弱いなら弱いままで。
もちろん、ほんとうの傑作は数少ないといえばそうかもしれませんが、そうはいっても、よほど偏屈になるのでなければ、短い一生の間では消費し尽くせないほどのマスターピースが存在していることに変わりはありません。
しかし! あたりまえですが、傑作未満の「まあそれなりにおもしろい」「案外けっこう悪くない」という作品は、その数倍、数十倍に及ぶことでしょう。そういう作品は、強烈な天才を感じさせないために、歴史の闇に落ちていく宿命にあります。
どう考えても歴史に記録するほどのバリューはないのだからあたりまえなのですが、でも、ぼくはそういう微妙作品が大好きなのだ! というか、微妙作品のなかでも大好きなものがたくさんあるのだ!
だから、ぼくは語りたい。傑作の域にとどかなかったものの、十分におもしろく、かつ、個人的になんとなく好きでならない微妙の星たちを。
さて、そういうわけで、これから自分的にはおもしろいと思うんだけれどなんとなく忘れ去られてしまったなあ、という作品を語って行きたいと思います。
もし気分が乗ったらシリーズ化するかもw その前にこの第一回を書き終えないといけないわけで、さて、どの作品を選ぶことにしようかな。
かつてぼくの本棚にはそれはそれは微妙な作品(ひかわ玲子の『三剣物語』とか、冴木忍の『メルヴィ&カシム』とか)が並んでいたものですが、いまではほとんど捨ててしまいました。
ひとは過去とともには未来へ歩んでいけないものなのです。さめざめ(ほんとはただスペースが足りなくなっただけです)。
で、何を語ろうか迷うところだけれど、ぼく的にマスターピース級に大好きな『久遠の絆』にすることにしましょう! 最近、18禁のPC版が出たもようですが、ぼくが取り上げるのはあくまで大昔のプレイステーション版、及びプレイステーション2版です。
PC版は未プレイだけれど、ストーリーが大幅に書き換えられているらしいので、別ものとして扱わないといけないようなのです。
プレイステーションから18禁に写った作品というと、『御神楽少女探偵団』(これも微妙……)などが思い浮かぶところですが、その種の作品は必然的に「エロいらないだろ、エロ」という評価を得ることが多いよう。
『久遠の絆』のPC版は怖くて手を出せずにいるのだけれど、いつかやってみようかなあ。
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