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本当に実践的な有料ブロマガで購読者数を伸ばす方法(夜間飛行 井之上達矢)
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本当に実践的な有料ブロマガで購読者数を伸ばす方法(夜間飛行 井之上達矢)

2013-12-27 09:01

    第6回 書くのをやめる前に考えてほしいこと(その1)


    ■基本的には足し算のメディア

    津田大介さんのブロマガ内で「週刊有料メルマガレビュー」という連載をしている有料メルマガ評論家の渡辺文重さん(@sammy_sammy)が、vol.102で「休刊・廃刊メルマガ」を特集しました。さらに、ご自身のブロマガ内で、自身の記事についてセルフレビューを無料公開しています。

    渡辺文重の『有料メルマガ批評』
    <「休刊・廃刊メルマガ特集」を自分で紹介する>

    津田大介の『メディアの現場』vol.102


    有料ブロマガ・メルマガの会員を増やす効果的な方法の一つは、「継続」です。
    その理由は、単純です。多くの場合、一度購読してくださった読者の方は、短期間で解約せずに、それなりの期間、購読を続けてくれるからです。
    プラットフォーム側が「購読の利便性」にはアイデアを絞って工夫する一方で、「解約の利便性」はおざなりになっているからだ、と指摘する方がいらっしゃるかもしれません。夜間飛行でもサービス開始初期の頃には、よく読者からお叱りを受けました。しかし、その後、改善を加え、少なくとも「購読」に必要な時間と「解約」に必要な時間を比べれば、圧倒的に「解約」に要する時間が少ない状況を作りましたが、状況は変わりません。

    やはり、一度、購読を初めてくださった方は、それなりに継続して読んでくれる。
    「なにふんわりしたこと言ってんだよ。死ぬほどつまらないメルマガを発行してみなよ。てゆうか、俺なら10人中10人が購読即解約するメルマガ作れるぜ!」という方もいるかもしれません。しかし、基本的に「一人でも読者を獲得したい」と日々努力をされているブロマガ執筆者が、「読んだ瞬間に、積極的に解約せざるを得ないテキスト」を書いているとも思えないので、ここではスルーします(まあ、きちんと内容の通った文章が書かれているにもかかわらず、ほとんどの読者が購読即解約するメルマガを作るというのも、思考実験としてはとても興味深いですが)。

    つまり、現在のブロマガ・メルマガ界を見渡すかぎり、「一度購読をしてくださった方は、なかなか解約をしない」と言って良いと思います。とにもかくにも、継続的に配信していけば、基本的には「足し算」が続くことになる。
    しかし、ここで「おいしい商売じゃん!」とならないからこそ、冒頭で紹介したような特集が組まれることになります。
    ここにはどのような事情があるのか。夜間飛行の事例をご紹介しましょう。

    ■そもそも「足し算」がはじまらない

    夜間飛行がメルマガ事業を始めてからおかげさまで3年半が経とうとしていますが、3ヵ月単位で見て、「少しずつ購読者が減っていますね」という状況を作り出せた人は、ほぼいません。もちろんすべてのメルマガが右肩上がりだというわけでもないのに、です。
    どういうことでしょうか。

    実は、「購読者が少しずつ減っている。何とかしなければ」という状況を作り出せているメルマガは、購読者数が400人以上、メルマガ継続期間が1年を超えているものです。それ以下の購読者しか獲得できていないメルマガの悩みは、購読者が減っていくことではなくて、購読者数の増加もゼロ、解約もゼロという状況で硬直してしまうことです。
    こうした現実から考えられることは何か。

    前回の連載でも紹介した通り、メルマガ・ブロマガは、コンテンツのレベルと比べて、「告知」が圧倒的に「不足」しているということだと私は思います。

    そもそも、「購読者がなかなか解約しない」ように見えるのも、ほとんどのブロマガ・メルマガが圧倒的な「告知不足」に陥っているからです。
    十分な告知が行き渡っているコンテンツの場合、もしコンテンツが読者の期待に添えなければ、ツイッターやブログ、プラットフォームに批判が押し寄せ、上記で紹介してきたような「一度購読してくださった方は、なかなか解約しない」という話がまったく通用せず、購読者数はあっという間に坂道を転げ落ちていくことでしょう。
    しかし、コンテンツの内容に比べて圧倒的に告知が不足している場合、購読者数が減ることもありませんが、そもそもの「足し算」もはじまらずに硬直をしてしまうのです。

    ■「最初の一歩」を作る戦略

    では、どうすれば「足し算」をはじめることができるのか。
    実は、ここで「継続」が重要になると私は考えています。

    スタートダッシュを決めることができたほうが、その後がラクになるのは間違いありません。購読者が好意的な感想をSNS上に書き込むようになれば、指数級数的に告知が広がり、購読者数も力強い右肩上がりとなることでしょう。
    しかし、世の中はそれほど甘くはありません。「スタートダッシュが大事」とわかっていても、現実的に「スタートダッシュできない」ことはある。そもそも著者自身に「告知力」が無い、著者の著名度の関係でプラットフォームもあまり協力的ではないという場合は、一週間で500人を超えていくような華麗なスタートを切ることは、ほぼ不可能でしょう。

    ただ、そこで「あきらめ」てはいけません。メルマガ・ブロマガは、上映期間が決まっている映画や年末年始のテレビ特番のように、短期間での大量宣伝が運命付けられているか類のコンテンツではありません。ツイートで言えば、1日100ツイートをして10日で燃え尽きるよりも、毎日10ツイートを100日続けたほうが効果の高いコンテンツでもあります。

    メルマガ・ブロマガの配信を「続ける」ということは、コンテンツを貯めているだけでなく、ボディブローのように「告知」を貯めていると考えて良いと思います。そのボディブローが、閾値を超えた瞬間に「最初の一歩」がはじまるのだと思います。

    ■「その日」のために

    夜間飛行がメルマガ事業をはじめたごく初期から配信を続けているメルマガに、鍼灸師の若林理砂さんが書いている『鍼灸師が教える一人でできる養生法』というものがあります。

    配信開始から2年半が経った今、突然、購読者が急激に伸びています。解約者はほとんどいない中で、毎日10人近い購読者を獲得しています(このページの読者であれば、これがどれほどすごい数字か分かっていただけるかと思います)。これは、若林さんが毎朝つぶやく「養生予報」という、その日の天気や気圧の状況を踏まえた養生法のツイートが大好評で、大幅にフォロアー数を伸ばしたことが影響しています。

    若林さんのメルマガは、この人気の「受け皿」として、とても効果的に機能しています。しかしこれも2年半の「継続」があってのものです。
    メルマガ・ブロマガは、著者の人気を高めるものとしても、著者の人気の受け皿になるものとしても、「継続」をしないことにははじまらないメディアなのです。

    毎日毎日、「購読者獲得」のための努力をし続けたとしても、その努力に「本当に効果が出るかどうか」は分かりません。しかし、その努力をやめた瞬間に確実に得るものもゼロになります。
    もし、メルマガ・ブロマガを配信するのを「やめよう」と考えている方がいらっしゃいましたら、「やめてしまう」前にもう一度、「継続」のメリットとコストを考えなおしてみてください。

    ご参考になれば幸いです。

    (次号では、主にコストの面から、メルマガ・ブロマガ配信を「継続」をするための実践的な方法について、ご紹介させていただきます)
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