制作期間2年。壮大な自叙伝集ここに完成!
■早速ですが、今回のNew Album『Picaresque(ピカレスク)』ですが、制作期間は丸2年の壮大な自叙伝集が完成したとお聞きしております。この2年間の制作、生バンドにも拘ったとも聞いておりますが、特に拘った所はどこだったのでしょうか?
まず今回の制作、完成時期を決めずにスタートできたというのが、これまでとの大きな違いでした。2022年春にひとつ前の魔界篇が終わって、すぐに次の作品の構想というのは考えていたのだけれど、当時から「短編小説集のように描いていきたい」と言ったように、いきなりアルバムの全体像に切り込まずに、一曲一曲に時間をかけて作っていきました。生のバンドサウンドヘの拘りというのも、僕たちのシンボルとして特に大切にしてきたひとつなんですが、今回は各曲のバンドアレンジにもこれまでとは比べ物にならないくらいの時間を掛けることが出来ました。
■アルバムのタイトルにもなっております『Picaresque』ですが、「悪漢小説」といった意味があったりします。このタイトルにしたのは何故でしょうか?
今作は、僕自身のリアルでろくでもない半生が題材のノンフィクションだからです。前作の題材が「魔界の王子の悲劇の物語」、いわば身分のある主人公の愛と苦しみの物語を自分が主人公になったつもりで描いたのですが、今回はその反対。死んだ魔界の王子の魂が僕に転生して、リアルでろくでもない半生を生きたらどんな化学反応が起こるんだろうという視点で描いています。だから、悪漢小説というのは少し極端な表現かもしれないけれど、僕の陰鬱な人生のリアルをいかにドラマチックに描いているか、感じてもらえたなと思います。
■それでは収録曲についても聞いて行きたいと思います。1曲目の「懺悔」ですがインストのSEとなっております。このアルバムのはじまりとしてこのSEで表現したかった事は?
またこの世界観が始まりますという導入として、そして、我が懺悔が始まりますという導入として、浸っていただきたいと思います。
■2曲目は先行配信Singleにもなった「persona-紅蓮の戦士たち-」ですが、7分を超す大作となっております。とにかく1曲目のSEの切り替わりで、この曲がはじまったイントロが率直にカッコいいですね!この曲について教えて下さい。
ありがとうございます。まさに僕たちの王道でカッコいいものを!がこの曲のコンセプトです。イントロやギターソロもめちゃめちゃ長いですが、こういうサウンドが好きな人には絶対刺さると思うので、初っ端から堪能していただきたいです。YouTubeで公開されているMVも、とにかくカッコいいに拘ってこの曲は制作しています。
■3曲目の「circle1-閃光となって-」と、4曲目の「gift-君に贈るノンフィクション-」は、ポップな表現も散りばめられた、新しい薔薇の宮殿のメタルの世界って感じの2曲でした。この2曲についても解説をお願いします。
一般的にはこの2曲が一番売れ線かもしれませんね。うちらしくはない(笑)
インスパイア元も少し変わっていて、「circle1-閃光となって-」は「湾岸ミッドナイト」という漫画が大好きで、僕自身も首都高をグルグル回っていたものですからその体験から、「gift-君に贈るノンフィクション-」はやはり僕の好きなファンタジーの世界から描いています。また、ノンフィクションという言葉は、アルバム全体にも通じるキーワードですから、実はこのアルバムらしい一曲になっているかと思います。
ライブではこれまでになかった景色になりそうで、実際に演奏するのも楽しみです。
■5曲目の「embrace-散りゆく季節に-」も先行配信Singleの曲です。とにかくこの曲は壮大感と言う言葉がまず第一に出て来ますね。
壮大というのは、ドローンを飛ばして空撮したこの曲のMVのイメージもあるかと思います。この曲は僕の得意ジャンルで、切なさや哀愁にフォーカスした歌謡曲的メロディをバンドでやったらどうだろうという試みです。アレンジは困難を極め、この壮大さと切なさの両立はなかなかできないと思いますよ。
さて、メタル目当てのリスナーの方がそろそろ離れてしまいそうなので、次に行きましょうか。
■6曲目の「void-はじまりの空-」も先行配信Singleの曲です。とにかくサビのグッドメロディが耳にまず残りました。
そして、このサビメロは究極のだまし打ちですね。このサビメロとサビの歌い出しが、明るく前向きな歌にミスリードすると思うのですが、僕がそんな世界を描けるはずはなく…。
生サウンドにこだわったバンドサウンドも存分に堪能していただける曲なので、いろんな角度から聴き込んでもらいたい一曲です。
■7曲目の「Rosalia-魂の転生-」は攻めた曲ですね!また他の曲とは違った「薔薇の宮殿」の世界を感じる事が出来ました!フィナーレを飾るこの曲も7分を超す大作となっております。ラストにこの曲を持って来た意図などもあるのでしょうか?
まさにこの曲は、僕の描きたかった全て、今作のフィナーレになるべくして生まれた曲です。それでも、自分の名前をタイトルに入れるというのには、迷いはありました。もちろん、自らの半生そのものを描いているからという意味もあるのですが、同時にこれ以上の曲は出せないと認めてしまうみたいで…。けれど、やっぱり素直に今は、これ以上の曲は出せないんだと思います。むしろ、それだけの曲をこうして世に出せることが最大の歓びです。歌詞・メロディ・歌声・バンドサウンド、100回は聴いていただき、今回のアルバムに込めた真意を余すところなく受け取ってもらいたいです!
■ラスト8曲目の「解放」もまたSEとなっております。このアルバムの起承転結を感じる壮大なSEで最後を飾った訳ですが、このラストでも表現したかった事を聞いてみたいです。
「生きること=永遠の苦しみ」という呪縛から解放される瞬間を、このアルバムを聴くたびに擬似体験してほしいと感じています。
■そして、5月5日の「柏Thumb UP」を皮切りに、8月8日のファイナル主催「高田馬場Club Phase」まで、「Picaresque Tour 2024」が幕を開けます。今回のツアーで表現したい事含め、意気込みをお願いします!
5年ぶりのツアーは、正直不安でいっぱいです。でも少しだけ、自信の方が勝っているかな。5年前は勢いでツアーに出てしまったところもあったけれど、今回はリリースから含めて長い時間を掛けて作り上げてきたことの集大成がこのツアーになります。ツアー中も1本のライブには違いないのだけれど、その場所その時間を共有できるのは一生に何度もないことだと思うから、この全力勝負、見届けてもらいたいです。そして今回は、6月8日名古屋MUSIC FARM様にも行かせていただきます!待っていてください。
■2020年にリリースしました初のFull Album「魔王伝」から今回のNew Album『Picaresque』、そこから成長した所はズバリどこだったでしょうか?
「魔王伝」自体は完成度が高く、これを超えなければという使命感は制作当初から大きかったです。最終的に、楽曲の幅広さ、アレンジの拘り、ずっと一緒にやってきたメンバーとの一体感、トリッキーな作詞、これら全てにおいて前作を凌駕できたのではないかと思っています。我が人生で残せた、最高傑作の一枚になると断言できます。
■それでは最後にVijuttoke読者に一言お願いします。
いつも言うことなのだけど、最後まで読んでくれた方、どれくらいいるかな?読んでもらえていたら、すごく嬉しいです!ありがとう。
New Album「Picaresque」は、かなり中毒性の高い沼に仕上がっていると思います。この沼の中で一緒に拗らせましょうか!?
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4月22日(月)18:00 70.(XANVALA)
4月23日(火)18:00 DEXCORE
4月25日(木)18:00 薔薇の宮殿 / UNDER FALL JUSTICE / Magical BAD trip
4月26日(金)18:00 HERO
Artist INFORMATION
Picaresque Tour 2024 schedule
・5月05日(日) 柏Thumb UP(千葉)
・6月08日(土) 名古屋MUSIC FARM(愛知)
・7月13日(土) 小田原姿麗人(神奈川)
・7月24日(水) LIVE HOUSE Rumio(大阪)
・8月08日(木) 高田馬場CLUB PHASE(東京)
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