
吉田豪が語る「スマッシング・マシーンとPRIDE、紙プロの狂った時代」<後編18000字>です!(聞き手/ジャン斉藤)
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──『紙プロ』は旧パンクラスの単行本『矛』『盾』も作ってましたけど、ボクが入ったときはパンクラスは取材拒否状態。何があったんですか?
──前田さんがインタビューでいろいろと言い過ぎることによって、安生(洋二)さんの襲撃事件が起きちゃうわけですけど。あれは事前に噂は聞いてたんですか?
吉田 聞くわけはないけど、山口日昇が多少警戒してたよね。だからチョロには「何か起こるかもしれないから見張っておけ」と命令していた。
──山口さんですら警戒していたのに、前田さんが何も知らないって怖くないですか?
――宮戸さんが 「どこの馬の骨かわからない選手とはできない」と発言して前田さんが激怒したんですよね。
──当時はひとつのコメント、ひとつのインタビューで業界が震撼することがたびたびありましたよね。高田さんがマスコミのインタビューに対して警戒心を抱くことになったのは、吉田さんがやった『smart』のインタビューで。
吉田 正確には、『smart』と『SPA!』で2回やってる。最初に『smart』で取材したらジャイアント馬場批判とかですごい盛り上がって、それで会長に「いまの高田は最高に面白いですよ」と『紙プロ』での取材を勧めたんだよね。
――2回目のヒクソン戦が終わったあたりですね。
──「馬場!」って呼び捨てなのは越中詩郎くらいですよ(笑)。
吉田 「馬場じゃなくてアッポーでもいい」と。
吉田 馬場さんは高田のことを「芸能人になりたい人がプロレスの代表みたいに言われるのは感心しない」的なことを言ったんだけど、「馬場のほうが芸能人になろうとしてるだろう」と。非常に正論なんだよね(笑)。
──馬場さんは「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」に出てますし(笑)。
吉田 非常に正しい反論をしたんだけど、タイミング悪く馬場さんが死んじゃったんだよねぇ。
──死んだ直後に、そのインタビューが掲載されている本が出てしまった。
吉田 「故人にこんなこというとは何事だ!」みたいに批判されて、『紙プロ』が全日出禁になったのかな。
──NOAHになって三沢光晴さんたちを取材できるようになったんですけど、しばらくして出禁になって。これも吉田さんが関わってて……。
吉田 ミスター高橋本でしょ?
──そうです。ミスター高橋を唯一取り上げたプロレスマスコミはRADICALだけで。それで堀江さんが仲田龍に呼び出されて「そちらが何を取り上げようがいいんだけども、同じ雑誌に載せるとNOAHのファンが誤解する」とかで取材できなくなりましたね。
──あの頃と比べたら、いまのケーフェイはかなり緩いですよ。そこは『紙プロ』がチャレンジしていったからだと思います。
吉田 勝手な実験ずっとしてたからね。RADICAL2号でボクが「プロレスファンは八百長論議と戦え!」みたいな原稿を書いたんだけど、一般書物に載っている「プロレスは八百長だ」みたいな発言を抜き出して「こんなことを書いてる奴を許すな!」と怒るていでヤバイ発言を載せるという企画だった(笑)。
──あくまで怒る側に立って!(笑)。
吉田 「こいつはプロレスをなんだと思ってるんだ!?」と怒りながら、よけいなことを載せ続けたんだよね(笑)。
──フォローするわけじゃないですけど、『紙プロ』のケーフェイトークって単なる暴露ではなく、裏を明かすことでよりプロレスは面白くなりますよ、というもので。それも言い訳かもしれないですけど。
──なるほど(笑)。あれも情報公開前提の本でしたね。
吉田 そのへんは面倒くさいから触れないでおこうみたいな線引きがあったんだよ。
──馬場さんが亡くなった1月に橋本真也vs小川直也の通称1・4事変で起きて。あの事件をRADICALが徹底的に深堀りしたことで、雑誌としてブランドが上がった印象がありましたね。
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