弱いなら弱いままで。
ひさしぶりに書店に立ち寄ったら、石田衣良の新刊『北斗 ある殺人者の回心』が刊行されていた。何ページかぱらぱらとめくってみて、これは傑作なのではないか、と感じる。石田の最高傑作かもしれない。
もちろん、まだ読んでいないのだから、何もたしかなことはいえない。しかし、長い間本を読んでいるとある種の直感が働くものだ。いままでの石田衣良に対する情報もある。この種の判断はそう外れない、と自分では思っている。もし外れたら笑ってほしい。
石田衣良はおそらく現代日本で最も成功した作家のひとりだろう。投稿二作目の『池袋ウエストゲートパーク』であっさりデビュー、同作はドラマ化、シリーズ化され大ヒット。その後も映像化、漫画化作品は多数。
『4TEEN』で直木賞を当然のように受賞し、その後も活躍を続けている。著作は数十冊にのぼり、高い評価を受けているものもそうでないものもあるが、いずれも安定して売れている。作家志望者が望むドリームをそのまま形にしたような作家だ。
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