弱いなら弱いままで。
『ファラオの墓』。いまから30年近以上前、若き竹宮恵子が連載していた長編大河ロマンである。『風と木の詩』に比べれば知名度は低いだろうが、その質は決してかの作品に劣らない。
この作品を描きはじめた頃、竹宮には既に『風木』の構想があったのだという。しかし、書店へ行けばボーイズ・ラブ漫画が山と積まれている現代のことではない、少女漫画としてあまりに革新的なその内容は編集者の支持を得られず、その不支持を支持に変えるために必要な人気を求めて竹宮はこの作品を描きはじめた。
物語の舞台はいまをさかのぼること4000年の昔、乱世に喘ぐ古代エジプト。平和な王国エステーリアが、隣国ウルジナに亡ぼされるところからすべては始まる。文化豊かなエステーリアであったが、戦国の世で必要とされるものは、何より力! その平和思想はウルジナの武威の前にまったく無力だった。
亡国の王子サリオキスは、ウルジナの若き王ス
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