やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT)

 このところ、百合漫画しか読んでいない気がする海燕です。

 べつだん、狙って読んでいるわけではないのだけれど、疲れているときに心がざらつかない作品を選んでいくと百合になるんだよね。

 いやまあ、心臓を貫くような先鋭的な百合作品もなかにはあるとは思いますが、あえて選ばなければそうショッキングな作品にはあたりません。

 これがボーイズ・ラブだったらまた話が違うだろうけれど。

 で、きょうの第一作は『もうひとつのユリトピア』。

屋上の百合霊さんSIDE A もうひとつのユリトピア (ひらり、コミックス)

 まあ、よくできた端正な百合作品です。それ以外特にいうことがない。

 原作はライアーゲームの百合ゲーなのかな? よく知りませんが、同性から告白された女の子がとまどいながらもその想いを受け止めて応えるまでの物語です。

 骨格は少女漫画のラブコメですね。

 相手の強い想いを受け止めきれないでいるなかにもじんわりとにじみ出る慕情とかなんとか、ほのかに甘いフレーバーがただよう雰囲気が良いなーと。

 絵もうまいですよね。この人。

 ちなみに『小百合さんの妹は天使』の人ですね。

 これは幼い頃に生き別れになった妹がなぜか(ほんとうになぜか)天使になってやって来るという甘めの百合作品で、こちらもかなり面白い。

 姉妹百合が好きな人にはオススメです。実の姉を性的な視線で見まくる妹なので、ダメな人はダメだろうけれど。

 いやー、オタクでも近親相姦はダメという人は大勢いるんですよね。

 まあ、それはそうだろうけれど、でも、そんなありきたりのタブーには興味がないぼくなのである。

 で、二作目は『あさがおと加瀬さん』。

あさがおと加瀬さん。 (ひらり、コミックス)

 高嶋ひろみさんという、『未満レンアイ』の作家さんによる学園百合です。

 これはね、本気でいいですよ。

 ある地味で目立たない女の子が同学年の加瀬さんを好きになって親しくなろうとするという、それだけの話なのですが、百合のエッセンスが詰まりまくっています。

 ジスイズザ百合漫画といってもいいくらい、スタンダードで美しい百合の形がここにある。

 また、加瀬さんのほうでもあきらかに下心がある目つきで主人公を見ているところがいい(主人公は気づいていない)。

 まあ、普通の学園ものといえばそれまでなのですが、いいのだ、ぼくは普通の学園もの好きだから。

 なんといってもほのぼのとした雰囲気が素晴らしく、何度でも読み返して楽しめるニヤニヤ漫画となっています。

 続編として『お弁当と加瀬さん』、『ショートケーキと加瀬さん』があるようなので、そちらもそのうち購入するものと思います。

 ボーイッシュな空気をただよわせた加瀬さんのキャラクターがいいですね。

 『未満レンアイ』はいろいろな意味で「いいのか、これ?」という内容でしたが、こちらは心の戸惑いなく楽しめて良いです。

 いや、『未満レンアイ』もいい漫画ではあるのだけれど、その、あの……。気になるひとはGoogleさんに聴いてください。

 で、『やがて君になる』。

 先日出たばかりの新刊なのですが、これがきょうの目玉。