ひとはそれぞれが異なる形の器で、だからときに衝突し、対立しあう。愛しあっているはずの恋人同士でもそれは変わらない。しかし喧嘩するほど仲がいいとは良くいったもので、たぶん、互いに正面からぶつかりあえることは悪いことではないのだろう。
弱いなら弱いままで。
ひとはそれぞれが異なる形の器で、だからときに衝突し、対立しあう。愛しあっているはずの恋人同士でもそれは変わらない。しかし喧嘩するほど仲がいいとは良くいったもので、たぶん、互いに正面からぶつかりあえることは悪いことではないのだろう。
ひとはそれぞれが異なる形の器で、だからときに衝突し、対立しあう。愛しあっているはずの恋人同士でもそれは変わらない。しかし喧嘩するほど仲がいいとは良くいったもので、たぶん、互いに正面からぶつかりあえることは悪いことではないのだろう。
西UKO『コレクターズ』は始終喧嘩してばかりの恋人たちの日常を繊細に綴った一冊。キュートでスタイリッシュなカバーを見ればわかるように、いわゆる百合漫画に属する作品で、大人の女性カップルの何気ないやり取りをスウィートに描いている。
主人公の片方は病膏肓に入る本好きで、他方は大の洋服好き。たがいにまるで価値観が違うふたりは、しょっちゅう喧嘩はするが、魂の奥底では似たもの同士で、深く求めあっている。
彼女たちの喧嘩はいわゆる犬も喰わない痴話喧嘩で、周囲は呆れ顔で見守るばかりなのだ。相手の趣味に文句を付けることもコミュニケーションの一環、ふたりはたがいに相手なしではいられない「一対」なのである。
ぼくはそれなりに百合漫画を読んでいるが、特別、百合が好きなのではないと思っている。ぼくにとって、百合というジャンルそのものは大した意味を持たない。
百合だから好きだということはないし、その反対もない。面白い百合作品なら読むし、そうでなければ読まないというだけだ。百合そのものが好きでならないというひととは違うと思う。
しかし、時としてつよく惹きつけられる百合作品もあって、そういう物語と出逢えたときは、幸運に深く感謝する。本書『コレクターズ』もそんな一冊といっていいだろう。
上質の作品がいくつも載っていることで知られる恋愛漫画雑誌『楽園』で連載しているだけあって、この漫画は、とても趣味がいい。主人公たちの関係にしても、あまりに甘すぎず、そうかといって苦すぎず、めずらしいくらいバランスがとれている。
主人公たちを囲む女性たちにしても、必ずしもレズビアンではなく、マニッシュなタイプもいるかと思えば男をとっかえひっかえしているタイプもいて、多様性に富んでいる。作家の健全なバランス感覚を感じる配置だ。
男性にも女性にも色々なひとがいて、色々な関係がありえる。同性同士の関係も特別なものではなく、無数にありえるパターンのうちのひとつに過ぎない。そういう描きが心地良い。
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