おはようございます。マクガイヤーです。
12月です。ついこの前2025年になったかと思っていたのに、時間が経つのは早いものですね。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇12月7日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2025年12月号」
・時事ネタ
・『ジャグラー ニューヨーク25時』
・『ズートピア2』
・『ペリリュー 楽園のゲルニカ』
・『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』
・『みんな、おしゃべり!』
・『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』
・『兄を持ち運べるサイズに』
・『WEAPONS ウェポンズ』
・『ジェイ・ケリー』
・『ブラックフォン 2』
・『果てしなきスカーレット』
・『TOKYOタクシー』
・『平場の月』
・『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
・『フランケンシュタイン』
・『ハウス・オブ・ダイナマイト』
・『M3GAN/ミーガン2.0』
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇12月21日(日)19時~「『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』公開記念 俺なりの『DUNE』としての『アバター』シリーズ」
12/19にジェームズ・キャメロン監督『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』が公開されます。『アバター』シリーズの第3作であり、シリーズは全5作を構想しているそうです。
この『アバター』シリーズ、ジェームズ・キャメロンにとっての『ダンス・ウィズ・ウルブズ』や『ラストサムライ』の影響を受けているとされていますが、シリーズを重ねるごとに『DUNE』シリーズの影響の下に作られていることが明白になってきたと考えます。『スター・ウォーズ』も『風の谷のナウシカ』も『マトリックス』も『DUNE』の影響下にありますが、日本のオタクが俺なりの『ガンダム』や俺なりの『ゴジラ』を作るように、欧米のオタクは俺なりの『DUNE』を作るのだと思います(宮崎駿は日本人ですが)。
そこで『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』公開に合わせて、俺なりの『DUNE』としての『アバター』シリーズを解説するような放送を行います。
ゲストとして映画ライターの竹島ルイさん(https://x.com/POPMASTER)と編集者のしまさん(https://x.com/shimashima90pun)をお迎えする予定です。
〇12月30日(火)16時~「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会2025」(いつもと放送時間が異なります、ご注意ください)
例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」あるいは「オタ新年会」。
今年も2025年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定です。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。
2024年
2023年(2024年新年会)
2022年(2023年新年会)
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて本日のブロマガですが、映画『落下の王国』ついて書かせて下さい。
●『落下の王国』リバイバル上映中
映画『落下の王国』が4Kデジタルリマスター版としてリバイバル上映されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fdd44032d2dfbf71c08be01a2fd92935aa961b0c
リバイバル上映としてはヒットしており、公開館数も43館から57館での拡大されたようです。
自分はブルーレイを持っていることもあり、映画館で観るつもり無かったのですが、家から近いシネコンで上映されていること、劇場公開版やソフト収録より3分長い「完全版」であることから、やはり映画館で観ようかと悩み中です。
●『ザ・セル』と『落下の王国』
『落下の王国』はターセム・シンにとって二作目の長編監督映画です。
それまでCMやMTVで活躍していたターセム・シンの処女長編監督映画『ザ・セル』は、「連続殺人犯の頭の中にサイコダイブする」という言い訳でカッチョ良い悪夢を映像美でみせるというコンセプトが大当たりした映画でした。その悪夢は、ダリ、キリコ、ハースト、ピエール・エ・ジル……といった古典や現代アートからの引用でした。映画のヴィジュアルを絵画や写真や古典映画から引用するのはリドスコをはじめとして多くの映画作家がよくやる手法ですが、『ザ・セル』の引用は単なるサンプリングで、お話やテーマにあんまり寄与していない――というのが問題というか悪い意味で話題になったわけです。それでも映画としては面白いし、石岡瑛子の衣装はオリジナルな魅力に溢れた見事なものでした。DVDのコメンタリーで「このシーンはケン・ラッセルから引用したんだよ」とあっけらかんと発言しているターセムにも好感を持ちました。
二作目『落下の王国』は、『ザ・セル』以上の映像美で、観た直後は大興奮したことを覚えています。世界20か国以上で行われたというロケが効果的で、中でも監督の出身地であるインドの世界遺産での撮影が圧巻でした。後に『きっと、うまくいく』でも使われたパンゴン湾での撮影は本作が初めてだったのではないでしょうか。
銀座の映画館で観たのですが客入りは10人くらい、それでも観客は全員満足した顔で映画館を出ていて、思いつめたようなOLが映画館のギャラリーに飾ってあった映画に関連した写真やオブジェをうっとりした顔でみていたことを強烈に記憶しています。自分も同じような気持ちだったのでブルーレイが発売されたらすぐに購入しましたし、インドに旅行も行きました。同じようにタージ・マハルの裏側から撮影したことも良い思い出です。劇中で挿入されるストップモーション・アニメがジェネリックなブラザーズ・クエイやヤン・シュヴァンクマイエルみたいな感じでしたが、比較的短い映像ですし、きっとやりたかったんでしょう。
●ターセム・シンに足りないもの
……ただですね、その後レストアされてソフト化された『エル・トポ』や『ホーリー・マウンテン』等のアレハンドロ・ホドロフスキー作品、『火の馬』や『ざくろの色』等のセルゲイ・パラジャーノフ作品等を観て、複雑な気分になってしまったのです。『異端者の家』のヒュー・グラントおじさんみたいな気分になったといえば良いのでしょうか。撮影地は南米でもウクライナでもなくインドが中心ですし、相変わらず石岡瑛子の衣装は素晴らしいし、きっとホドロフスキーやパラジャーノフ的なことをインドでやりたかったんだろうなあ……と考えるには、ちょっと話が薄っぺらいのです。『ミツバチのささやき』や『ニュー・シネマ・パラダイス』を連想させられるものの、この二作にあったファシズムへの抵抗のような時代や歴史への批評性が全くないのが致命的です。
なんでも、ターセムは子供の頃観て感動したという1981年のブルガリア映画『Yo Ho Ho』を下敷きとしたそうなのですが(現在は原作表記になっている)、『Yo Ho Ho』と同じプロットに好きなカルト映画監督の要素を引用してきた映画、という感じがします。
別にそれが悪いわけではないのです。定番のプロットに、好きな映画の要素を乗せる――タランティーノや庵野秀明もやってることではありませんか。
じゃ、ターセム・シンとリドスコやタランティーノや庵野秀明の何が違うのか。引用やオマージュやサンプリングを積み重ねた結果、他の何物にも代え難い自分だけのオリジナルな魅力が生まれるか、もしくは、引用やオマージュやサンプリングを除いていった結果、他の何物にも無いオリジナルな魅力が残るか、そのどちらでもなかった――早い話、パンツを脱いでいなかったということなのかもしれません。
あ、石岡瑛子の衣装の魅力は残りますよ。ただ、石岡瑛子が2012年に亡くなった後のターセム作品、具体的に挙げれば『セルフレス/覚醒した記憶』(2015)がものすごい凡作だったことが答えだったような気がします。
●ターセム・シンはパンツを脱いだのか?
気になるのは、その後ターセムが2023年に発表した「Dear Jassi」という映画です。
https://www.cinematoday.jp/news/N0138985
「初めて出身地インドを舞台に描いた残酷な物語」
「裕福なインド人家族の下、カナダで生まれ育ったジャシ」
なんだかターセムが初めてパンツを脱いだ映画のような気がするのです。
「Dear Jassi」は未だ日本公開されておらず、ソフトも配信もありません。気になります。
『落下の王国』リバイバルがヒットしているので、どこかの配給会社が買い付けてくれることを願っています。
番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。
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