埋め立ての許可を出すのは県知事で、すでに昨年12月に石破茂自民党幹事長や菅義偉官房長官に脅しあげられた仲井真広多知事が車椅子にしがみつくようにして許可を発表したことは記憶に新しい。しかし実際に工事を始めるには、上述のような具体的な件について地元市長の許可や協議を通じての同意などがいろいろ必要で、稲嶺進市長は一切の手続きに応ぜず、すべての市長権限を用いて着工を阻止すると、対決姿勢を鮮明にしている。
また県下の平和団体も、復帰42周年にあたる5月15日から18日にかけて大がかりな平和行進と普天間の即時閉鎖、県外・国外移転を求める県民大会を開いて、着工を実力によってでも阻止する構えを固めようとしている。
政府・自民党とすれば、12月に予定された県知事選で辺野古移転反対派の知事が誕生し、前知事の埋め立て許可は手続きに齟齬があるので取り下げるなどと言い出したら大変なので、それまでに出来るだけ既成事実を積み上げて後戻りできないようにしておこうという魂胆で、稲嶺市長の抵抗やデモ隊のピケなど蹴散らしてでも着工を急ごうとしている。こうして辺野古移転問題はこの6月にも最初の山場を迎えようとしている。
知事選の基地反対派候補として有力視されているのは、現那覇市長の翁長雄志氏である。元自民党県連幹事長でありながら、オスプレイ配備反対や辺野古移設反対の県民大会や建白書運動の共同代表をつとめ、戦いの先頭に立ってきた。彼が出馬を決断すれば、保守層の一部から社民党、共産党までが支援に回り、勝つ可能性が大きい。対する自民党は候補者がおらず、菅長官は仲井真に「三選出馬して辺野古推進に命を懸けろ」と迫っているという。仲井真が5月に例年通り「政治資金パーティ」を開けば、事実上の出馬宣言となろう。▲(日刊ゲンダイ4月16日付から転載)
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<高野孟(たかの・はじめ)プロフィール>
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊。2002年に早稲田大学客員教授に就任。05年にインターネットニュースサイト《ざ・こもんず》を開設。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
コメント
コメントを書く一番つらいことは、本土と沖縄で、米軍基地に対する考え方が大きく違うことである。一番うれしいことは、沖縄に日本人の粘り強い心が今なお見られることです。誰が見ても、現在の状況は、沖縄は基地の島と言える。人が正常な生活を営む環境にないことは明らかです。わかっていながら、日本の防衛前進基地として、沖縄の生活圏を認めていないともいえるのです。沖縄の人々が怒っているのは、米国ではなく、言葉には出さないが、本土の人に対してではないか。あれだけまとまれるのも、本土の無慈悲な手前勝手な行動があるからこそ、成り立っているような気がしています。
その通りです。辺野古に基地を決めた自民を復活させたのも本土の有権者。本土の有権者は自分たちに金さえ転がればだれでもよい。自民は鹿児島の選挙でも沖縄の県議選挙でも基地のことにだんまり決め込み、振興振興それだけわめきたてて票をとった。有権者も拝金者ばかり。孫子の代になって戦争に巻き込まれ、自民らが勝手に作った借金の返済奴隷になろうが
自分だけが良ければよいと考えるのが多い。自分んがパチンコで遊んでいてその借金の付けを孫子に押し付ける。
子供を足台にして遊び呆ける親だ。おぞましい。 呆けどめじじい。