今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、社会起業家を目指すの巻~』からご寄稿いただきました。
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■新事業が生まれないと悩む老舗企業について ~答えを持つのは社員ですよ~
さて僕も経産省辞めてから、一応コンサルというもので食ってきました。
なんでちょっとその経験から学んだことをここで少し話してみたいと思います。
コンサルタントと一言で言っても多様で、新規事業に関する制度面の検討から、地域経済活性化向けの調査事業の一環のようなものから、公務員予備校のカリキュラム作りの手伝い的なものまで色々あるのですが、一番面白いのがやっぱり新規事業検討のお手伝いです。
まぁこれが一番金にならないんですが。
最近多いパターンが電機分野の老舗企業のこんなパターンです。
(1) 1960~70年代日本の電機産業の勃興とともに、大手電機企業の設計下請けとして起業。
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(2) 大手電機企業の成長に合わせて業務範囲を設計から半導体製造からソフトまで拡大。
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(3) 1990年代後半頃から主要取引先の大手電機企業の成長が鈍りだし、取引先を国内で多角化。2000年前半に景気回復。
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(4) 2000年後半から国内電機企業全体が崩れだし、海外企業向けの案件を受注。なんとかリーマンショックを乗り切るも、苦しい状況が続く。
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(5) 再三スレスレのニッチ分野の案件を受注。人は稼働するが儲からない。
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(6) このまま既存分野の受託事業の延長でやってもジリ貧なのでなんとか自前で新規事業を切り開きたい。
こういった老舗の下請企業の悩みは
「これまで受託案件を中心にしていたから自主事業で何をしていいものやらわからない」
というものです。で、何か新しいアイデアは無いかと色々な人のところを回って、私のような場末のオフィスまでたどりつく人が結構いるわけです。
でこういう人に私が言うことは基本的に二つです。
(1) アイデアは社内にあります。
(2) ニーズは身近にあります。
まず前者についてですが現場の担当者は意外にアイデアの種を持っているものです。
放っておくとそういったアイデアの種は上司の「本当にそれで儲かるのか」という詰めで芽が出る前に潰れてしまいます。それは既存事業に責任を持つ事業部としては当然のことです。なので、その種を育てて行く仕組みを通常の業務ルートとは別に作る必要があります。
別にお金というわけではなくて、例えば従来の事業部ごとの業績評価基準とは違う新規事業アイデア創出に関する社長直轄の表彰制度を作ってみんなの前で表彰するとか、インタビューや再現動画をつくって社内で共有するといったことから始めてみるのは、社内の雰囲気が変わり意外に効果があります。
後者についてですが、新規事業というと全く違う世界に飛び込むことをイメージしがちですが、そうするとわからないことだらけで、面倒くさくなったり訳が分からなくなったりして頓挫しがちです。だから、いきなり少子高齢化とか省エネとか大上段から入るのではなくて、身の回りの家族や社員が困っている課題を解決すると考える事が大事です。
ちょっと電機分野の案件だと商売上言えないので他の分野になってしまいますが、例えば会社でよく聞く、パソコン見ると目を疲れるとか、ずっと座ってると腰が痛くなるとか、そういった悩みもやり抜けば新事業になるわけです。
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中堅企業くらいになると会社には一通りのリソースは揃っていて、その組み合わせによってはいろんな可能性が生じるわけで、僕みたいな何も無い所から起業を目指す立場からすれば羨ましてくよだれが出そうになるくらいです。
そんなわけで、日本の電機分野の老舗中堅企業の方々、皆さんの可能性はちょっと工夫するだけで無限大になるので、悲観しないでくださいね!!
。。。大企業くらいになると寧ろ厳しいかもしれないけど。。。
ってなわけで今日はこんなところで。
あ、最後に宣伝ですが、こんなうさみに相談したいという方はいつでもご連絡ください。都合が付く限りでご相談に乗りますので。
ではでは。
執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚の天下りしない生活~』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年03月05日時点のものです。
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