話ですよね。たとえばマンガンノジュールというのは確かにいっぱいありますよ、日本の排他的水域っていうのはとても広いわけです。確か世界で5、6位でしたっけ、

山路:なんかそんな感じですね、トップ10に入ってますよね、

小飼:それをいっぱい集めてこれるのであれば、本当にレアメタルの心配ってなさそうですけれども、じゃあたとえばその資源を掘ってくるのに5キロ下に行かなければいけませんって言った時に、それ簡単だと思います?

山路:いやー、日本ないですよね、そこまで潜るやつが、

小飼:日本だけじゃなくて、世界的にないの。世界的にないの、

山路:探査船レベルはあっても、それを大量に取って持ってくるような仕組みがないということですよね。

小飼:そうそうそう。唯一それができてるのは化石燃料だけなんだよね。化石燃料でも、石炭はそんなに奥深くまでいけませんよ。油田ですとかガス田ですとか、それは掘れば勝手に上がってくるか、液体でやり取りできる。固体なんです、固体を扱うっていうのは途端に敷いが高くなる。

山路:仮にドリルやったとしても、ドリルで5000mのやつを掘ったやつを上に持ってこられるのかみたいな、

小飼:ちなみにですね、人類が掘った一番深い穴というのは12キロだそうです、

山路:なかなか頑張りましたね、人類。

小飼:ソ連の記録ですね。地殻を貫くということを目標にしていたんですけれども、そこまで行けませんでした。だから、まだ我々は地殻しか知らないんですよ、直接的には。マントルとかには触ったことないんですよ。

山路:ソ連のって、穴っていうのはあくまでも地上で掘ったやつですよね。

小飼:地上から掘ったやつですね、シベリアのコラ半島っていうところで掘ったやつで。そうなんですよ、あっても手が届くとは限らないっていう好例ですよね、海底資源っていうのは。

「北海油田?」(コメント)

小飼:って出てますけども、我々の海底油田はまだまだ大陸棚止まりです。

山路:何千メートルとかのところにあるわけじゃねえよっていう、

小飼:だからもっと海洋底とかもガンガン掘れるのであれば、もっとガンガン出てきますし。じつは化石燃料っていうのは化石由来でないかもっていうのも、けっこうあるんですよね、

山路:石油の無機由来の話?

小飼:特に天然ガスとかは。

山路:これ、じゃあ本当に、

「弾さん、何でも知ってるな」(コメント)

小飼:いや、何でもではないです、知ってることだけ。誰のセリフ?

山路:『化物語』ですかね(笑)、

小飼:羽川先生のセリフですね、

山路:これ海底とか、それってイノベーティブななんかでめちゃめちゃ安くできる手法っていうのが考えられる可能性ってあるんですか?

小飼:フラッキングに相当する、

山路:シェールオイルみたいな、

小飼:ブレークスルーっていうのはあり得るかもしれないですけども、今のところは本当に月の資源とか木星の資源とか、それと同列なんですよね。ヘリウムなんて木星に行けばいくらでもあるじゃんって、どうやっていくんだよ! っていうそういう話なんですよ。

山路:宇宙世紀の話になっちゃうんだ。

小飼:本当に。海の底っていうのは遠いんですよ。

「海底は資源の宝庫なのにもったいないな」(コメント)

小飼:もう本当そう思うね。

山路:じゃあちょっと資源とかエネルギーの話が出たところで、これ、洋上風力の話、ここでいっておきますかね、エネルギーつながりで。日本で洋上風力開発すると言ってた三菱が撤退しましたよと。

小飼:本当に何と言えばいいのかな、三菱すごいdisappointingですよね。スペースジェットでもやらかしましたし、

山路:本当だ、

小飼:でもそれは三菱と言っても、違う会社ですけれども、元財閥には違いない、三菱重工かな、ヘビーインダストリーかな、

山路:これは三菱商事連合ですけどもね。これってやらかしたのはやっぱ三菱なんですか?