弱いなら弱いままで。
先日、いま20万部突破のベストセラーになっている『サイコパス』という本を読みました。個人的に以前から「サイコパス」という概念には疑問を抱いていて、あるいはその疑念を払しょくしてくれるかもしれないと一縷の希望を抱いて読んでみたわけなのですが、いやー、うん、全然、ダメでしたね。
率直にいって、学術的な内容を期待するとお話にならないレベル。まあ、昨今、いっそうレベルが低下しているように感じられてならない新書ですから、あまり期待すること自体が間違いなのかもしれませんが、でもなあ、これはなあ。世間に誤解や偏見をばらまいているという意味で、非常に問題が大きいと思う。
「サイコパス」という概念をご存じない方のために説明しておきますと、サイコパスとは、他者に対する共感が極度に少ないとされる人格の持ち主のことです。
著者によれば、「ところが近年、脳科学の劇的な進歩により、サイコパスの正体が徐々にわか
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