それはいつものように入稿で深夜作業をしている編集部でのこと。編集部員のO田が脈絡もなくこう言い放った。彼はたまにきいてもいないことを話し出す。いつものことだ。彼がこう言ったのには理由があった。雑誌編集者にとって帰宅時間が遅くなるのはよくあることだが、彼の自宅(実家)はオフィスがある飯田橋から片道2時間近くを要する埼玉の街。ときに帰宅が困難となる遠方の実家からひとり立ちし、オフィスから遠くない駅で居を構えたいとのことだ。
「アキバだったら最高じゃないすか、住むの。ケバブ食べられるし」
↑SIMがささったもの全般とケバブが大好きだというO田。
甘い、甘すぎる……。彼は実家を出たことがない若造なのだ。ケバブが食べられるくらいで、住む場所の快適さを判断して良いはずがない。まず、自分の所得と家賃が見合うかどうかが一番の問題だろう。そこで秋葉原の物件を多数扱う不動産屋『リブマックス秋葉原店』にきいてみた。
秋葉原エリアの1ルーム物件の相場は?
・・・だいたい8万~10万円ほど
23区内でみても住宅街などに比べてやや高めの家賃相場といったところだろう。さすが千代田区の繁華街である。家賃の目安がわかったところでO田に本当にアキバに住む気があるか再度きいてみた。
「少し高めだけど、それでも自分アキバがいいですね」
このO田はこう見えても一度言いだすと止まらないところがある。それならいい、と私はつぶやいた。そう、住んでみればいいのだ。そこで私は彼にある提案した。
家具家電付きの部屋でウィークリーアキバ体験すべし
●家賃 8万8000円(共益費別5000円)
●間取り 1K(20.08㎡)
●建築規模 鉄骨鉄筋 3階/12階
●築年月 2001年9月
●千代田区神田佐久間町4
↑ウィークリー、マンスリーでも利用できる機能的な部屋。生活に必要な家具がひととおり付いているので、身軽にアキバ暮らしを楽しめる。
↑テレビ、炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫、掃除機、DVDプレーヤーもデフォルト装備。
「この部屋なら家電家電付きだから即生活ができますね。わかりました、一回アキバ暮らしを試してみます! で、やっぱりアキバに長期的に住むことになったら、もっと手ごろな家賃のとこがいいなぁ」
私はつくづくお人好しだ。O田のために比較的家賃が安めの部屋も例示した。とはいえ、実際に物件を探してくれたのは不動産屋ではあるが。
節約できる6万円台の部屋で住むべし
●家賃 6万8000円
●間取り 1R(19.43㎡)
●建築規模 鉄筋 5階/10階
●築年月 1980年8月
●千代田区神田須田町2
↑岩本町から徒歩1分。低予算で秋葉原に住みたい人におススメ。ガジェット持ちは助かる3口の埋め込みコンセントを装備。洗濯機置き場は室内。
↑使いやすいユニットバスと電磁調理器付きのキッチンを完備。
「この部屋安くていいですね。貯金もできそう! 夢のひとり暮らしを始めるから女子が遊びに来るのが楽しみだな」
彼はたまにきいてもいないことを話し出す。いつものことだ。
女子が遊びに来る!? 私は耳を疑った。いやいや、ちょっと何言っているの!? さすがに温厚である私も彼の淡い期待をアタマごなしに罵倒したくなったが、ふとひとつの可能性に考えあたった。部屋自体がラグジュアリーで女子好みであれば、魚心あれば水心があるかのごとく(?)女子が訪れることもあるのではないかと。
モテ部屋に住むべし
●家賃 9万500円(管理費別6700円)
●間取り 1K(22.44㎡)
●建築規模 鉄骨鉄筋 8階/12階
●築年月 2006年1月
●千代田区岩本町3
↑岩本町より徒歩2分。清潔感あるオフホワイトの床が好印象! バス・トイレ・洗面台が独立していて、女性が来ても気がねなく使ってもらえる。生活感が出る洗濯機も扉付きのスペースに格納可能。フロントにはコンシェルジュサービスもあり。
↑2口コンロにグリル、調味料ストッカーまで備えたすぐれものキッチンと、身長160センチの女子がすっぽり入るクローゼットが魅力。
デザイナーマンションで秋葉原という良い立地に位置していれば、ひょんなことから女子が「来ちゃった」と現われることがあるかも…。イヤ、ない。家賃はややお高めではあるが、がんばれO田!
ほかにも特徴的で魅力的な物件を秋葉原でいくつか発見した。それらは『週刊アスキー6/3号 No.980』の特集に掲載。さらに、実際に秋葉原に住んでいる人のアキバ生活についての体験談なども掲載している。編集部のO田に限らず「秋葉原に住むってどんな感じだろう?」と興味がある人はぜひ参考にしてほしい。
●関連サイト
リブマックス秋葉原店