不思議な出来事

ふしぎなできごと

昨日、不思議な事が二つあった。
朝、出勤途上、都営地下鉄小川町の駅の階段を下りながら、頭の後ろに何か触る。
なんだろう、と思って手を持っていくと何かが、バサッと飛んで行った。
セミだ。驚いた。
セミはプラットフォームの蛍光灯に飛んでゆき、つかまれずにバタバタしている。
なんでだろう、地下鉄の駅で僕の頭にセミが留まっていたなんて。
僕の家の周りにはもちろんセミはたくさんいる。むしろうるさいぐらいだ。
家から淡路町=小川町に来るまでには、バスに乗り、地下鉄丸ノ内線にも35分はのっている。
とても家からここまでセミがじーっと僕の頭に止まっていたわけはないだろう。
でも地下鉄の駅にセミが巣くっているなんて、それももっと無いだろうと思う。
不思議な気分で僕はプラットフォームに立ちすくんでいた。
そこに電車がやって来て、そのまま会社に向かい、セミのことは頭から離れて行った。

ワークショップとマグダラが終わり帰宅したのは深夜になっていた。
家に入り、洋服を着替えていたら、3階からワイフの騒ぐ声が聴こえた。
どうせしょうもない文句を言われるのだろうと思ってしぶしぶ上がっていくと、
蝙蝠、コウモリとワイフが必死な顔で叫んでいる。
見上げると、壁の高い所に10CMぐらいの黒い塊、よく見るとコウモリが留まっている。
大変だ、なんで家の中にコウモリがいるんだろう。
自慢ではないが、人生の今まで動物園以外でコウモリを観たことはないし、
コウモリを飼育しようなんて考えたことは、もちろんない。
いくら家の周り東京では有数の大きな緑地公園があるとはいえ、
このあたりにコウモリが出没するなんてことも聴いたことがなかった。
それでもコウモリさんに家の中を飛び回られると落ち着いてお茶も飲めないことになるので、対策に乗り出した。
と言っても、新聞紙をまとめるときに使うおおきな袋を引っ張り出し、
おっかなびっくりコウモリにかぶせた。
コウモリさん、おとなしく袋に収まってくれたので、そのまま、そーっと公園の森の中に持っていき、
胸元ぐらいの木々の上に袋を開けると、ぼそっと転げ落ちるように出て行った。
どうするのかなと思って少し見守っていたけど、夜の暗闇の中どこかにまぎれて消えた。
たぶん本来の自分の棲みかに帰って行ったのだろう。

でも不思議だ、僅か一日の中で、2回も生き物が訪ねて来てくれるなんて。

昨日は、8月16日、お盆の送り火の日だった。
そうだ、今年は迎え火も送り火も実家に帰れなかったんだ、と、ふと気になった。