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あなたには、こんな経験がないだろうか。
遅い昼食を終え、だらりとソファに寝そべりながら、何気なくリモコンでテレビを点ける。いつものことながら下らない番組ばかり。自分のことは棚に上げ、日本人の知的水準をののしりながら次々とチャンネルを変えていく。
どうせろくな番組はないとわかってはいるのだが、もうそういう動作が癖になっているのだ。ところが、突然、その動作は止まる。ある映画が放映されていたからだ。
いかにも古くさい白黒の洋画。とくに映画好きでもないあなたには興味を抱く理由はないが、どういうわけか目が離せない。どうせほかにろくな番組もないことだし、ちょっと見てみようか、とあなたは思う。
その選択は正解だった。タイトルが表示されて10分も経つ頃には、あなたはソファから降り、自分でも気づかないままに姿勢を正して、夢中で画面に見入っている。
軽妙な会話、端正な画面、そこには見るもの
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村上春樹が「100パーセントの~」とか「完璧な~」(「完璧な~」の方は否定を伴って使われることが多いけど)ってことばをよく使っていて、最初はことばで言ってるだけと思っていたけど、実際そういうことってあるんですよね。どんな物語にも慣れきっしまっても、心にガチッとはまる物語が。
すぐには無理ですけど、『情婦』、必ず観てみます。海燕さんが熱を帯びた語り口でオススメするものに、興奮させられなかったことなんてなかったですから。
Amazonの商品説明を読んだだけだけど、ビリー・ワイルダーの他の作品も面白そうな匂いがぷんぷんしますね。