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田原総一朗:リアリティがない朝日新聞や毎日新聞、それでも存在意義があるこれだけの理由
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田原総一朗:リアリティがない朝日新聞や毎日新聞、それでも存在意義があるこれだけの理由

2014-06-23 09:00
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集団的自衛権の行使容認に向けた議論が、繰り広げられている。政府は、集団的自衛権の行使を容認しなければ、実行できないと考えられる事例など15の具体的な事例を示し、国民の理解を得ようとしている。

さて、集団的自衛権に対するメディアの反応はどうだろうか。「読売新聞」「産経新聞」は賛成、一方、「朝日新聞」「毎日新聞」、そして「東京新聞」は反対だ。はっきりと分かれている。

僕は、「中立」報道というものは不可能だと思っている。だから、新聞各社が立場を鮮明にして、自由に意見を戦わせているいまの状況は、健全であると見ている。

そんななか、月刊誌『WiLL』が、目を引く論文を掲載した。「日本を悪魔化する朝日新聞」。書いたのは「産経新聞」の古森義久さんである。古森さんは、「朝日新聞」の報道は、「外部の要因はすべて無視、脅威や危険はみな自分たち日本側にあるとするのだ」という。すなわち「日本は悪魔だ」という理念のもとに、主張を展開していると指摘しているのだ。

たしかに「朝日新聞」の報道は、一貫している。たとえば、「集団的自衛権を行使できるようになる」ことを、「戦争をする」と報じる。「首相の靖国神社参拝」については、「軍国主義賛美」だから「反対だ」と論じている。

それでも各社が立場を鮮明にして、報道することは健全なことだ、というのが僕の考えだ。とはいえ、「朝日新聞」「毎日新聞」「東京新聞」のこうした報道姿勢が、日に日にリアリティを失っていることもまた事実である。

「集団的自衛権の行使は国際法で認められています。どうして日本だけが勝手に『禁止』だと自国を縛り、行使できる国に変えようとする政治家を悪者扱いするんでしょう。こんなに国民が国を信用していない国は、他にないんじゃないでしょうか」

戦争を知らない世代の僕の番組スタッフが、こう言っていた。彼の意見はよくわかる。そして、彼のような人が、いまの「朝日新聞」「毎日新聞」「東京新聞」にリアリティをまったく感じなくなっているのだろう。

だが、「けれど」と思うことがある。僕たち戦争を知っている世代は、国家が平気でウソをつくのを目の当たりにしてきた。戦争に負けた瞬間、コロっと態度を変える大人たちを見てきたのだ。そのような経験をしてきた僕たちにとって、「国を信用」するのは非常に難しいことだ。

ほとんどが戦争を知らない世代になってしまった。僕ら戦争を知っている世代は少数派になった。だからこそ僕たちは、意地でもその記憶を忘れてはならないし、声を大にして言い続けなければならない、と思っている。

いま、世界情勢は大きく変わり、アメリカは「世界の警察」であることを放棄しようとしている。だから日本は、集団的自衛権の行使を考えなければならなくなった。もちろん、そういう事情は理解している。だが、国としてのあり方が変わるという重大な決定において、やはり安倍首相は総選挙で、国民の意思を問うべきなのだ。

安倍首相が戦争をしたがっている、とは僕ももちろん思わない。けれども、「戦争ができる国」に日本がなる、ということは事実だ。将来、日本のリーダーになった人物が、戦争をしないとは、保証できない。

「朝日新聞」「毎日新聞」「東京新聞」にリアリティがなくなっていることは、僕も認める。そうであっても、「朝日新聞」には「存在意義」があることも認めるのだ。たとえリアリティはなくても、「国家が『悪魔』だと、とことん疑うメディア」が、ひとつくらいあってもらわなければならない。戦争を知っている世代として、いまの若い人に伝えたいと思う。


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〈田原総一朗(たはら・そういちろう )プロフィール〉
1934年、滋賀県生まれ。60年、岩波映画製作所入社、64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。現在、早稲田大学特命教授として大学院で講義をするほか、「大隈塾」塾頭も務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。また、『日本の戦争』(小学
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リアリティをどのようにとらえているかわからないが、日本の本土をを侵害する戦争があるかどうかの観点、米国の本土を侵略する戦争があるかどうかの観点、米国艦船を攻撃するなどの行為があるかどうかの観点で国家間の戦争を考えた時、リアリティがほとんどないといえる。何故、今急ぐかと言えば、米国の同盟国イギリスといえども全面的に米国に同意した行動がとれない、国民の意思に反した行動がとれない状況にあります。米国の手足がほしいのです。米国のための米国の戦争というより、国家内紛を起こして、米国圏を拡大する協力国がなくては、米国の勢力がどんどん減ってしまうのが目に見えています。明らかに米国の目的がわかっていながら、米国に追随する日本のあり方が、現実に即応した唯一の道と考えるのは、賢明ではないのではないか。読売、産経の方に問題があると考えるのが、素直な考え方ではないか。

No.1 126ヶ月前

「国家は悪魔だ」と言うのは、まさに私が感じているリアリティです。それは、「国家は平気でうそをつく」という田原氏のリアリティと同じなのでは?これを指して「リアリティが無い」というのは、「多くの読者が現状認識できていない」ということになるのでしょうか。田原氏はその原因を、戦争経験が無いから、と断ずる。それも多くを占めているでしょう。でもそれだけの要因では無いはずです。それは、私も含め多くの戦争未経験者が、この事態を危機と感じ恐れ行動し、その数は決して少なくないです。つまり、戦争を知らないからだけではないのです。戦争を知っていても、このリアリティを感じる事ができない人だっているのですから(都知事やってた人とか)。そんな人には、田原氏が大きい声で訴えても、それは届かないと思います。ではどうするか。テレビ屋の田原氏なら分かると思うが、いかにして伝えるかでしょう。声の大きさではなく質です。たとえば、田原氏ではなくAKB48のセンターの子が訴えれば、訴求力はそのほうが大きいです。田原氏のいうリアリティとは、そういうことです。ちょっとお恥ずかしいことですが、それが現実だと思います。

No.2 126ヶ月前
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