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マクガイヤーチャンネル 第445号 2025/11/19
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おはようございます。マクガイヤーです。

『ゴジュウジャー』に志田こはく参戦の報道で、一気に界隈の雰囲気が変わったことに驚いております。全員、志田こはく先生に「礼」だ!



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇11月24日(月)19時~「しま、竹島ルイ、マクガイヤーが推す恋愛映画特集」

11/21より内藤瑛亮監督・脚本による映画『ヒグマ!!』が公開される予定だったのですが、残念ながら公開延期となりました。これに合わせ、当チャンネルの番組内容も変更となりました。

世に「恋愛映画」は数あれど、本チャンネルではこれまでそのような映画をとりあげる機会はあまりありませんでした。自分が恋愛や恋愛映画を苦手としていたのが原因ですが、そんな自分ももうすぐ50歳、そろそろ恋愛映画特集をやろうと一念発起した次第です。

ゲストとして映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)と編集者のしまさん(https://x.com/shimashima90pun)をお迎えします。自分を含めた3人が、恋愛当事者としての経験を踏まえた上で、それぞれの「押し恋愛映画」についてトークする予定です。刮目して待て!



〇12月7日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2025年12月号」

・時事ネタ

・『ジャグラー ニューヨーク25時』

・『ズートピア2』

・『ペリリュー 楽園のゲルニカ』

・『みんな、おしゃべり!』

・『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』

・『兄を持ち運べるサイズに』

・『WEAPONS ウェポンズ』

・『ジェイ・ケリー』

・『ドミニク 孤高の反逆者』

・『ブラックフォン 2』

・『果てしなきスカーレット』

・『TOKYOタクシー』

・『平場の月』

・『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』

・『フランケンシュタイン』

・『ハウス・オブ・ダイナマイト』

・『M3GAN/ミーガン2.0』

その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇12月21日(日)19時~「『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』公開記念 俺なりの『DUNE』としての『アバター』シリーズ」

12/19にジェームズ・キャメロン監督『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』が公開されます。『アバター』シリーズの第3作であり、シリーズは全5作を構想しているそうです。

この『アバター』シリーズ、ジェームズ・キャメロンにとっての『ダンス・ウィズ・ウルブズ』や『ラストサムライ』の影響を受けているとされていますが、シリーズを重ねるごとに『DUNE』シリーズの影響の下に作られていることが明白になってきたと考えます。『スター・ウォーズ』も『風の谷のナウシカ』も『マトリックス』も『DUNE』の影響下にありますが、日本のオタクが俺なりの『ガンダム』や俺なりの『ゴジラ』を作るように、欧米のオタクは俺なりの『DUNE』を作るのだと思います(宮崎駿は日本人ですが)。

そこで『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』公開に合わせて、俺なりの『DUNE』としての『アバター』シリーズを解説するような放送を行います。

ゲストとして映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)と編集者のしまさん(https://x.com/shimashima90pun)をお迎えする予定です。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。





さて本日のブロマガですが、映画『プレデター:バッドランド』ついて書かせて下さい。


●プレデター原理主義じゃない方が楽しめる

『プレデター:バッドランド』、最高でした!

傑作だった『プレデター:ザ・プレイ』や楽しかった『プレデター:最凶頂上決戦』のダン・トラクテンバーグ監督が続投するということでそれなりに面白いだとうと期待していたのですが、まさか人間が一人も出てこないとは。あくまで主人公は若いプレデターのデク君で、エル・ファニングが演じるのはウェイランド・ユタニ社製のアンドロイド(シンセティック)のティア。寡黙な武骨者とおしゃべりなお調子者のバディのアドベンチャーというのはハリウッド映画の王道といっていいでしょう。デクを演じるディミトリウス・シュスター=コロアマタンギの表情がフェイシャル・キャプチャによりCG描画に反映され、史上最も表情豊かなプレデターになっていたのも面白いところでした。や、こういう「プレデター」が観たかったのですよ。

また、途中でデク君がプレデターの超テクノロジーが発揮された武器を全て失い、現地調達した武器で戦うという展開が見事でした。『プレデター(1)』(1987)のシュワちゃんがマシンガンを失って体に泥を塗りつけるまでの展開をデクくんで再現してるわけですね。特に、プラズマキャノンの代替として現地の毒吐き陸ウナギを装着し、しかも自己犠牲を発揮するほど懐かれるというのが最高でした。テクノロジー兵器に頼らないプレデターは竹谷隆之やナリンと同じ発想でもありますね。

お話としては、デク君とティアがクランとウェイランド・ユタニ社というそれぞれの「家族」の中で似たような立ち位置におり、それ故に結びついて最後に疑似家族となる、というのが面白かったです。エル・ファニングはティアとテッサの二役を演じていますが、ディミトリウスもデクと父プレデターの二役を演じているそうです。

話の展開上、デク君はプレデター史上最も喋るプレデターとなりますし、疑似家族も作ります。プレデターは常に寡黙で野蛮で孤独でなくてはならない――と考える「プレデター原理主義」な方が本作を受け入れ辛いのも分かります。

「プレデター原理主義」な方というのは、言ってしまえば『プレデター(1)』(1987)や『プレデター2』(1991)に強い思い入れある方たちですね。自分も最初の二作が大好きなのですが、どちらかというと「プレデター」シリーズに関しては「面白ければなんでもいいじゃん!」と感じると同時に「コミックやゲームやフィギュア展開で適当に後付けした設定や物語が面白さをいや増してきた」と考える「プレデター世俗主義」に属している、かもしれません。『エイリアン』(1979)の後に『エイリアン2』(1986)が作られたからこそ、「エイリアン」シリーズには無限の可能性が示されたと考えるのですが、同じようなことが「プレデター」シリーズにあっても良いと思うのですよ。


●『プレデター』と通過儀礼

で、『プレデター:バッドランド』なのですが、想像通り若プレデターにとっての通過儀礼の話でした。

というかですね、まずダン・トラクテンバーグは「プレデター」シリーズを通過儀礼の話だと考えているに違いないと思うのですよ。『プレデター:ザ・プレイ』も『プレデター:最凶頂上決戦』も、主人公がプレデターと戦い、生き延びることで、人生の新たな段階へ進む話でした。

更にそれ以前、『エイリアンVSプレデター(AVP)』(2004)では、プレデター星人(現ヤウージャ)の成人への通過儀礼としてエイリアンを狩るという儀式が描かれました。他の惑星に神殿を築き、そこにエイリアンを放って若者に狩りを行わせるというものです。『プレデター』と『同2』に登場するプレデター星人は二人とも成人に達していない若者で、プレ通過儀礼として経験を積むために地球に狩りをしにきていた――というポール・W・S・アンダーソン監督の解釈に基づくものです。


●通過儀礼と粗品

この解釈に基づくと、『プレデター(1)』と『2』は「プレデターの(プレ)通過儀礼に巻き込まれたおっさんが通過儀礼的な体験をする」というものになります。『2』や『AVP』の最後で古い銃やスピアという粗品をエルダープレデターから渡されるのは、獲物や敵であっても通過儀礼を勇敢に生き抜いた物には敬意を表しある意味で仲間(成人)として認めるという意味合いがあります。おっさんも成長するのですね。

どうしても連想してしまうのはコーネル・ワイルド監督兼主演の『裸のジャングル』(1966)です。19世紀のアフリカにて、象牙猟に携わる白人ハンターが原住民を怒らせてしまい、衣服も武器も食料も奪われた状態で人狩りゲームの獲物にされるというお話です。主人公たち白人ハンターの集団を追いかけるのは一匹のプレデターではなく原住民の集団という点で違いはありますが、ジャングルや都会でハンターだった人間たちが逆に人狩りゲームの獲物になる、という点で同じです。更に映画の最後、50年以上前の映画なのでネタバレを恐れずに書いてしまいますが、獲物でしかなかった主人公のあまりに勇敢な行動に、ハンターたちが敬意を表して命を助けるという展開も同じです。『裸のジャングル』は『ランボー』『カニバル/世界最後の人喰い族』『アポカリプト』等の人間狩り映画に影響を与えましたが、最後の展開が共通しているのは『2』だけです。

こう考えると、『プレデター:バッドランド』は『裸のジャングル』から続く通過儀礼としての人狩りゲームの映画を、ハンターと獲物の視点を再度変えることによって新しさを生み出した映画といえるのかもしれません。

本作はプレデター星人の野蛮さを有毒な男らしさと読み替え、これを父殺しで打倒し新世代誕生の話としているのですが、古い構造で新しいテーマを描くというバランスの上手さを感じました。そういえば『プレデター(1)』にも、当時のアクション映画界を暴力で席巻してたムキムキの男たちが、自分たちのかなわない暴力に蹂躙されるという、男らしいアクション映画への批評性がありました。シリーズの本質を新しいやり方で描いたともいえます。ダン・トラクテンバーグはずっと上手いですね。




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