ぼくは、自分で言うのはなんだが飛び抜けた美的センスがある。そうなった理由はさまざまあるが、やはり多摩ニュータウンに生まれ育ったことの影響は大きいと思う。

多摩ニュータウンは、宮崎駿や荒木経惟といった当代一のアーティストがそれをテーマに作品を作るような美しい景観だった。そこで生まれ育ったおかげで、自然と美的センスが育まれたのである。

この美的センスというものは、遺伝よりも後天的なものの方が大きいのではないだろうか。ぼくの好きな藤原正彦さんという数学者が、歴史上の偉大な数学者の伝記を書くため、世界中に散らばる彼らの生まれ故郷を取材で訪れたとき、ある一つの共通点を見つけたという。それは、その景観がどれも素晴らしく美しいものだったということだ。

数学に、美的センスは不可欠のものである。偉大な数学者は、どれもアーティストに勝るとも劣らない美的センスを有している。そんな彼らの故郷がいずれも美しい