多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー!今回は1500字でお送りします!(聞き手/ジャン斉藤)








――
ちょっと前の話題なんですけど、ABEMAがRIZINの公式メディアパートナーとなり、U-NEXTがPPV配信から外れませした。メディアがあっちこっちに移るのは、アメリカのMMAやプロレスではあたりまえだったりしますよね。

シュウ よくありますよね。要するにRIZINさんはUFCがParamount+と独占するのと同じルートを辿ったということでしょうね。

――ファンがU-NEXT外しに批判的なのは、U-NEXTは毎月1500円相当のポイントがもらえるんですけど。それがRIZINのPPV購入に使えなくなったことの不満もあって。

シュウ
 あとやっぱり、いままでU-NEXTで他の格闘技も一緒に見れたのに……という不満ですよね。PPVということを考えたら、53万件売れたTHE MATCHの名残りもあって。それだけ多くの登録者たちの情報を持っているABEMAのほうがたぶんRIZINのPPVも売れていたと思うんですよね。

――
大きなイベントになるとABEMAのほうが件数は上だったという話は聞きますね。そこはABEMAのほうがライト層を呼びこみやすいのかなと。

シュウ
 なのでABEMAと手を組んで、PPVをしっかり売ろうという決断もあったのかもしれないですよね。

――
ただ、RIZINもいずれPPVから脱却しなきゃならないときが確実に来ますよね。

シュウ
 そうですね、団体が続く以上、そうなりますよね。だからいまのUFCのParamount+もサブスクじゃないですか。

――
UFCがParamount+に移って以降の評判はどうなんですか? いままではナンバーシリーズで毎回1万円近く取られていたけど、いまは月額10ドル程度でUFC以外のドラマや映画も見られるんですよね。

シュウ
 日本円でいうと、CMが入る普通のプランなら8ドル99セントなんで1500円ぐらいで、CMの入らないプレミアムなら13ドル99セントなんで2200円ぐらいなのかな。円で考えると、これでも、かなり安いほうなんですよ。HBO MAXのCMの入らないプランは22ドル99セントもするんで。それで他の映画やドラマも見れるわけですから。そういう点では一番打撃を被ってるのは、もしかしたらスポーツバーかもしれないですね。スポーツバーでカバーチャージを払ってまで、お酒を飲みながらUFCを見るというカルチャーがなくなったわけですよ。友達の家に集まれば見れちゃうわけですから。

――
いまアメリカのスポーツバーって何を流してるんですか?

シュウ
 フットボールや野球、バスケ、サッカーとか、普通のスポーツを流してます。スポーツバーに行くと、飲み代がかかるじゃないですか。UFCのPPVのときは、バーは、どこもカバーチャージを取っていたんですよ。それは、バーもUFCのPPVを買って、店内で流す場合は、UFCの権利をバーに売るエージェントを通じて2000ドルとか払わないといけなかったんで。つまりバーにPPVを売るエージェンシーも存在するんですけど、彼らにとっても、そのビジネスの一部がなくなったってことですから。そこはけっこう痛いと思うんですよね。

――
ボクシングもサブスクですもんね。となると、RIZINがPPVなのがいまやレアケースってことになりますね。

シュウ
 世界的にはそうなんです。でも、ABEMAと組んだからには、これからサブスクのほうにも移るのかなと思って見てるんですけども。

――
ああ、ABEMAでのサブスク化はありえますよね。

シュウ
 ABEMAは、もともとフリーで見れるチャンネルがいっぱいあるわけじゃないですか。ビジネスモデルとしては世界では珍しいほうなんですけど。そこにどうやって組み込むのかなと、興味深く見てるんですけどもね。

――
あるとしたらABEMAのプレミアム会員になれば、RIZINが見られるとか。

シュウ
 最近Netflixでも、日本のドラマがバンバン見れるんですよ、古いのから新しいのまで。Amazon Primeもそうなってきてます。大河ドラマがすごい勢いでアップされている印象がありますし、ここ数年の話題になった日本映画も前より多くなったと思います。やっぱり大きいところにコンテンツが集まってきますね。

――日本の格闘技もU-NEXTに集まるのかなと思ったら……格闘技のサブスク戦争がどうなっていくかを注目していきたいんですけど。超RIZIN5でシェイドゥラエフがAJマッキーに勝って、PFLのチャンピオンにもなりました。海外の報道ではシェイドゥラエフはPFLと2年契約を結んだと伝えられています。PFLにすれば、チャンピオンになってから、すぐUFCに行ってもらうのは困るから、チャンピオン契約も合意したうえでの試合だったんだなと。シュウさんは、どう見たんですか?

シュウ
 普通に考えて、PFLでもなんでも、北米の団体がタイトルマッチをやらせるんでしたら、やっぱりチャンピオンシップ・クローズ(王者条項)がつくじゃないですか。要は最低でも2年いてほしいとか、3回防衛してほしいとか。当然それなしでタイトルマッチをやることはもうありえないとは思ってたんで。要はそのタイトルマッチの契約形態として、たとえばPFLとの話し合いをちゃんとつければ、RIZINでもタイトル防衛ができるという項目が入ってるはずなんですよね。

――
年に1回はRIZINでタイトル防衛できるとか。

シュウ
 PFLは来年からMVP MMAになって、大きな大会はNetflixで放送されるかもしれない。そこに出れば、シェイドゥラエフ選手が北米で有名になるってことですよね。彼にとってはすごくいいディールなんじゃないかなと思います。

――これはシェイドゥラエフ側からすれば、最初からUFCに行く気はなかったということなんですかね?


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