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 カザマアヤミ『恋愛3次元デビュー 30歳オタク漫画家、結婚への道。』を読み終えました。これが、もう、超おもしろかった!

 おそらく今年のベストの一角に食い込む傑作エッセイ漫画。1ページごとに腹を抱えて笑う抱腹絶倒の内容となっておりますので、笑いに飢えている方には無条件にオススメです。

 30歳にして恋愛未経験、重度の萌えオタ(男女カプ好き)である著者が、いかにして結婚に至ったか、そのプロセスがセキララに綴られています。もういちどいう。超おもしろいよ!

 恋愛ネタのエッセイとしてここまで笑えるものは記憶にない。しかも一本の漫画としてきちんと整理されていて、非常に読みやすい。花まる付きのオススメです。

 少しでもぼくのセンスを信じるひとはいますぐAmazonで1クリックするか、書店へ向かうかしてください。めちゃくちゃ笑えます。そしてただ笑えるだけでなく、恋愛について色々と勘違いしまくりな著者の行動、言動がほほえましくて可愛らしい。

 いやー、リアルでも漫画みたいなひとはいるんだなあ。ひさびさに自分の直観を信じて良かったと思えた一冊なのでした。

 しかしまあ、ぼくもこのカザマアヤミさんのことは笑えないよね。ぼく自身、あらゆる恋愛ごとやらなにやらを避けて避けてここまで来た人間ですから。

 だれでもほんとうに自分をさらけ出せばどこかしら滑稽なところがあるのがあたりまえであって、カザマアヤミさんが特別なわけではないのかもしれません。

 いやいい過ぎた。この人は紛れもなく特別だけれど、だれだって恥ずかしい恋愛エピソードのひとつやふたつあるはず。ぼくはありませんが。だって、ひとを好きになったりしないもん。

 「リア充ばくはつしろー」とかも特に思わない。いつかも語ったように、ぼくは嫉妬という感情が薄いタイプの人間なのです。ひとがうらやましいとか、あまり思わない。まあ、自分がいま幸せだからなんだろうけれど。

 このカザマアヤミさんとかもそうですが、年をとってから恋愛を始めるひとは「寂しいから」という動機があるようです。でも、ぼくはLINEとかで友人たちとつながっている限り、それほど寂しさを感じることはないですね。

 あと5年後、10年後はわからないんだけれど、いまはとりあえず寂しくない。てれびんとか、ほぼ24時間のプライベートをすべて共有していますからね。

 朝起きたら「おはよう」、夜寝る時には「おやすみなさい」。遠隔地に住んでいることを除外して考えれば、ほとんど家族に近いような関係になっています。

 テクノロジーの進歩は凄いという以前に、そのテクノロジーに適応しまくりでヘヴィユーザー化しているおれも大概だな、と思いますね。

 最近はペトロニウスさんから電話がかかってくることも増えています。通勤時にLINEをつないでいるらしいのですが、夜、寝る前にかかってきてひととおり話し、朝起きてまったりしていたらまたかかってくる(笑)ということがほんとうにあります。

 アメリカとリアルタイムでこれだけスムーズにやり取りできるのだから、凄いものです。時代は変わった! まあだからといって恋愛がいらなくなるわけではなく、ぼくもほんとうはリア充になりたくてたまらない年頃のロンリーハート(意味不明)なのですが、「ひとりぼっちの寂しさ」はかなりの程度、テクノロジーと関係構築で軽減できるよなと。ぼく、人生、楽しくてしょうがないもん。

 今回、街コンとか行ってみて、「なるほど」と思ったのは、恋愛市場というマーケットもやはり一定のルールを持つゲームで動いているんだということですね。

 ぼくのいい方をあまりに気障だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、じっさい体験してみると、これはゲーム以外の何ものでもないな、と感じました。

 ちなみにぼくはブロマガで会員を増やしたりすることも一種のゲームだと捉えています。自分の実存をさらけ出してぶつかっていったりしない、数字の上げ下げ、ランキングへのチャレンジ、そういうものは総じてある種のゲームなのだと思います。

 イケメンは魅力値にプラス10補正がかかるとか、貧乏人はマイナス15補正とか、そういうルールによって成り立つ出逢いと別れのゲーム。

 そういうゲームそのものが汚い! 恋愛とは本来もっと神聖なものであるべきなのだ! と、考える方もいらっしゃるでしょう。また、その道に習熟しすぎて「女なんてチョロすぎてくだらない」と考えているひともいるに違いありません。

 しかし、その双方が無意味な考え方です。恋愛市場において取り引きされているものは、あくまで「出逢い」であるに過ぎないからです。ほんとうの魂と魂のぶつかり合い、お互いの存在をかけた愛の局面はそのさらに先にあるはずなんですよ。

 ぼくなんかこの分野に関しては35歳にしてようやくいまレベル2くらい(笑)なので、何を語っても説得力ないことはなはだしいことは自覚していますが、つまりはそういう関係の深化をこころみずにドン・ファンを気取っても、どこかでむなしくなってくるのだと思う。

 そうならずにひたすらハンティングをくり返すひとは「心の穴」がそういう形をしているのです。

 そう、ぼくはレベル2の未熟きわまりないハンターですが、この先にはレベル99もあればレベル300もあるんだろうな、ということはわかります。

 ここで必要とされているものはほんとうの意味で魅力的な人格とかではありません。あくまでも「作法」であり「技術」です。つまり恋愛市場のルールを正確に把握することと、そのルールの範疇でいかに効率的に勝率を上げていくかという方法論なのです。

 ペトロニウスさんがいうところの「修羅場」はもっと深いステージの話で、それこそが恋愛のほんとうの醍醐味なのだろうとは思いますが、とりあえずここでは関係ありません。


 恋愛市場において重視されるものが「作法」と「技術」である以上、はっきりと「レベルの格差」が存在するはずです。同じように女の子を口説くにしても、明確にして洗練された「型」をもってそうするのと、そうでないのとでは違ってくる。

 ぼくはべつに「これを読めば百発百中!」的な怪しい恋愛本の内容を信じるわけではありません。「作法」はまだしも頭で理解することができるかもしれないにしろ、「技術」はそういうわけにはいかないので、実地で、実戦のなかで学習していくよりほかないのです。

 ほかのあらゆることと同じく、トライアル&エラー、あるいは