「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2025年08月19日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2025年09月02日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025/08/19配信のハイライト
- Switch2と「ゲームコンソールはまだ優位?」
- GPT-5の登場と「理解」
- 「AIと課金」と「刺激と快楽中枢」
- 「NVIDIAの上納金」と「トランプは国家資本主義?」
- Intelの企業としての分かれ道
- 「なぜ錠剤が爆発?」と「インターフェースの進化する速度」
Switch2と「ゲームコンソールはまだ優位?」
山路:すげえ暑い日が続くんですけれども、ちょっといいことありまして。Switch2が当たりましたと、ようやく。当たりましたっていうか、購入資格が当たったってやつなんで、金は払うんですけど。
小飼:なんかすごいことだな。
山路:インターナショナル版というか、多言語版を選んだから。
小飼:え、多言語版を選んだにも関わらず、待たされたの?
山路:そうですね(笑)。
小飼:マジか。
山路:たぶん正確な予測はできなくて、
「弾さんさっぱりしてる」(コメント)
山路:とか言われてます、
小飼:あれ、あれ? 前も、
山路:どれくらいの割合が日本版なのかわからないですけど。
小飼:(コメントを見ながら)長女が買ったんで(笑)、Switch2は、
山路:もう家で遊んでます?
小飼:もうさっそく、一番最初期に当てたみたいね。
山路:ああ、そうなんだ。あれ? 弾さんのファミリーアカウントに入ってるんでしたっけ?
小飼:いやいやいや、僕はゲーマーではないので。
山路:そうかそうか。私の方は、まだ実際に届くのは先ですが。
小飼:だからペンキをぶちまけてましたよ、イカになって。
山路:でも、Switch2専用ソフトではないですよね、
小飼:ではないよね。
山路:結局やってるのはSwitch用のソフトかい、みたいなところはあるんですけれども(笑)。
小飼:でも、『マリカー』はやってたか、『マリカー』ぐらいだよね、だから今Switch2専用っていうのは、違ったっけ?
山路:あと『ドンキーコング』とかも人気らしいですけどね。何気に。もうただバナナ、ものを壊してバナナを取るだけっていうのがたまらなく人気らしいんですけど、ちょっと私も早くバナナとか取ってみないと、
小飼:でもなんかマリオがハローキティ化してるよね。もうNintendoのIPのどこに行っても仕事をさせられるという、
山路:ああ、はいはいはい。
小飼:でもなぜか『ポケモン』とコラボとかしてないよね。マリオたちは。マリオブラザーズは。
山路:なんかそれはすごいてこ入れの時に使うために取っているんですかね、
小飼:かもしれないですね。
「山路さんはSwitch 2で何やるの」(コメント)
山路:『マリカー』とかは買いますけども、あとは『ゼルダ』のSwitch 2 Editionとかを。私ティアキンをまだクリアしてなかったりするんで、
小飼:ちなみにSwitchの関税っていうのは、どこ基準なんだろう? やっぱり中国基準なんだろうかね。
山路:それ、任天堂は明らかにしてないですよね、まだ値段上げるかもっていうことは言ってますけど、それをどういうふうに、いくら上げるかっていうのも言ってないし、その算定基準がどうなるのかっていうことも言ってないですよね。ちなみにApple、インドからの輸出がかなりの割合になったみたいで、そこのところでも関税ちょっと影響していくんじゃないかと思います。
小飼:インドはインドで関税率でまたあれなわけでしょ、
山路:でもちょっと後でもいう話もかかってくるかもしれないですけど、Appleもその関税を避けようとしているのか、トランプ政権にちょっとすり寄った感じの投資話とかは持ちかけてますよね。
小飼:いや、だから本当に醜いよね、あれは。
山路:いやー、ね、本当にちょっと、
小飼:いや、あれかな、俺もスイッチしようかなっていうぐらい醜かった、あれは。
山路:AppleをやめてもうAndroid携帯に乗り換えちゃうかみたいな、
小飼:じゃあGoogleはマシなのかって言ったら、あんまそんなこともないしね。
山路:結局なんつーか、そういうところの影響を受けないスマホメーカーなんて存在しないんじゃないですかね(笑)、
小飼:やっぱりじゃあHuaweiとかXiaomiとか。でも中国のクラウドって使えるのか。
山路:あとHuaweiの端末を、日本でスマホを手に入れること自体がちょっと難しい、
小飼:ちょっと困難だね。Xiaomiはまだ少しありそうですね、
山路:Xiaomiは入手しやすいと思うけれども。
「Vision Proをつけてマリオカートやってみて」(コメント)
山路:Vision Proは外部入力がないんですよ。外部からの信号を入れてやることができないんですよね。
小飼:確かに外部入力しようがないところはあるよね。
山路:え、どういうこと?
小飼:いや、まあVision ProにMacをつなげると、Macのバーチャルディスプレイはあるじゃないですか、だからああいう形ならできるけれども。
山路:ただ、べつに技術的にやろうと思ったらいくらでもできると思うんですよね、HDMI差してそのやつを取り入れる仕組みっていうこと、
小飼:その画角をどうするのかっていうのは、
山路:ウィンドウに表示させるとか、そんなのはできると思うんですけどね、
小飼:ウィンドウに表示するだけなら、それはできますよ、だから単なるバーチャルディスプレイじゃん、それは。
山路:このコメントで言ってる、マリオカートやってみてっていうのはたぶんそういうことなんですよね、おそらく。Nintendo SwitchのやつをVision Pro上のウィンドウの一つに表示して、なんかっていう話だと思うんですけどもね、これは。
小飼:いや、でもそもそも外部カメラって使えたっけ? Vision Proって。
山路:APIでまだアクセスできないかもしれないですね。
小飼:それは正しいと思う。
山路:その辺のところかなり制約は強かったと思いますけどね。ゲームつながりなんですけど、今Nintendo Switch 2、話題になってるじゃないですか。
小飼:話題になってからだいぶ経ってるよね(笑)、
山路:(笑)製品が品薄だったからようやくみんなの手にっていう話なんですけど。2、3年ぐらい、前もうちょっと前かな、この『論弾』でも取り上げだと思うんですけど、GoogleのStadia、あったじゃないですか。
小飼:あったね。どれくらい前の話だったっけな。
山路:2、3年じゃないか、もっと前か、4、5年ぐらいになるのかな。
小飼:結局鳴かず飛ばずだったんだけれども、でも、ゲームのクラウドコンソールっていうのはGoogleのStadiaだけではなくて、NVIDIAもやってたような気がする、
山路:今もやってますよ。
小飼:今もやってる。
山路:ただ、そんなにでかくはないんじゃないかな。あとソニーもやってましたよね、プレステの。ただあれも確か、今ってやってないんじゃないのかな。なんか少なくとも大規模にはやってないですよね、やめたって聞いたような気もしたけども(※編注:PS5のクラウドストリーミングは現在もサービス中)。
小飼:やっぱレイテンシが大きいのはねっていうことなのかしらね。
山路:これってたとえば、今だったらすごいネット上で対戦、何十人とかの単位で対戦とかやったりするじゃないですか。ああいうのっていうのはうまくいってますよね。
小飼:いや、だから処理しなければいけない情報がもうぜんぜん少ないから。いや、本当に数バイトとかせいぜい数キロバイトぐらいのものなので、1回につき。でも、これがクラウドコンソールっていうふうになると、画面のレンダリングとかっていうのもクラウド側でやって、それを動画圧縮して送りつけるという。だからもう桁が三つぐらい違うんですよね。キロがもうメガになるという。
山路:これってゲームが高精細になって大型化していったからなんですか、たとえば20年前のような画質、30年くらい前の画質で良ければ、今のネット環境でクラウドゲーミングプラットフォームというのは快適に成立するんですかね?
小飼:もしレイテンシを気にするのであれば、テトリスでもダメだわ。人間が耐えられるレイテンシっていうのは多めに見ても、たかだか200ミリセカンドぐらいで。これってデータセンターが海を渡るだけで簡単に超えちゃう数値なんですよね。それを防ぐためになるべく近くのデータセンターを使うようにっていうことも言ってはいるんですけれども。それ、いつもできるとは限らないでしょ。
山路:これ、インターネットの技術的な、通信する際にたとえばプレイヤーのコントロールに関する帯域だけは完全に確保して、そういう画面のところってのはちょっとでも、
小飼:いやいやいや、あのですね、光の速度というものが世の中にはありまして。だからもう直接距離が響くんですよ。いや、もちろん200ミリセカンドというのはほとんどはrouterの中で消費されてるんですけれども、それでもたとえば海を渡ったりしたら、簡単にそれくらい行っちゃうわけですよ。
山路:そうか、ただStadiaとか始めたGoogleの人たちってそれに気づいてなかったわけもないと思うんですけどもね。
小飼:気がついてなかったはずなんですけれどもね、それに関してはあんま納得がいく説明がなかったのも覚えている。
山路:それこそもっとこまめに、いろんな国にデータセンター設置してみたいな対策をしようと思ってたとか、そういうことはないんですか?
小飼:流行ればそうしたとかっていうことはあり得るかも。
山路:なるほど、卵が先か鶏が先かみたいなところもちょっとあったのかもしれない、
小飼:かもしれない。
山路:だって本当に各社がこんだけけっこうリソースをつぎ込んだ割には、ぜんぜんパッとした成果出てないですからね、
小飼:レイテンシが気にならないものというのは、クラウドコンピューティングっていうのは普通にやってるやん、だからもうLLMとかっていうのはローカルに使ってる人もいるけれども、そういう人たちというのはほとんど好き者や研究者であって、ほとんどの人というのはクラウド側で処理されてるわけです。それぜんぜん気にしてないわけですよね。だからゆっくり答えが返ってくるというのに慣れてるわけです、人間の会話とかと同じで。
山路:レイテンシ、1秒以内だったらそんなに気になるアプリでもないですしね、ChatGPT。
小飼:いや、だから本当に会話というのはレイテントでOKなアプリケーションなわけですよね。
山路:しかしじゃあゲームで言うんだったら、今後しばらくはこういうローカルというか、手元のゲームコンソールがまだまだ優位ってことなんですか?
小飼:どうなんでしょうね。
山路:たとえばこれが通信回線、今5G、携帯で使われてますけど、たとえば6Gみたいなものになってきたりとか、あるいはNTTが言うIOWNでしたっけ、光ネットワークみたいな、そういうのが待ってきたら変わってきたりとかするものなんですか?
小飼:でも逆にそこも、だからクラウドコンソールが流行らなかったもう一つの理由というのは、ローカル側のコンピューティングパワーがゲームをやるにはもう十分成熟してたと。それなのに、なんでわざわざクラウドのほうでレンダーするのかっていう。どうやったってローカルのほうが速いですからね、速くて軽いのはそれはもう決まってますから。
山路:なんかその辺のバランスが結局、開発企業側の見込みとだいぶ違った、
小飼:だから今時のモバイルGPUはレイトレースまでするんですよ、
山路:そうですよね、
小飼:びっくりだよ、ふざけんなっていうのか。
山路:90年代のレイトレーシングって描いてるのが見えたような気がするんだけど(笑)、
小飼:そうそうそう、
山路:点単位で描いてるのが見えたと思いますけどもね。
「ハイブリッドにできないかな」(コメント)
小飼:実際、いろんな意味でハイブリッドではあるでしょう。
「ゲーム産業はまだ伸びる余地あるのかな」(コメント)
小飼:それはあるんじゃない?
山路:ゲームっていうふうに意識しなくても、ゲーム的なものっていうのはどんどん増えていくとは思いますけどね。
小飼:『ソードアート・オンライン』じゃないけれども。
山路:それこそジャックイン的な、
小飼:『ソードアート・オンライン』の世界で一つ不思議だったのは、誰が課金してるか、だったんですね、じつは。
山路:え、どういうこと、どういうこと? ユーザーではなくて?
小飼:だからベータテストはいいとしよう、そこの部分っていうのはまだ先行投資だから。じゃあ具体的にどうやって課金してきますかっていう時に、あれは孔明の罠だったわけですよね、みんなベータテスターというのはそこにボーンと落ちて、ボーンと落ちたおかげで、みんなプレイヤーの皆さんというのはもう植物状態になっちゃって、それどうやって面倒見たかって言ったら、国のお金で面倒見てたんですよ、続刊とか見てればわかりますけれども。だから、どこからどうやってお金を取るのかっていうのは、これはやっぱり商売ではかなり難しい問題で。
山路:あれって今オンラインゲームの課金ではダメなんですか?
小飼:ソシャゲはソシャゲで、いろいろな物言いがついちゃったじゃないですか。
山路:『ソードアート・オンライン』とか『ガンゲイル・オンライン』の世界ってけっこう武器とか買ってますよね。
小飼:要はリアルマネー、ゲームに没頭している人たちというのはどこからリアルマネーを仕入れてくれればいいんでしょうかという。
山路:ああ、24時間やってるみたいな人っていう、
小飼:さすが一般視聴OKの話だけあって、みんな健全に、ちゃんと適度にログアウトして、リア充の皆さんでもあるんだけれども、『ソードアート・オンライン』のリアルの人たちというのは。だけれども、やっぱそうはならんやろうという、
山路:そうですか(笑)、普通にみんな働いて課金してるもんだと思ってたから、『ソードアート・オンライン』。
小飼:いや、だから意識をアップロードしちゃったら、あなたの臓器全部いただきますよとかって、そういうビジネスモデルってあり得るよ。ウィンウィンだ(笑)。
山路:人の臓器使って何か作らせるとかね。
小飼:作らせる、もう単純にあれじゃないですか、臓器のストックとしてもいけるんじゃないですか。
山路:これ、ちなみにさっきのレイテンシでいうと、『ソードアート・オンライン』的なゲーム、あれってレイテンシなしでできるものなんですか?
小飼:じつは一番レイテントな部分っていうのは人間の神経回路だったりもするんですよね。
山路:つまり、そんなに速くないんじゃないかって話?
小飼:とても遅い。とても遅い、電気信号ではなくて電位差なんですよね。だから、たかだか指先を針で突っついて、それが痛いというふうになって思わず手を引っ込めてしまうという反射だけでも、0.2秒かかる、200ミリセカンドかかる。
山路:最近の研究とかで、意外に人が考えている速度、1秒間に数十バイトとかみたいな、正確な数字忘れましたけど、そんな遅いんだみたいな感じの。
小飼:遅いです。だから、なんでLLMがまともな速度で動いているように見えるかというと、
山路:俺らが遅いから(笑)。
小飼:そうなんです。それもあるんですけれども、遅い代わりに並列処理してたわけですよね。ところが今はシリコンのほうでも並列処理するようになったから、すごい並列処理しやすいんですよね、ディープラーニングというのか、ニューラルネットというのは。
山路:Transformerができたらあたりから、特にまたそれが変わりましたよね。
小飼:そう、並列にできるのでGPUととても相性が良かったと。
「ゲーム内のマネー使うとリアルマネーが自動で減ってたらイヤだな」(コメント)
小飼:(コメントを見ながら)任天堂のような企業がアメリカやヨーロッパでどうして生まれなかったっていうのか、ずっと花札売ってたわけですよ。
山路:遊戯ずっとやってた会社ですもんね、それこそ100年以上前から、そういうことをやってきた、それで生き残ってきた会社っていう話ではありますけども。でも確かにゲームがこんなに、ソニーと任天堂両方あるっていうのは確かにすごい話ではありますよね。
小飼:あとMicrosoftもやってるけれども、もう出血上等でずっとやってるっていうのは。
山路:今でもそうなんですか?
小飼:今でもそうです。
山路:そういや、すごいでかい買収してましたよね、ちょっと前、兆円単位のゲームスタジオの買収みたいなことをやってたと思ったんですけれども。これさっき言った、
「ゲーム内のマネー使うとリアルマネーが自動で減ってたらイヤだな」(コメント)
山路:って、これはまさに『レディ・プレイヤー・ワン』の世界なわけですよね。
「セガを買えばよかったのに」(コメント)
山路:ってこれはMicrosoftの話なんですかね。
小飼:いや、でもそうすると『異世界おじさん』が困るんじゃないですか(笑)、戻ってきたらあれ、これどこだとかって言って。せっかく異世界語を覚えたのに、英語話せないのにどうしようみたいな(笑)。
山路:私もドリームキャストとかセガサターンも持ってましたから、
小飼:ソニーはちゃんとあれでしょ、
山路:めちゃめちゃ調子いいですよね、
小飼:調子いいでしょ、ゲーム。
GPT-5の登場と「理解」
山路:全く出血ではないですよね。じゃあちょっとゲームの話したところでITつながりってわけでもないんですけど、AI話、いっておきましょうか。最近話題になった「#keep4o」、GPT-4oを返して、という。
- ChatGPTに「4o」を返して
- OpenAIに「GPT-4oの温かみを返して」という意見が殺到しGPT-5の性格が変更されることに
- 「GPT-5」はあなたを嫌っているわけではない。必要なのは“感情知能”の指標
小飼:ああ、GPT-5があまりにかわいくないので。かわいくないのでって表現が一番いいかな。
山路:よく、今までにもたとえば初音ミクは俺の嫁みたいな話だったりとか、そういうのってあったじゃないですか、私もChatGPTで確かにそういうふうに、すごい恋人みたいに接してみたいな話、ネタだと思ってたんですよね、ある意味。