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小飼弾の論弾 #49「対談・会計士 山田真哉さん @kaikeishi1 僕たちの最強「投資戦略」は何ですか?」(その3)
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小飼弾の論弾 #49「対談・会計士 山田真哉さん @kaikeishi1 僕たちの最強「投資戦略」は何ですか?」(その3)

2017-07-21 07:00

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    今回は、6月19日(月)に配信した、『さおだけ屋はなぜ潰れない?』の公認会計士、山田真哉さんとの対談テキスト(全3回)をお届けします。

    次回のニコ生配信は、7月24日(月)20:00の「小飼弾のニコ論壇時評」。今時のニュースを小飼弾がズバズバ斬っていきます(21:00頃からは、通常の「小飼弾の論弾」になります)。

    お楽しみに!

    2017/06/19配信のハイライト(その3)

    • FX取引で、5,000万円が消えた!
    • 石油王が石油を作ったわけじゃない
    • これは「俺のものだ!」という大幻想
    • 持つ者と持たざる者の残酷な差
    • 相続税は経済成長に必要不可欠
    • ブラック企業に務めるぐらいなら自分に投資しろ
    • 投資すべきはお金ではなくて時間
    • もがいているうちに自分に向いたものが見つかる

    FX取引で、5,000万円が消えた!

    その2から続く)

    山路:株取引の話が出たところで、山田先生はFX取引の話もちょくちょくされてますよね。かなりの額とかが吹っ飛んだみたいな。5000万円でしたっけ。

    山田:そうですね、僕の場合はFXで……。

    小飼:え、自動精算で?

    山田:要は自動ロスカットですね。

    小飼:あーありゃあ、あちゃあ。

    山田:あちゃあです。いやもうね、言っても2008年とかなんで。

    小飼:あーでも2008年ならみんな負けたかもしれない。リーマン・ショックで。

    山田:そう大体みなさん負けてます。サブプライム、リーマンショックがバーンバーンって続いた時に。

    小飼:僕はFXはしてなかったですけれども、見た目上の資産は大きく目減りしましたよ。その後、勝手に戻りましたが。

    山田:株のほうはいいんですが、FXは自動でロスカットされるからそこで終焉を迎えました。

    小飼:でも上手に使えばFXは、いいもののはずなんですよね。こういうのもなんですけども、普通の外貨預金もレバレッジ1倍のFXとみなせるわけですから。

    山路:言ってみたらFXのロスカットは安全装置なんですね。

    山田:もしロスカットっていう仕組みがなければ、もっと凄い、何十億円という借金を負うことになったわけですから。

    小飼:自動ロスカットなしでは、FXのサービスは提供できないことになっています。

    山路:信用取引であまりにも損が大きくなりすぎるからってことですか?

    小飼:そう、いっぺんにシステムリスクが顕在する。自動ロスカットがあるからこそああいうレバレッジも設定できるわけです。

    山田:僕がやっていた当時は、レバレッジ100倍でした。5000万円の100倍ですから50億ですよ。1日で利息が何万円か入ってくるっていう夢のような生活をしていたわけですけども。今後はたぶん、仮想通貨でレバレッジをかけて運用する人たちがもっともっと増えてくるでしょう。

    小飼:「全員負ける」こともありえます。リーマン・ショックからまだ10年経ってないんですよ。

    山路:みんながAIを使ってFXなどの取引を行うようになると、値動きはもっと激しくなるんでしょうか?

    小飼:本来は、投資のためにお金を貸す仕組みがあれば、それによって流動性が確保されて変動が抑えられると言われていたんですよ。しかし、見かけ上のお金を貸し借りするという仕組みが、変動を高めてるんじゃないかという。

    山田:うん、動きがおかしいとコメントにありますけど、なんか速すぎる。やっぱりリスクに対して過敏に動く傾向があります。

    山路:この前もIT株が暴落してましたけど、暴落の理由ってのがよくわからなかったですよね。

    山田:値が動くと売ろうというプログラムがあると、それで株価がどんどん下がっていくという。

    小飼:売れば買う、買えば売るっていうネガティブフィードバックばかりだったら、確かにリスクはヘッジされる方向に行くんですけども。最近のHFTは売ったらもっと売れ、買ったらもっと買えっていうポジティブフィードバックもかなり入ってるので。

    山路:場に乗るというか。

    山田:まあそれが短期的には一番儲かりやすいといえば、儲かりやすい気がするんだけれども。

    小飼:最悪ロスカットがあるし、と。

    山路:じゃあ、逆張りをして儲けられるアルゴリズムが出てくれば……。

    小飼:当然あります。ボジティブフィードバックばっかりだったら、市場はちゃんと動いてないです。

    山路:今は自動取引のアルゴリズムの多様性が少ないから、変動が激しいんですかね?

    小飼:ただ、トレーダーにとって重要なのは、値動きがあることそのものなんですよ。値動きがないとホントに塩漬けになっちゃうので。

    山田:長期投資は、やっぱり結果が出るのに時間がかかります。たぶん、アルゴリズム取引とかHFTとかやってる担当者は、早く結果出せって言われてると思うんですよね。これだけ金をかけてプログラム作ってるんだったら早く結果出せと。5年10年後に儲かりますというのは、担当者としてはなかなか言えない。

    山路:素朴な疑問なんですけど、短期投資と長期投資は最終的な成果としてどちらが有利と言えるものなんですか?

    小飼:市場に終わりはないわけ。人には寿命があるけれども、市場には寿命がないことになっているじゃん。

    山田:なぜなら、人類は生まれ続けるから。

    小飼:基本的にはオープンワールドなわけですよ。

    山田:でも仮に、人類が2%成長するという前提が続くとしたら、たぶん長期投資のほうが2%の分だけ有利になります。

    小飼:ただなんで長期投資できるかといえば、裏で短期の売買をしてくれてる人がいるからですよ。

    山田:流動性ね。

    小飼:そう、自分の資産を売りたいときに売れ、買いたい時に買えるようにするためには、常にマーケットの顧客を確保し続けなければいけないわけです。一定数のお客さんがいないと定期便を設定できないというのに似てますね。

    石油王が石油を作ったわけじゃない

    山路:この番組の視聴者にも、投資に興味を持っている方は多いと思います。投資や貯蓄に関して、山田さんの方針はどういうものでしょうか?

    山田:貯蓄と投資はベクトルが違うので、貯蓄も投資も両方しないと立ち行かないと思います。まあでも、15年会計士をやってきた結論は、やっぱり「稼がないとな」ということです。稼がないと、そもそも投資もできないし貯金もできないよねっていう。

    小飼:でも裏庭に石油が湧いてる人とかはどうなんですか?

    山田:そういう人もいますよね(笑)。

    小飼:その人は自分で石油を作ったんですか。

    山田:たまたまですよね。

    小飼:今でも思うのですが、あのサダム・フセインが「お前らは、アラーの教えに背いて砂漠の富を独占してる!」と主張して、湾岸戦争を戦ってたら一体どうなってたんだろう?

     
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