1979年の夏の甲子園というのは、高校野球の長い歴史の中でも極めて重要な大会である。それが重要となっているのにはさまざまな理由があるが、最も大きいのはあの伝説の試合がこの大会で行われたということだろう。

その伝説の試合とは、箕島対星稜の延長18回の死闘のことである。この試合はまさに奇跡だ。しかも連続でだ。奇跡の連続だった。

そもそも、箕島高校は春の大会の優勝校で、この夏の大会でも優勝候補の筆頭だった。それに対して、石川代表の星稜高校は、甲子園の常連校とはいえ石川自体が弱小の県なので、完全に挑戦者の立場だった。下馬評は箕島圧倒的優位だった。

ところが、その星稜が大善戦をくり広げる。9回を終わっても1対1で、ついに延長戦にもつれ込むのだ。
前述のように、この試合は開始時間が遅かった。それは池田と中京の試合も含め、前の3試合が熱戦で長引いたからなのだが、16時6分の開始となったのである。