Vijuttoke23年2月号「アンティック-珈琲店-」ライブレポート

2023-02-28 18:00

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アンティック-珈琲店- HP

Vo.みく / Gt.takuya / Ba.カノン / key.ゆうき / Dr.輝喜

時を経ても色褪せないものがある。アンティック-珈琲店-の5人が、それを証明してくれた。

2019年に活動休止したアンティック-珈琲店-（通称アンカフェ）が、バンド結成20周年イヤーにあたる2023年1月5日＆6日に東京・Zepp Hanedaにて復活ライヴ『LIVE CAFE 20th Anniversary 「令和で初NYAPPY o(≧∀≦)o」』を開催。活動休止後、各自の夢や目標に向かって別々の道を歩み、2022年6月開催の『OSAKA MUSE 35周年イベント“OUR CANVAS”』出演をきっかけに再集結した彼らが見せてくれたのは、懐古や感傷に浸らせないほど現在進行形でかっこいいバンドの姿だった。異なるセットリストで魅せた2日間の模様をお伝えする。

まずは1日目。ステージを覆う紗幕にメンバーのシルエットが浮かび、みくの伸びやかな歌声が始まりを告げたのは「願い事は1つさ」だ。サビで紗幕が振り落とされると、そこには以前と少しも変わらない輝きを放つ5人の姿が！ようやく＜キミの場所へ＞戻ってきた今、＜不可能なんて＞ない。みくが「ずっと会いたかったよ！」と叫び、カフェっ仔（アンカフェファンの呼称）が笑顔でジャンプしたり、ステップを踏んだりした「ラフ・ソング」でも、再び＜巡り会えた奇跡＞に胸が躍る。

「みんなにまずはお礼を言わないと。この5人でステージに立てるのはみんなのおかげです。長い間みんなを置いてけぼりにしちゃったけど、生きててよかったです」

みくが万感の想いをこめた挨拶をして、ゆうきが元気に煽るダンスロック「Spring Snow」へ。「生涯大切な人に届けます」とみくがカフェっ仔に告げてからの「MY HEART LEAPS FOR "C"」では、takuyaとカノンが立ち位置を入れ替わったり。輝喜が頭を激しく振りながらも安定感あるドラミングで牽引した「可愛湯's ЯocК」では、みくがデスヴォイスで圧倒したり。「一発逆転恋愛ゲーム」ではみくとゆうきのシンクロした振付、takuya、カノン、ゆうきの回転で沸かせたり。曲ごとにガラっと異なる表情を見せるアンティック-珈琲店-のライヴは、やっぱり楽しい。骨太でいてきらきら華やか、無比のバンドだ。

メンバー全員参加のMCで思い出話に花を咲かせたあとの、「キャンデーホリック」「踊るメルヘン時計」「似非占い」とバンド初期のナンバーが連なったメドレーにも。「アンカフェの曲を辛くてあんまり聴くことができなかったときでも、勇気づけてくれた曲。みんなのモヤモヤが少しでも晴れたらいいな、と思って歌います」とみくが言い、ていねいな歌と奏でで紡いだ「じぶん説明書」にも。カフェっ仔たちへの愛と感謝が溢れている。

カノンが「みんなで一緒に踊ろうぜ！」と呼びかけ、楽器陣がモノマネしながら2023年の目標を立てた「エトセトラ」をはさみ、「Cherry咲く勇気!!」からキラーチューンをたたみかけた終盤。「スノーシーン」「AROMA」「生きるための3秒ルール」でメンバー同士向き合ったり、隣り合ったりしながらカフェっ仔と一体感を高め、「逃避回路」ではみくの巻き舌、カノンのデスヴォイスで盛り上がりは最高潮に。本編ラストは、ピンクテープが弾け、takuyaがドラマティックなギターソロを響かせた「スマイル一番イイ♀」。これぞバンド、これぞアンティック-珈琲店-。圧巻だった。

「この曲を歌わないと終われません。頑張ってる人に捧げます」とみくが前置きした「YOU」でスタートしたアンコール。みくとゆうきが息ぴったりに歌をかけ合った「NYAPPY in the world 4 ～般ニャ化教のテーマ～」では、この日誕生日を迎えたみくにメンバーからのメッセージ入りバースデーケーキがプレゼントされるというサプライズも。バンドの20周年とみくの誕生日を一緒に祝えるなんて、めでたいにもほどがある。

みんなで思いきりタオルを回し、拳を振り上げた「BondS ～絆～」。メンバー同士もアンカフェとカフェっ仔も、＜絆＞は決してほどけていなかったし、これからもほどけることはない。

輝喜「アンカフェのドラムは今後も僕に叩かせてください。活動していない間もいろんな人がつないでくれたアンカフェ、これからもよろしくお願いします！」
ゆうき「記憶よりもっと楽しいライヴだったし、みくさんの誕生日をみんなで祝えたのも嬉しかったです」
カノン「アンカフェのライヴだっただろ？どうだ、ブラボー！」
takuya「またステージに立ってこんな素晴らしい光景を見られるとは思っていなかったので……本当に幸せです」
みく「今日のことは忘れません。幸せな時間をありがとうございました」
万感の想いを言葉にして、最後は５人しっかりと手をつなぎ、隣の人と手をつないだカフェっ仔と一緒に大きくジャンプ。素晴らしい光景だった。

そして、2日目。カフェっ仔の大きなクラップに迎えられメンバーが順繰りステージに登場すると、「スマイル一番イイ♀」でライヴがスタート。「Cherry咲く勇気!!」にしても然り、前日の序盤に少しばかり感じられた緊張はすっかり解けたようで、5人ともライヴを、アンカフェを心から楽しんでいることが伝わってくる。

「今日は最初からとばしていきます！」とみくが告げて、「AROMA」ではtakuyaとカノンが前へ出たり向き合ったり、みくがジャンプやターンを華麗にきめたり。「モウソウモモウソロソロ」ではゆうきがタオルを手に煽ったり、みくが巻き舌やデスヴォイスで圧倒したり。「イタイ女～NO PAIN,NO LOVE? JAPAIN GIRLS in LOVE～」では、みくの「みんなおとなしくなっちゃった？イタイ姿見せていいんだよ！」という言葉でカフェっ仔がよりいっそうハジけたり。いつだってどっしりと屋台骨を支える輝喜が頼もしいし、エモーショナルにアグレッシヴに突き進んでいくアンカフェ、最強だ。

結成当初の秘話や暴露話⁉も飛び出したMCに続いたのは、2005年にリリースされた“原宿参部作”の「テケスタ光線」、「エスカピズム」、「メリメイキング」。何年経っても何十年経っても、アンカフェの楽曲は色鮮やかで刺激的じゃないか。

“結婚したい男性No.1に選ばれるためのアピールポイント”というお題で楽器陣が好感度を上げたり下げたり⁉した「エトセトラ」をはさみ、ゆうきがペンライトを手に前へ進み、みくと２人で歌った「アメージングブルー」。みくとゆうきの歌の掛け合い、シンクロした振付でも真冬の寒さを吹き飛ばした「夏恋★夏GAME」。カフェっ仔も歌声を重ねた「我侭行進曲」。みくのロングトーンが映えた「千年DIVE!!!!!」。まさに＜唯我独尊＞を感じさせた「JIBUN」。「5人のストーリーが始まった曲」である「覚醒ヒロイズム」。カフェっ仔にとって、5人は永遠に＜HERO＞だ。

「アンカフェで一番古参な曲」だという「ハツコイ」に始まり、「巡り逢えた奇跡」「BondS ～絆～」を届けたアンコール。5人を求める声は、止まなかった。

「本当に感無量です。僕がこうして歌えているのは、出会ってくれた人たちがみんないい人だったから。親愛なるみなさんに、最後に贈りたい曲があります」

みくの言葉が導いたダブルアンコール１曲目は、「MY HEART LEAPS FOR "C"」だ。＜ボクの全てをずっと捧げたい愛し続けるよ＞という誓いは、これからもずっと、カフェっ仔の胸に光を灯し続ける。

5人それぞれが挨拶したのち、2023年8月に大阪と東京で『＜LIVE CAFE 20th Anniversary NYAPPY SUMMER NIGHT o(≧∀≦)o 「アンカフェ、二十歳の夏～思い出せよ無邪気な頃～」＞』と題したライヴを開催することをみくが発表。次の予定があるって、すごく嬉しい。

さらに、みくが「なんか終わりたくないね」と言い出して、急きょもう１曲披露することに。「最後にみんなの笑顔を見たい」と輝喜が選んだナンバーは、「スマイル一番イイ♀」だ。カフェっ仔にとってアンカフェこそが＜太陽＞だ、とあらためて思った。

記念すべき20周年、晴れやかにそのスタートを切ったアンティック-珈琲店-。「ニャッピー」を合言葉に、2023年を特別な１年にしてくれそうだ。

▼メンバーコメント

みく「長年お世話になっている未散さんはじめ、たくさんの方の支えで実現した今回のライヴ。準備の時間も含めてすごく楽しかったし、夢心地の2日間でした。笑顔で受け容れてくれたカフェっ仔のみんなに、心からありがとうを伝えたいです」

takuya「メンバー、スタッフ、カフェっ仔、みんなに本当に感謝しているし、だからこそ全力で楽しもう！と思って臨んだ2日間。この時間がずっと続けばいいのに、と思っていたら、夏のライヴが決まって。またみんなと一緒に過ごせる時間、大切にします」

ゆうき「それぞれの道に進んだ5人がまた集まれたこと、そういう機会をスタッフさんやカフェっ仔のみんなに作ってもらえたこと、本当に幸せだし感謝しています」

カノン「復活ライヴ開催発表から半年、あっという間だったし、８月のライヴもきっとあっという間なんだろうな。そのときまでみなさん、どうかお元気で」

輝喜「ライヴってこんなに楽しかったっけ、って思った２日間だったし、ドラム台から見るメンバーは現役当時よりずっとキラキラしてました。カフェっ仔やスタッフさん、こんな素敵な機会をくれたたくさんの方たちの支えに、感謝しています。夏のライヴでは、一緒に童心に帰りましょう！」

取材杉江優花
LIVE PHOTO 折田琢矢
COVER PHOTO 宮脇進

＊LIVE写真はVijuttoke紙面にてお楽しみに下さい。

LIVE CAFE 20th Anniversary
「令和で初NYAPPY o(≧∀≦)o」
2023年1月6日(金) Zepp Haneda(TOKYO)

スマイル一番イイ♀
Cherry咲く勇気!!
AROMA
モウソウモモウソロソロ
イタイ女~NO PAIN,NO LOVE? JAPAIN GIRLS in LOVE~
テケスタ光線
エスカピズム
メリメイキング
エトセトラ
アメージングブルー
夏恋★夏GAME
我侭行進曲
千年DIVE!!!!!
JIBUN
覚醒ヒロイズム