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我らが菅直人元総理から学ぶ危機対応術
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我らが菅直人元総理から学ぶ危機対応術

2013-07-27 14:00
    我らが菅直人元総理から学ぶ危機対応術

    今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ ~新潟は柏崎からお届けしています~』からご寄稿いただきました。

    ※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/385550をごらんください。

    ■我らが菅直人元総理から学ぶ危機対応術
    え~安倍総理が「海水注入を止めたのは菅元総理」とメルマガで発信したことに対して、菅元総理が名誉棄損で訴えるということなったようで、吉田所長の喪も開けぬうちにこのような事態が起きてしまうのは誠に悲しい次第です。ですが、この際なのであの原発事故を振り返るいい機会かと思い、当時の菅総理のご活躍に関して関係者のコメントをまとめておきたいと思います。引用は全て「死の淵を見た男」(門田隆将)からです。

    ●菅首相が事故直後福島原発に向かったことに関して

    我らが菅直人元総理から学ぶ危機対応術

    (画像が見られない方は下記URLからご覧ください)

    http://getnews.jp/img/archives/2013/07/kannnaoto01.jpg

    ○池田元久元経済産業副大臣(当時現地対策本部長)

    「(事故後)最初の72時間は最大限、救出活動に全力を挙げるというのが世界の常識です。それなのに、総理が原発にやってくるということがわかりませんでした。~現地は、地上系の連絡手段をはじめ、全部ダウンしちゃってるわけだからね。そこへ来ても指揮はとれませんよ。だから原発事故についても官邸にいたほうがいいわけです。大局観を持つべきです。物事の軽重について常識的な判断が必要だったということです。~もしどうしても来るというなら、一国の総理ですので、安全というのはもっとも大事ですから、危険な状態の福島第一に行くのではなく、5キロ離れたオフサイトセンターに来るべきだといいましたが、その意見は総理まで届かなかったようです。」

    <教訓1:現地にいるからと言って必ずしも状況がわかるわけではない。危機対応にはやみくもに動かずに、情報系統を整理することが重要。ちなみに総理のこの行動のせいで、対応に人が取られ自衛隊の消防班の到着が遅れた。>

    ○枝野幸夫元官房長官

    「総理、全権委任してください!」

    <教訓2:意思決定の空白はさけねばならない。とっさに確認した枝野氏はさすが。>

    ○斑目原子力安全委員会委員長

    「(基礎から状況を説明しようとしたら)『俺の質問だけに答えてくれ』とビシャッと言われました。」

    ○吉田所長

    「(首相)一行が汚染されると彼らが線源になるわけですから、免震棟に入ってこられると困るんですね。~たぶん菅さん自身が、自分が汚染されるという意識がないんだと思うんですよ。そいういうことが全くわかってなかったと思うんですね。~一刻も早く免震重要棟に入って状況を聞きたい、というんで入ってきてますから、ある意味、不作為なんですよね。そういう点では、もっと専門家が菅さんにいろいろ言って欲しかったな、と思いますね。」

    <教訓3:思い込みにとらわれず、専門家の意見を聞いて行動を決めるべき。中途半端な知識が一番判断を誤るという典型例。>

    ●東電武藤副社長とのやり取りに関して
    ○池田副大臣
    「激昂してマシンガンのように武藤さんに何か言っていた。しかし口調が激しくて、何を言っているか、全然、聞き取れなかった」

    ○斑目委員長

    「私も聞き取れなかった。東電の武藤さんに向かって、厳しい口調で何かいっていましたが、私には内容がわかりませんでした。」

    ○武藤副社長

    「いきなり、なんでベントをやらないんだ、とおっしゃって、あとは、なんで早くやらないんだ、いつになったらできるんだ、なんでできないんだ、という繰り返しでした。~聞くという感じではなく、お前ら何やってるんだって怒鳴りつける感じでした。」

    <教訓4:指示は落ち着いて、明確にすべき。なおこの時すでに現場はベントに向けて手探りで命を懸けて作業を進めている。何事も口で言うほど生易しくはない。>

    ●避難命令の遅れについて
    ○池田副大臣
    「避難命令を出さなきゃいけないというんで、総理の決済をとってくれという要請が東京からあったんですよ。総理が東京にいればすぐとれるんだけど、総理がこっちに来たんで、僕に任されたわけだ。~しかし総理が激昂しているから、黒木審議官がなかなかこれを持ち出せなかった。本来は、決裁をもらうのは、バスの中でも、どこでもよかったんだけどね。逆に言えばその時間分、避難指示が『遅れた』ということになるね。」

    <教訓5:組織の長の役割は留まって決断すること。決断者が焦って動き回ると却って組織の動きが遅くなる。総理のイライラとした態度がいらぬ被曝を招いたのは間違いない事実。>

    <YouTube>

    ●海水注入中止命令問題について
    ○東電武黒フェローと吉田所長のやり取り
    武黒「おまえ、海水注入はどうした?」
    吉田「やってますよ」
    武黒「え、本当か」
    吉田「もう入れてますから」
    武黒「おい、もうやってんのか」
    吉田「どうかしたんですか」
    武黒「それまずい、それ」
    吉田「どういうことですか」
    武黒「とにかく止めろ」
    吉田「何でですか、入れ始めたのに、止められませんよ」
    武黒「おまえ、うるせえ。官邸が、グジグジ言ってるんだよ!」
    吉田「なに言ってんですか!」

    ○武黒フェローTV会議にて

    「イラ菅という言葉があるけども、まぁとにかく、よく怒るんだよね。~昨日も退避・避難の区域を決めたときに菅さんところによばれて「どうすりゃいいんだ!」「どうすんだ!」って言うわけですね。私と斑目さんとで説明すると「どういう根拠なんだ!それで何があっても大丈夫だといえるのか!」と散々、ギャアギャア言うわけです。」

    <教訓6:中央が現場に介入すると意思決定が混乱する。中央は泰然として現場の要望に応じて迅速に必要な資源投入と意思決定をするのが仕事で、バックエンドに徹するべき。菅元総理が直接に「海水注入を止めろ」と言ったわけではないのだろうが、残念ながら彼の不十分なマネジメントがこういった指示の混乱を招いたと言っても過言ではないだろう。>

    他にも色々と「国民の反面教師」として学ぶすべき点はあるような気がするのだけれど、今日のところはこの辺で。

    個人的には安倍さん訴えるなんていう、恥の上塗りはやめた方がいいと思うんだけどな~

    執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ ~新潟は柏崎からお届けしています~』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2013年07月24日時点のものです。

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