弱いなら弱いままで。
「脱社畜ブログ」で「App Storeのレビューに、日本のモンスター消費者の片鱗を見る」と題する記事がアップされていた。
http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/12/04/213102
日本の消費者は値段に比して過剰なサービスを要求している、それがサービス業に対する誹謗中傷を呼び、またサービス業のブラック化を生み出しているという内容である。
慧眼だと思う。もちろん、世界的に見ても日本のサービス業が傑出した便利さを実現していることは事実だ。日本ではコンビニひとつとっても、恐ろしく高いレベルのサービスマインドで運営されている。
また、コンビニを訪れる側もそれをあたりまえだと思い、ときにそれ以上のサービスを要求することすらある。あるいは海外諸国から見ればクレイジーなまでのサービスレベルであるのかもしれない。
それが日本人が持つホスピタビリティーの表れであることは間違いないし、世界に向けて誇ることができる日本の側面ということもできる。しかし、同時に、その世界一便利で快適な日本のシステムは、サービス業にたずさわるひとたちの献身と犠牲によって成り立っているものだということを忘れてはならないだろう。
さもなければ上記リンク先でいうところの「モンスター消費者」へと真っ逆さまだ。モンスター消費者は、決してあたりまえではありえないものをあたりまえと思い込むところから生まれる。かれらはいうだろう。「金を払っているのだからサービスを要求することは当然だ」と。
しかし、かれらがいうところの「金を払っている」とは、たかが500円か1000円であったりするのである。ひとによって価値観は違うだろうが、人間の魂を買い取れるほどの高額とは思えない。
もちろん、それだけの金額であっても、お金を払っていることは事実なのだから、ていねいな態度や几帳面な仕事を要求することは当然だろう。しかし、何もかもパーフェクトであることを要求することは無理があり、さらに奴隷のような奉仕を要求することはあきらかに過剰であると思われる。
上記リンク先にも書いてある通り、この社会では「値段相応」という概念が忘れ去られているようだ。そのあげく、無料の品にすらハイレベルなサービスを要求するようになってしまった。これはブログのコメント欄などを見ていても思うことだ。
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