弱いなら弱いままで。
現在連載中の漫画『アカギ』で、延々と続いていた「鷲巣麻雀」が終わりを迎えた(ように見える)ということで、少し話題になっている。一回の麻雀というかひとつの勝負をここまで長々と描くのは漫画史上でも空前だろう。とにかく終わったのなら良かった。
今後、『アカギ』がどういう方向に向かうのか気にならないこともないが、さすがに「鷲巣麻雀」以上に長い勝負を描くことはないだろう。連載漫画としての『アカギ』は佳境を超えたと思われる。
さて、『アカギ』の主人公である天才雀士赤木しげるの死は『天』においてすでに描かれている。この作品のなかで、老いた赤木は痴呆症にかかり、自ら死を選ぶ。そのとき、かれはまだ生きていたいという気もちが「3%」はあると言いながら、しかしそのかすかな想いを振りきって死んでいく。
赤木が残した3%の未練。それはいったい何だったのだろうということが気になっている。というのも『アカギ』における若き日の赤木しげるにはその「3%」は存在しないように見えるからだ。『アカギ』の赤木は100%死を受け入れる冷静な精神で勝負に望んでいるようだ。
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