【1記事から購入できるバックナンバー】
・大感動!! 扇久保vs神龍の“鶴屋プロレス”とは何か■笹原圭一
――柏木さん、ララミーが減量できない理由が犬に噛まれたって信じられないです!
――榊原さんは信用したんですか?
柏木 社長も「ホント?」って感じでしたね。
――聞いたことないですもんね、犬に噛まれて試合がなくなるかもしれないって。欠場の可能性もあったんですか?
柏木 選択肢としてはあったと思います。ララミー陣営からしたら、今回の元谷(友貴)戦はすごく大切な一戦ですから。タイトル挑戦を狙う以上、ここで元谷選手に勝つと勝たないでは大きく方向性が変わってくるし、元谷選手ってハンデを抱えたまま勝てるような相手じゃないこともよくわかってるわけですよ。噛まれた場所は手首だったので、グラップリングができないと。
――グラップリングができないまま元谷友貴と戦うのは……。
柏木 元谷選手はグラップリングがすごく上手なので、その状態で戦うのは超危険じゃないですか。ララミー陣営の理想のシナリオとしては広島大会へのスライドですよね。でも、こっちの都合でいえば、ズラしたくはない。
――仙台大会のラインナップから、コ・メインの元谷vsララミーが消えるのは痛いですね……。
――ララミー陣営も仙台でやることの重要さはわかってたんですよね。
柏木 よくわかってました。もし扇久保選手と神龍選手のタイトルマッチで体重超過があった場合、ララミーか元谷選手のどっちかが繰り上がり……っていう可能性も考えていたわけですから。
――よくUFCでもタイトルマッチがある場合、タイトルコンダーに近い選手がアンダーで組まれますね。
柏木 なのでララミー陣営がキャッチウエイトを望んできたことで、今回はその線はなくなってしまったということなんです。
――繰り上がるなら元谷選手になる。結局出場したララミーはグラップリングをやらない作戦だったということですね?
柏木 おそらくそうでしょうね。グラップリングに不安があるということで、打撃戦でテイクダウンは切ることに徹するっていうことですね。
柏木 いやあ、ララミーは強かったですねぇ。
――ララミーはRIZINで試合を重ねるたびに強くなってますね。
柏木 本当にそう思いますね。笹原さんがうまい言い方をしてましたけど、伊藤裕樹選手が“眠れる獅子”を起こしてしまったんですよ。
柏木 伊藤選手に負けたことで、普段の生活から見直したそうです。カナダのローカルで無敗でしたけど、ドカ食いして節制しなくても、コンディションが悪くても勝っていた。RIZINで負けたことで「これじゃダメなんだな」ってことで自分と向き合ったわけです。
――次の試合は神龍誠のタイトルに挑戦ですか?
柏木 ひとつの選択肢ではあると思います。元谷選手を完封したら説得力はありますからね。
――神龍vsララミーって予想しづらいですよね。
柏木 いやあ、全然わかんないですよ。神龍選手もすごく成長した部分は見せてますし。
――神龍選手もララミーもRIZINで育ったわけですね。ちなみに計量オーバーの一番ひどい言い訳ってなんですか?
――言い訳が柏木さん?(笑)。
柏木 そうですよ。「シンゴのせいでオーバーした」って言われました。ボクがパワハラしたみたいな……。
――何かやったんですか?
柏木 いや、やってないですよ。女性にかける言葉は気を付けますからね。試合の4日前に「あと何キロなの?」ってLINEしたら「あと7キロだ」と。けっこうあるけど、身体の大きな方なので7キロは落ちるだろうと。ギャビも「大丈夫、頑張る」みたいなことを言ってて。以前にも計量でやらかしてるから、毎日体重を聞いたわけです。
――女性に体重を毎日聞くことがパワハラなのかな?(笑)。
柏木 でも、日々の体重もウソをついてましたからね。公式計量3時間前ぐらいに「あと1キロ」とお風呂に入ってくる写真を送ってきたんですよ。「あとちょっとだね。頑張ろうね」って返信したけど、蓋を開けてみたら12.7キロオーバーですよ!4日前よりも体重が増えてるじゃないか!?って。
――ハハハハハハハハ!
柏木 問い詰めたら「シンゴは女の子を理解してない!私のことを何も理解してない」って。彼女の中ではボクのせいで体重オーバーになってます(笑)。
――ある女性格闘家の方は夢遊病のせいで何か食べちゃった……みたいな言い訳をしてましたけど(笑)。
柏木 あとちょっと言いたいことが……グスタボの件ですけど。RIZIN CONFESSIONSで……。
――グスタボと契約更新をしなかったやつですね。
柏木 グスタボがチャンピオンになったことで「リリースしようとしたなんてセンスがない」「見る目がない」とか、いろいろと批判があったんですけど。グスタボとは契約を更新をしなかったというか、ギャランティーを与えなかったっていう言い方が正しいですかね。要は複数契約をしなかったんですよね。外国人選手と複数契約を結ぶと、次もまたあるからっていう気持ちにはなるじゃないですか。
――「プロ野球あるある」ですよ。複数年契約の1年目はサボりがち(笑)。
柏木 野村駿太選手に負けたあとはギャランティーがない状況を作ったというか、次の試合の保証はしなかったんです。いつ声をかけるかわからないから、他からのオファーを受けてもいいと。
――もしかしたらRIZINがオファーするかもしれないけど。
――そこはプロの非情な世界というか。
柏木 個人的にはグスタボを出し続けたいとは思いますけれども、しっくりしたパフォーマンスが出せてない選手と約束はできなかったんです。野村選手との試合もカットで負けてしまった。グスタボはもともとスロースターターなので、距離感をつかめてきて、後半になったらまた盛り返した可能性はあったんですけど。そういった煮えきれない試合が続いちゃったんで、なかなかハイライトイメージが出てこない選手になりかけていたので。
――あとグスタボの不運だったのは、RIZINのライト級ではマッチメイクが一周しちゃったところがありますよね。で、グスタボの師匠のヴァンダレイ・シウバから「RIZINでまた使ってもらえないか」って連絡があったんですか?
柏木 そうですね。「もう1回チャンスを与えてやってくれ」と。
柏木 そこはマッチメイクの妙と言いますか。やっぱりタイミングがすべてなんだなって感じます。
――という意味で、ノジモフがサトシに勝ったことで、グスタボに運が向いてきたってことですね。サトシとのリマッチはまだ組みづらいけど、ノジモフ戦ならやれる。
柏木 本当にタイミングですね。大晦日のサトシがノジモフに負けたことによって、ライト級が再燃してきたと思います。
――あのライコンが配信されたときは「グスタボをリリースするなんて許せない!」みたいな声があったけど、プロ野球でもずっと貢献してきた外国人選手をリリースすることはざらで。決して柏木さんが残酷な人ではないってことは理解してほしいですね。
――たとえばズマガジーのほうがフレッシュな試合が組めますもんね。
柏木 グスタボはRIZINにずっと貢献してくれたけれども、もう見せ場が作れないなら、新しい選手を入れたほうがいいという判断もときには必要になるんですよね。
――グスタボ、ズマガジー、どっちが強いかっていうことではなく、新しい局面を作れる選手を積極的に採用するっていうことですね。
柏木 そうですね。それもそれでギャンブルなんですけどね。まったくブランディングもできてないし、どういうふうに立ち回るかもわからない選手を連れてくるのはひとつの賭けではあるんですけど。
――もうひとつRIZINの外国人に対して批判の声が上がっているのは、ダウトベックです。バンタムに転向すると言ってたのに、まだフェザーで戻ってくるのか?と。以前からシェイドゥラエフとは兄弟のような存在だから戦わないとコメントしてますが、UFCに行くからフェザーに居座るのか?と。シェイドゥラエフの動向とは関係あるんですか?