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あの「安達太良山麓の奇跡のむら」の「堰上げ=イワナ獲り」の日からほぼ1カ月がすぎたころ、むらに6人のインドネシア人がやってきた。訪れたのは、インドネシア中部、スラウェシ島のマレナ集落、トンプ集落のリーダーをはじめ、弁護士やNGO職員、大学教授。招いたのは「自然資源管理(いりあい)と住民自治(よりあい)に関する共同調査・経験交流(まなびあい)」の活動を展開している研究者や国際協力活動家でつくる「いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク」(略称あいあいネット――私はもっぱら「酔い酔いネット」)。
日本の農山漁村の入会権が危機にさらされた明治政府の「官民有区分」とちょうど同じころ、インドネシアでは、オランダ植民地政府が「国有地宣言」を出し、西欧型の排他的所有権が証明されない土地はすべて国有ということにされた。つまりあらゆる国土は国有か私有のどちらかしかないということである。
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