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吉田豪が語る「スマッシング・マシーンとPRIDE、紙プロの狂った時代」<後編18000字>です!(聞き手/ジャン斉藤)

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──
『紙プロ』は旧パンクラスの単行本『矛』『盾』も作ってましたけど、ボクが入ったときはパンクラスは取材拒否状態。何があったんですか?

吉田 『矛』『盾』の前からギクシャクしてて、本を作ったときには和解に向かったけど、単純に『紙プロ』がリングスについたからでしょ。前田日明のインタビューが毎回パンクラスに対して挑発的な内容だったし。パンクラスの社長だった尾﨑(允実)さんは芸能の出身だから、そのへんはプロレス的な戦いには持ちこまず、普通に裁判に持っていくし。

──
前田さんがインタビューでいろいろと言い過ぎることによって、安生(洋二)さんの襲撃事件が起きちゃうわけですけど。あれは事前に噂は聞いてたんですか?

吉田
 聞くわけはないけど、山口日昇が多少警戒してたよね。だからチョロには「何か起こるかもしれないから見張っておけ」と命令していた。

──
山口さんですら警戒していたのに、前田さんが何も知らないって怖くないですか?

吉田 それくらい前田さんは孤立していたってことだし、安生さんの件は伏線なしで語られすぎだよね。サムライTVの開局パーティーで、前田さんが安生さんを小突いた件にしても、いまは前田日明がただ暴力を振るったと思われるでしょ。あれはUWFの先輩・後輩の関係がありながら、Uインターが宮戸優光プロデュースで各方面にケンカを売ってきたという伏線があって。1億円トーナメント招待で各団体が無視している中、リングスだけがやってもいいと。シュートをやらせたら強い外国人選手を出そうとしたらUインターが断ってきて。

――宮戸さんが 「どこの馬の骨かわからない選手とはできない」と発言して前田さんが激怒したんですよね。

吉田 安生さんのヒクソン道場破りの失敗もあり、各団体からヒートを買っていたこともあって、前田さんが先輩として諌めなきゃいけないというモードになったときにサムライのパーティーがあった。安生さんは鉄砲玉みたいなものだったから、そういう流れに持っていった宮戸さんが悪いとも言えるし。

──
当時はひとつのコメント、ひとつのインタビューで業界が震撼することがたびたびありましたよね。高田さんがマスコミのインタビューに対して警戒心を抱くことになったのは、吉田さんがやった『smart』のインタビューで。

吉田
 正確には、『smart』と『SPA!』で2回やってる。最初に『smart』で取材したらジャイアント馬場批判とかですごい盛り上がって、それで会長に「いまの高田は最高に面白いですよ」と『紙プロ』での取材を勧めたんだよね。

――2回目のヒクソン戦が終わったあたりですね。

吉田 すぐに『紙プロ』でもやった結果、そこでもジャイアント馬場の悪口をガンガン言ったんだよね。高田がヒクソンに負けたあとに猪木さんをはじめとして、いろんな人が高田批判をしたんだけど、「馬場にだけは言われたくはない」と。「馬場」って呼び捨てなんだよ(笑)。

──
「馬場!」って呼び捨てなのは越中詩郎くらいですよ(笑)。

吉田
 「馬場じゃなくてアッポーでもいい」と。

──酷い(笑)。

吉田
 馬場さんは高田のことを「芸能人になりたい人がプロレスの代表みたいに言われるのは感心しない」的なことを言ったんだけど、「馬場のほうが芸能人になろうとしてるだろう」と。非常に正論なんだよね(笑)。

──
馬場さんは「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」に出てますし(笑)。

吉田
 非常に正しい反論をしたんだけど、タイミング悪く馬場さんが死んじゃったんだよねぇ。

──
死んだ直後に、そのインタビューが掲載されている本が出てしまった。

吉田
 「故人にこんなこというとは何事だ!」みたいに批判されて、『紙プロ』が全日出禁になったのかな。

──
NOAHになって三沢光晴さんたちを取材できるようになったんですけど、しばらくして出禁になって。これも吉田さんが関わってて……。

吉田
 ミスター高橋本でしょ?

──
そうです。ミスター高橋を唯一取り上げたプロレスマスコミはRADICALだけで。それで堀江さんが仲田龍に呼び出されて「そちらが何を取り上げようがいいんだけども、同じ雑誌に載せるとNOAHのファンが誤解する」とかで取材できなくなりましたね。

吉田 まあ、NOAH側の気持ちもよくわかりますよ。全然間違ってない。

──
あの頃と比べたら、いまのケーフェイはかなり緩いですよ。そこは『紙プロ』がチャレンジしていったからだと思います。

吉田
 勝手な実験ずっとしてたからね。RADICAL2号でボクが「プロレスファンは八百長論議と戦え!」みたいな原稿を書いたんだけど、一般書物に載っている「プロレスは八百長だ」みたいな発言を抜き出して「こんなことを書いてる奴を許すな!」と怒るていでヤバイ発言を載せるという企画だった(笑)。

──
あくまで怒る側に立って!(笑)。

吉田
 「こいつはプロレスをなんだと思ってるんだ!?」と怒りながら、よけいなことを載せ続けたんだよね(笑)。

──
フォローするわけじゃないですけど、『紙プロ』のケーフェイトークって単なる暴露ではなく、裏を明かすことでよりプロレスは面白くなりますよ、というもので。それも言い訳かもしれないですけど。

吉田 いや、その線引きにはこだわっていたと思うよ。そもそも、ずっと書評はやってたけど、タダシ☆タナカのデビュー作(『プロレス・格闘技、縦横無尽』)は扱ってないからね。

──
なるほど(笑)。あれも情報公開前提の本でしたね。

吉田
 そのへんは面倒くさいから触れないでおこうみたいな線引きがあったんだよ。

──馬場さんが亡くなった1月に橋本真也vs小川直也の通称1・4事変で起きて。あの事件をRADICALが徹底的に深堀りしたことで、雑誌としてブランドが上がった印象がありましたね。

・小川直也、ヒョードル、田村潔司を抱えた山口日昇
・高田延彦『紙プロ』座談会激怒事件
・『紙プロ』の藤波辰爾いじりはやりすぎか?
・PRIDEの怪人・百瀬博教
・桑田佳祐「PRIDEの唄」騒動
・アントニオ猪木とズッコさん
・タダシ☆タナカ再評価!?
・『紙プロ』はどうすれば生き残れたか……18000字の後編の続きはこのあとへ

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