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乙一&ミヨカワ将『山羊座の友人』を読み終わりました。
「ジャンプ+」にて六回に渡って連載され、全一巻の単行本として上梓された作品です。
原作は乙一の「ひとりアンソロジー」である『メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション」に収録された同名短編。
それをミヨカワ将が巧みに膨らませ、一編のうつくしい物語に仕上げています。
乙一はかつて「切なさの達人」など、本人は嫌だったに違いない異名で呼ばれたことがありますが、本作もたしかに切ない。
このいいようのない哀切さはかれ独特の作風です。
もっとわかりやすい悲劇を書く大勢人はいますが、なんとも捉えがたい微妙な感情をしっかりと捉え、描く、その手腕のたしかさは乙一の天才といっていいでしょう。
この漫画版でもそれはしっかりと活かされています。
乙一の作品の主人公たちは、いつも社会に適合できない「弱者」たちです。
そのかれらがなんらかの努力や出逢いによって、新しい自分の道を見つけるようすが乙一最大の魅力といっていいでしょう。
しかし、『山羊座の友人』、この物語はまさに取り返しのつかない事件が起きた、その時点から始まります。
ある日、夜道を歩いていた主人公は、学校でいじめられていた同級生が血にぬれたバットを持って現れるところを目撃してしまうのです。
そして、かれの家の「まるで異世界から迷い込んだような理解不能なものが空から流れ着く」ベランダには、殺人事件の犯人が自殺することが記された未来の日付けの新聞が飛び込んで来る。
主人公はなんとか少年の自殺を止めようと試み、その過程で、ふたりのあいだには強い友情が芽生えていくのです。
物語の展開そのものは、そこまで予想外のものではなく、乙一作品を読みなれた人ならある程度は先の想像がつくでしょう。
しかし、
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