今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
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■TPP10 日本人の議論と決意(中部大学教授 武田邦彦)
TPPの問題は、「国境というものの質をどうするのか?」ということ、「日本だけ儲けて他の国は損してよいのか?」という根源的なことを含んでいる。
ところで、日本はすでに1980年代から「どうやっていいかわからない」ということになっている。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://getnews.jp/img/archives/2013/11/210.jpg
この図は実に現在の日本をよく示している。日本は1956年から高度成長が始まり、テレビ、洗濯機、冷蔵庫の三種の神器がそろったのが1970年代の初頭だった。その後、徐々に車、クーラー、パソコンなどより高度な耐久消費財が普及するようになったけれど、必需品ではないので、日本の「物」の発展は1975年にほぼ止まったといってよいだろう。
それにちょうど呼応するように赤字国債が増えだした。つまり国が国民からお金を借りるようになったのだ。それは一時、バブル崩壊で速度が緩むもののその後も一気に増えて現在では1000兆円とも言われる。
簡単に言うと国民は1975年には買うものがなくなり、国債を買いだした。国は国債を発行してお金を手に入れ、それを自分たちの利権に使った。だから、返済できないお金が1000兆円もたまってきた。
そこで、今では「借金を踏み倒そう」という当初の計画を実施に移し、「子孫に付けを回すな」と言い、「国民の債権を借金」と言い、消費税を増税することになった。
最初から踏み倒す予定だから当然の成り行きだが、国民は余ったお金をどうしたらよいかわからないでいる。つまりTPPどころか日本人はどのような人生を送り、何を購入し、どこに遊びに行き、どれにお金を使うかがさっぱりわからない状態がすでに35年も続いている。
かといって、私が「環境など関係ない。もっとお金を使って幸福な人生を送るべきだ」というと厳しいバッシングが来る。いったい、何を日本人は望んでいるのだろうか?
執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年11月19日時点のものです。
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