弱いなら弱いままで。
植島啓司『君と地球を幸せにする方法』を読み上げた。この本のテーマのひとつは「贈与」の問題で、なかなか面白い論考が展開されている。ぼくはいままでずっと贈与について考えていた。
宮沢賢治や金子みすずの作品に興味を持ったのも、贈与について考えていたからである。なぜ、贈与について興味を持つのか。それは、人は人に何かを与えることができたとき、最も幸福を感じるのではないかと思うからだ。
ぼくは幸せになりたい。だから、どうしても贈与の問題を考えないわけにはいかないのだ。思うに、人はひとりではなかなか幸せにはなれない。もちろん孤独を好み、ひとりを愛する人もいないわけではないだろうが、大半の人は生涯ひとりぼっちでだれともコミュニケーションを取れなかったら辛いと思うだろう。
また、どれほど孤高を好む人にしても、最初からひとりであったわけではない。アドラー心理学について書かれたベストセラーの『嫌われる勇
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