そういうわけで、リア充が集う脅威のワンダーランド、街コンへ行ってまいりましたとさ。気分はさながら風車に挑むドン・キホーテ。おともは頼りにならないてれびん・パンサ。はてさて奇想天外な冒険やいかに?

 えー、結論から書くと、初めての街コンはなかなか面白かったです。興味があるひとはいっぺん行ってみるのも悪くないんじゃないかな、と思うくらい。

 行く前は「リアル女子こわいよー。奴らはトラウマ製造機だよ」などといっていたものの、帰ってきたら「もう一回くらい行ってみたいな」と思っていました。

 リアル女子こわくない。リアルはクソゲーじゃないよ! いやまあ、クソゲーである場合もあるだろうけれど、それはあえてハードモードを選ぶから。ちゃんとイージーモードを選んでいけばそれなりに攻略は可能だと思います。

 まあ、その分、ボーナスは小さいかもしれないんだけれど、いきなりベリーハードモードからスタートするのは無謀でしょ。いやまあ、そんなことをいいつつぼくは現状でリア充レベル2くらいなので、何をいっても説得力はないのですが。

 さてさて、リア充坂を登るための第一弾として街コンを選んだのは、ひとえにてれびんに誘われたからなのですが、結果としては実に興味深い場所でした。何が興味深いのか? 自分のコミュニケーション能力のダメダメさが露骨にわかったところが面白かったです。

 いやー、男友達あいてに話すスキルはある程度磨かれたと思っていたのだけれど、一般女子あいてだとまったく違うスキルが必要とされるのね。実に勉強になったというか、「なるほどー」と感嘆することしきり。やっぱり時には新しい世界に足を踏み入れてみることが必要ですね!

 とにかくひとつの対人ゲームとして、街コン(というか合コン)はなかなかに面白い。そりゃ、リア充どもが夢中になるのも無理はないという感じ。

 いちコミュ障として一生、異性に関わることなくきよらかな一生を終えようかと思っていましたが、ちょっと気もちが変わりましたね。たまにはリアルでゲームを遊んでみるのも悪くない。

 今回行って来た「スマイル街コン新潟」は、3時間の開催で、30分ごとにテーブルを移動してお話するシステムになっています。したがって、最大6組の女の子と話せるわけですね。

 じっさいにはいろいろタイムロスがあるので机上の理屈どおりに行くことはなかったのですが、それでも5組の相手と(てれびんと組んで)話をすることができました。

 かけねなしの人生初合コンです。どきどき。どきどき。まあ、結果からいうと惨敗に終わるのですが(笑)、収穫は大きかったように思います。

 ひとつには、「なるほど、街コンというのはこういうルールになっているのか」と把握できたこと。そして、それではそこでどういう戦術を取るのが有効なのか考えることができたことです。

 初めてふれる世界にはそれなりのセンス・オブ・ワンダーがありました。いや、まったく何でもじっさいに体験してみなければわからないものですね。

 それでは、街コンという名のゲームのルールとは何か? それは非常にシンプルです。

1)1組の相手と会話できるのは30分だけ。
2)その30分の間に連絡先を交換できれば成功、できなければ失敗。

 これだけ。この限られたルールのなかで、いかにして成功を目指すかが課題となって来るわけです。それでは、そのために必要なものは何か? よくネットではいいますよね。「それは容姿だ」と。

 よく非モテを自認するひとは「女はイケメンばかりひいきする。おれはキモメンだから差別される」などといいますが、じっさいリアル女子と相対してみて、そんなことはないだろうと思いました。あまりその手の要素は関係ないんじゃないかと。

 そりゃ福山雅治ばりのスーパーイケメンが混じっていたらモテることでしょうが、そういう人はあくまで「1%の人種」。99%であるところのぼくたち凡人の間には実はそこまで容姿の格差はないのです。

 その微小な格差を巡ってああでもないこうでもないと優越感に浸ったり、劣等感に溺れたりするのが人間のさがというものではあるんですけれどね。まあ、それはあまり意味がない。容姿より大切なものがあると思います。

 これはべつにきれいごとでいっているわけではなく、ひとつのファクトとして生まれつきの容姿よりもっと大切なものがあるとはいえると思うのです。

 べつに「それは心だ」などとはいいません。ようするに対人コミュニケーション戦術ですね。その有無がゲームの成否を分けるのではないでしょうか。

 戦術といいましたが、ぼくは今回、まるで作戦を立てずに行って来ました。まあ、初参加で、何も勝手がわからない状況でしたから、これはしかたないと思う。

 相棒のてれびんにしても、そこはてれびんですから、何も考えていなかったものと思われます(奴はいつも何も考えていない)。結果としては、それが敗因の第一でした。

 どういうことか? この場合は30分という短いスパンのなかで結果を出さなければならない街コンでは、どうしたって無駄な会話をしている時間はないということです。

 つまり、あらかじめ作戦を練って「型」を決めた上で参加するべきだったと思うのです。「まず会話の掴みはこれ」、「次にこう展開する」、「こうやって連絡先を交換する(LINEで友達になる)」くらいのことは考えていくべきだった。

 もちろん、じっさいの会話はそううまく計算通りに進んでいくものではありません。しかし、何も考えていないよりは一定の会話バリエーションを考えておいて、そのなかで対応するほうが良いと思うんだよなあ。

 何しろひとり頭30分という枠のなかでのゲームですから、無駄な会話をしている時間はありません。あいての内面を深く探ろうなんてこともほぼ不可能。どういう「印象」をあいてに刻みつけるかがほぼすべてということになります。

 ここらへんは何回かトライアル・アンド・エラーをくり返して学習する必要があるとは思いますが、とにかく何かしらの「型」は用意しておく必要がありますね。

 きのう、てれびんが寝ている間に検索してみたのだけれど、こういうサイトがあります。


 なるほどなあ、と思いますね。じっさい、一定のマニュアルを自分で作っておくと、役に立つと思う。まあ、マニュアル通りにしか行動できないことが問題であることはもちろんなのですが、まったく何も武器を持たないで行くよりは良いはず。

 それから、よくいわれていることとは反対に、実は必ずしも面白いことをいう必要はないのではないかとも感じました。このゲームで必要なのは「面白さ」ではなく、「好印象をのこすこと」です。

 したがって、会話の内容は、必殺の爆笑ジョークよりも、たあいないあるあるネタとかのほうが良いのかもしれないと感じました。その上で、あいての興味を掻き立てて、「もう少し話をしてみたい」と思わせることができたらグッドですね。

 まあ、もちろんそれは簡単ではないのだろうけれど、