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小飼弾の論弾 #138 「環境問題を解決する、たったひとつの冴えたやりかた」
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小飼弾の論弾 #138 「環境問題を解決する、たったひとつの冴えたやりかた」

2019-11-09 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2019年10月8日(火)配信その1をお届けします。

     次回は、2019年11月12日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2019/10/08配信のハイライト(その1)

    • 増税でわかった日本人の消費離れ
    • 「人がダメだったので原発はオワコン」でも「エネルギー不足は心配してない」
    • 系外惑星のノーベル物理学賞受賞とノーベル賞しょっぱい話
    • 環境問題にまつわる「何もしないのが一番」と「死ぬのが一番」とは
    • Microsoftの新製品とコンピューターのI/Oについて

    増税でわかった日本人の消費離れ

    山路:今日はタイトルで謳ったように映画『ジョーカー』の話であるとか、MicrosoftのSurface攻めますねえという話であるとか、まああとは……。

    小飼:ついさっきノーベル物理学賞が発表されて。これが系外惑星。

    山路:へえ。あれって確か最初の系外惑星って、96年位でしたっけ? ケプラー望遠鏡で。

    小飼:en.wikipediaによると、92年みたいだけど、正式に確認されたというのは。今はもうゾロゾロ見つかってますよ。

    山路:凄い勢いで毎年100とか1000とかのオーダーでどんどん上がっていくみたいな感じですけど、前なんかでもコメントでも、暗いニュースが多いよねみたいなことを言われたから、ちょっとノーベル物理学賞みたいな楽しいニュースが入るのは嬉しいですね。

    小飼:とてもいいニュースだと思いますよ。人類滅亡しても、宇宙から知的生命体がなくなったとは限らないという。

    山路:それはこれから暗いニュースをやる気満々ですよね、明らかに(笑)。

    小飼:え? 暗くないじゃん。

    山路:いやいや、でもノーベル賞以外のニュースでけっこう暗いニュースが多いということでもありますよね。

    小飼:ノーベル賞のニュース以外に明るいの、あるかな?

    山路:取り上げる映画も『ジョーカー』だからな、よりによって。

    小飼:よりによってね。

    山路:でも『ジョーカー』は暗いですけど、それ以外に『HELLO WORLD(ハローワールド)』これなんかはけっこう明るい。
     どっちもよかったですよ。映画関係はネタバレがちょっと入ってくるんで、限定のほうでやる予定なんですけれども、ちょっと最初はやな、やなというかまあロクでもないニュースのほうから。

    「ハローワーク」(コメント)

    小飼:いいコメントだな。

    山路:まずは消費税ですよね。10月1日から消費税増税したという。なんか……。

    小飼:どうなるってさ、これ良くなりようがないよね。要はどれくらい悪くなるか、あるいはどれくらい悪くならずにすむかでしょう。

    山路:今回かなりまあポイント還元やらなんやらおためごかしと言われつつも色んな施策は取られてて。

    小飼:でももう流石に何と言えばいいのかな、対応しなきゃいけない方っていうのも、疲れちゃってるっていうのあるよね。

    山路:対応っていうのは、小売店だったりとか。

    小飼:そうそう。だから、今までまがりなりにも間に合わなかったというのはないし、わりと盛大な駆け込み需要というのが、今回はあんまり、全くないわけではないですよ。何か買わなきゃいけないという時に、ついでみたいな駆け込み需要というのは、あちこちで散見されるんですけども。あるって、増税あるってわかっているにも関わらず、予めこれを買っておこう、あれを買っておこうというのは、ないでしょう。

    山路:あえてポジティブにいうならば、PayPayとかそういうペイ、色んなペイが出てきて、還元とかがバンバンやりましたから。

    小飼:ああ、これはですね、YAPCのTシャツなんですよ。YAPCのサイトに飛びます。どうぞスキャナで見て下さい。僕のビットコインアドレスとかいうわけでは。

    山路:これは最新、今年のやつなんだ。

    小飼:これはそうですね、今年。

    山路:あー本当だ。

    小飼:失礼。

    山路:いやいや、そういうポイント還元が多いから、つまり消費税増税してからでも、ポイント還元のやつを狙って、極端な事前の駆け込みに走らなかったのかもしれないじゃないですか。希望的。

    小飼:でも本来であれば自動車ですとか、高額なものっていうのに特に駆け込み需要来たんですよ。ぜんぜんないじゃん。

    山路:まあそうですね。それはなんかぜんぜん聞かないですよね。

    小飼:不動産はちょっと別物なところがあるんだよね。まず土地にはかからない。

    山路:うんうん、うわもの。

    小飼:ちなみにですね、家賃は消費税かかりませんからね。

    山路:消費税上がって。

    小飼:そうそう、便乗して家賃上げるとかいうのは、それはガセなので、皆さんいちおう注意を喚起しておきます。

    山路:うんうん、「そもそもそんな金がないけん」(コメント)だけどこの前ユニクロに行ったら、PayPayの20%還元の日で、凄い賑わってましたね。

    小飼:ああそう。

    山路:本当に皆ものすごい勢いで買って、私もちょっと、もうちょっと先に買おうと思ってた衣類とかをまとめて買って、なんか1万円分くらい買うと、それで千円2千円のポイントが還元されるのが、けっこうそれなりにインパクトがあったりする話なんで、こういう施策とかやるとクリスマス商戦過ぎくらいまではなんとなく皆、誤魔化されちゃうんじゃないかなとも思ったりしたんですけどね。そんなにもたない?

    小飼:いやそんなにもたないじゃなくって、もう何と言えばいいのかな、買うのやめっちゃってるの。

    山路:ああ、消費者がものを買うことに。

    小飼:本当に日本人の消費離れという。

    山路:まあ何というか。

    小飼:しかもね、政府の、政府のですよ、景気動向でも悪化になりましたからね、この度。

    山路:なんかいろいろ言葉を誤魔化して言ってきた政府の景気のやつが悪化というのは、本当は凄え悪いんじゃねえかっていう気がしてきますけどもね。

    小飼:それに千葉が台風でズタズタなところへ持って来て、またでかいの来てるよね。なんかコースがクリソツな上に、威力もっとでかいんだよ。

    山路:なんかそれでまた週末みんな家にいて、結局消費がまた減るみたいな、あるいは被害が出たりして、大変なことになるんですよね。

    小飼:だから本当にどこまで酷くなるかだよね、これは。

    山路:これ「じゃあ消費税でなかったら財源どうすりゃいいんだ」みたいなコメントが出てますけども。

    小飼:いやまぁ一番簡単なのは、所得税、法人税の減税をやめる。じつはこれ裏でそういうのがあるわけですよ。見てご覧の通り、消費税で浮いた分というのは、全部法人所得税と個人所得税の減税に回しているんですよ。

    山路:じゃあ結局、社会保障……。

    小飼:だからすみません、僕みたいなのにはとても有り難い時代だったんですよね。

    山路:羨ましい(笑)

    小飼:はい。

    山路:あと「国債発行もある」ってコメントで「財政出動してよ」って。うーん、財政出動してよ。

    小飼:一番効果がありそうなのは、要は税金と名前がついてないけれども、実際は、実際に国に召し上げられるものとしては。

    山路:年金、保険とか。

    小飼:そう、保険と年金があるでしょう。あれってじつは天井ありなの。だから、年収2千万の人も年収1億円の人も変わんないのよ、払う金額がね。

    山路:それをもっと取れって? 金持ちから。

    小飼:もっと取れというよりも、税金と1本化しちゃう。税金と1本化しちゃうと、少なくともフラットレートでも、少なくとも収入にプロポーショナルになるでしょう。

    山路:これってなんか野党とかでそういう主張ってもっとしたらいいのに、聞かないですよね、ぜんぜん。野党側のそういう税の一本化。

    小飼:そうなんだよね。

    山路:なぜなのかなと思って、野党はそれを言わない理由は何なんだろうと思うんですけどもね。

    小飼:いや、だからわかっている奴がいないのかなという。消費増税に関しては、旧民主党も1枚咬んでますからね。

    山路:そこのところから、やつから抜け出せないわけだ、なかなか。

    小飼:だから民主党が決めたわけじゃないです。そこはあれです。でも三党合意の時に、民主党も乗っちゃってたわけですから。

    山路:ああ責任は免れないというか。

    小飼:うんうん。

    山路:ああ「旧民主の人たち、政権取る気なさそう」(コメント)それは何となく感じますよね。そうか、じゃあ、ちょっとじゃあ。

    小飼:いや、だから本当政権を取る気があったら、まず野田を潰すでしょう。ツ・ブ・ス、でしょう。

    山路:潰す、また激しい言葉出ましたね。

    小飼:うんうん。

    山路:「三党合意する程度には無知」(コメント)「令和新選組に頑張って欲しい」(コメント)なんか令和、次はどう出るんですかね。野党とかの人間とかも引き抜いて、どんどん取り込もうとしてんじゃないかみたいな観測記事も出てましたけど。

    小飼:あるいは面白、でも令和で一番感心したのは、凄い面白い候補を引っ張ってくるなと。
     どっちかというと面白い候補引っ張ってくるにしても、NHKから国民を守る党よりも、はどっちかというともう明らかにダメダメになった議員というのをリサイクルしてますよね。

    山路:しかしN国も某(笑)ホリエモンさんなんかも、候補にみたいなことを言ってたりもしますけど、どうなんだろうな。

    小飼:要は比例代表で名義だけ貸して。

    山路:令和と同じやり方っていう、ある意味、令和に習ったようなやり方っていう。

    小飼:いや、それは違う。それは違う。同じ、本人は当選しなくてもいいからっていうのとは違って、ちゃんと候補者に個人名を載せて、だから当選した人が議員にならないという。だから堀江さんのやつというのは。

    山路:ああ、違うわけだ、スキームが。

    小飼:うん、だから令和の山本の場合というのは、ちゃんと名簿で後ろにした、自分を後ろにしたので、それはぜんぜん違うんですよ。

    「人がダメだったので原発はオワコン」でも「エネルギー不足は心配してない」

    山路:なるほどね、しかしそこんところ実際はどうなるのかっていうのはまだ、ぜんぜん確固としたニュースがその後出てないんで何とも、憶測では言えないんですけれどもね。じゃあ、ちょっとじゃあその金の話が出たついでに、あのタイトルにもなっている関電の話、先にやっちゃいましょうかね。
     なんか嫌な話チャッチャと片付けていきますかみたいな、凄いこのアナクロニズムな、これって。

    小飼:これってもう本当にステレオティピカルな贈収賄だよね。

    山路:これってもう、そういう事件として見ればいい話なんですかっていう。

    小飼:だからもう淡々と、検察が贈収賄事件として取り上げるか、それをしてくれないというのであれば、株主が株主代表訴訟をするか。

    山路:これ、株主とかも、株を持ち上がったりしたりすることが、そういう株主訴訟とかを行いにくいとかに繋がってたりするんですか。

    小飼:いや持ち上がるんじゃなくて、これ電力会社だから、電力会社の株って誰が一番持っているかっていったら、その地域の自治体だから。だから、この場合は具体的に大阪府であったり、市か、大阪市か。

    山路:そこが動かないのが問題なのかもしれないですよね、結局。

    小飼:でも動くと言ってるね、流石に。

    山路:ああそうですか、それはなんかポジティブなニュースですよね。

    小飼:でも、どの程度ちゃんと動くかだよ。

    山路:あとこれ不思議に思ったのが、金品を受け取って、それを返そうとしても、返させてくれなかったからみたいなことを言ってるじゃないですか。

    小飼:いや、だからそんなヘタレなやつが、なんであれなわけ?

    山路:社長とか出来るんだって。

    小飼:そうじゃなくて、居座ってるの?

    山路:ああ、はい。これって何で続けられるのかな? っていろいろ罪に問われることでもあるわけですよね。下手すると特別背任罪云々かんぬんとか。

    小飼:もう明らかな刑法犯だよね。監査役は何をしているのかっていう。

    山路:そうなんですよ、それにあと弁護士とかも、顧問弁護士とかもいる筈じゃないですか。こういう時にそのままにしておいたら、受け取ったらいいじゃないですかって言うのかっていう。

    小飼:いや、でも顧問弁護士がいる意味ってあれですよ。

    山路:誰なんですか? 顧問弁護士とかの。

    小飼:あのフロッピー偽造事件があったじゃないですか。

    山路:はいはい、あの村……女性の方がそういうふうに冤罪で捕まってみたいな話が。

    小飼:そうそう。その時のトップだったというね。

    山路:検事の。

    小飼:うん、検事正。

    山路:それがこの関電に関わっている。本当に凄いな。

    小飼:だからたぶん純技術的には、原子力発電所というのはちゃんと安全に運転できる筈なんですけれども、資格ないよ。
     だから、本当に日本人には100年早いっていうふうに言われちゃって、返す言葉がないですね。

    山路:なんかこれで完全に原発っていうのが、もうそのイメージとして、普通の人の持っているイメージとして。

    小飼:逆になんとしても原発を続けたいというふうに言ったら、粛清しないとダメだよね。
     でも原発に関しても、もう現政権やる気ないのかもしれないね。

    山路:そうなんですか?

    小飼:だって結局、輸出は全滅でしょう。

    山路:ああ、はいはい。

    小飼:1件も取れなかったわけじゃん。

    山路:なんかG2Gの取引でも。

    小飼:そう、受注したはずのところももう手を引いちゃって、全滅じゃん

    山路:へえ、じゃあもう暫くは化石、石炭石油のあとはLNGか、のほうなんかがまあ短期的には増えるみたいな。

    小飼:うん、原発はなぜオワコンになったかって言ったら、もう人がダメだったからだという結論になっちゃうので。

    山路:なんか勿体ないですよね。たとえばちょっと前なんかに、ビル・ゲイツとかも安全な原発とか作ろうとしてたじゃないですか。何でしたっけ、なんちゃらキャンドル方式みたいなそんなような名前つけてた。

    小飼:燃料をツッコミっぱなしにしておいて、動かしっぱなしにしておいて、要は炉の寿命までいじらない。

    山路:あれなんかは結局、その米中の関係が悪化して今事業、頓挫してるらしいですけどね。

    小飼:核融合、いつ出来るんだろうね。とりあえず今フランスで作っているITERが計画通りだと2026年に最初に点火だから、その後にさらにずっと時間がかかるはずで。そもそももう核融合炉って火がつくところまでは来てるんですよね。火がつくというのか、はい。要は核融合を起こすところまでは来ているんですけれども、でもそれだけではダメで、ちゃんと発電しないと、エネルギーを取り出せないとダメなわけですよね。その部分というのが、まるっと空いているわけですよ。

    山路:しかしこれ、弾さんも前言ってたけど、世界の人口って21世紀の半ば過ぎたらやっぱり減少に向かうんじゃないかと言われている。

    小飼:向かうはず、うんうん。

    山路:そうしたら核融合を使う程の、もしかしたらエネルギー需要いらないということにもなりかねなくないですか。

    小飼:それはイエスでもあり、ノーでもあり。

    山路:太陽光の発電の効率とか、そういうふうなところも。

    小飼:いや結局、太陽系というくらいなので、質量の99.8%が太陽にある以上は、太陽エネルギー以上に絶対量があるエネルギーというのは存在しないんですね。ボトムラインとして。

    山路:太陽系においては。

    小飼:だけれども、地球上でそれを利用する時というのは、そんなに強くはないわけですよね。

    山路:薄くなっているやつを苦労して、なんか上手く低いコストでゲットしなきゃいけないっていうことですよね。

    小飼:そうそう。なんだけれども、高密度のエネルギーというのは、やっぱり必要な分野とかっていうのはあるんですよね。

    山路:まあ製鉄とか? 製鉄とかあの辺のやつっていうのは、そういうのに入ってくるでしょうね。

    小飼:まあ確かに直接精錬が出来るようになりますよね。

    山路:ああ。

    小飼:もし核融合というよりも。

    山路:高密度のエネルギーをそのまま打ち込むことが出来たら。

    小飼:そうそう、打ち込むことが出来たら。だから、その辺の石からでも、いくらでも必要な元素を。

    山路:ああ、そういうレベルでの、製鉄というよりはそれのもっと上の。

    小飼:だから全部プラズマしちゃえば、あとは電磁的に分離できるわけですよ。

    山路:ああそうか、ぜんぜん新しい産業というか、ものの作り方が生まれる可能性はあるわけだ、核融合で。なるほどね。「錬金術だ」(コメント)。まぁそれはそういうことですね。

    小飼:まさしくそうなんですけれども、単純に核融合が出来ないと、人類がエネルギー危機に陥るんじゃないと言ったら、それはない。
     もう風力ともう太陽光で、間に合っちゃうというのがわかっちゃったから。

    山路:あとはその気になったら、アンモニアの低コスト製造みたいなことの研究とか進んでるから、それでエネルギー消費は数%下げたら、新エネルギー見つけたのと同じことになるんじゃないかみたいな。

    小飼:だからエネルギーが足りないというのは、もうぜんぜん心配してないよ。核融合があろうがなかろうが。

    山路:食糧危機も起こらなければ、エネルギー危機も起こらない。

    小飼:だから原発を動かそうが動かすまいが。足りなくなるというのは。

    山路:快適に暮らせるかどうかみたいな、気持ちよく、人の幸せ度が下がるかどうかの問題かもしれない。

    小飼:それすらあんまり変わんないかもね。日本の場合は。

    山路:ああ、そうですか。

    小飼:日本はお蔭で電気をいっぱい使う産業が、原子炉を止めたお蔭で停滞しちゃったじゃないかっていう意見もあって、それは事実でもあるんですけれども、でも原発が動いていようがなかろうが、日本の電気というのは高すぎて、一番電気を使いたい産業には使えないんですよね、原子炉があろうがなかろうが。

    山路:一番電気を使いたいっていうのは。

    小飼:たとえばアルミの精錬。だから、もしアルミの精錬を原発動かすことによって復活するというのであれば、それだったらそういうことを言ってもいいよ。

    山路:なるほどな。なんか新しい面白そうなことも起こらないのに、なんというか、ただ原発っていっても説得力がないよねっていう。

    小飼:説得力がなくなっちゃった。

    系外惑星のノーベル物理学賞受賞とノーベル賞しょっぱい話

    山路:じゃあ、ちょっと科学の話がせっかく出たところで、もうちょい明るい科学の話で、ノーベル物理学賞のほう、そろそろ行きますか。

    小飼:はいはい、行きましょう。

    山路:あれノーベル物理学賞、今日だったんですね。

    小飼:今日の日本時間だと18時頃かな。

    山路:そうか、だからチェック仕損ったわけだ。

    小飼:そうです、僕もここへ来る途中で。

    山路:系外惑星、しかもそれが物理学賞なんですね。これはつまり観測のための技術というか理論というか、に対して賞が与えられた。

    小飼:まあそういうことですよね。ノーベル賞というのは見えなかったことが見えるようになった、見えなかったものを見えるようにしたというものに対しては、凄い優先順位高いですよね。

    山路:ブラックホールの、あれ? ああそうか、ホーキング博士はまだ取ってないのか。

    小飼:いや、まぁ結局取れなかった。蒸発するブラックホールが見つかれば取ってた筈なんだけども。

    山路:うんうん。へえ、でもなんか系外惑星とかそういうふうなところで、あれこそまさに、すぐに直接役に立つわけではないけど、人間の知見を広めるみたいな意味で、まさに科学の楽しいところかもしれない。

    小飼:系外惑星に関してはもう、ずーっとないわけない、だったわけですよ。もうニュートンの頃から系外惑星がないわけないんじゃん、だった。もしあったとしたら、それが本当にあるっていうことをどうやって見つければいいかというところで止まってたんですけどね。

    山路:恒星を観測することですら大変だったわけだから。

    小飼:たとえばこの太陽系を、太陽系の外から見た場合というのは、太陽も何かにぶん回されているというのが、よく観察すればわかるんです。太陽系の中心というのは、太陽の中心よりもちょっとズレてるんですね。ちょうど太陽の表面よりちょっとズレたくらいに、そこを太陽、回っているように見えるんですよね。
     だから太陽を回しているのはなんなんだ、そう太陽系の質量というのは殆どというのは太陽にあるんですけども、角運動量に関してはそういう比率ではないんですね。惑星のほうが比較的持っている。だから木星、結論からいうと主に木星が太陽を振り回している。

    山路:じゃあ、その太陽を。

    小飼:そう、だから太陽の振り回されぶりを見ると、木星は見つけられるんです。木星自体を直接見えなくても。

    山路:へえ、でもそれ以降。

    小飼:その方法で最初は系外惑星がいることが間接的な観測で証明されました。

    山路:でもその後、地球型惑星なんかの、エクソプラネットなんかもどんどん見つかっていってますよね。それは木星的な太陽をぶん回すみたなやつでは解決できないですよね。

    小飼:たとえば別の見方でいくと、食、要は太陽の前を自分では光を出さない惑星だから、横切るとその分、暗くなりますよね。

    山路:昔だったら、その僅かな光量の差というかが観測出来なかったのが、やっぱり技術の進歩でそれが観測できるようになったという。

    小飼:そうですね、はい。

    山路:これってちょっと私、系外惑星のやつが賞を受賞したというニュース確認してなかったんですけど、受賞したのは最初のそういう木星型のでかい質量の惑星をみつける手法を発見した人なんですか?

    小飼:ですよね、これって。

    「木星や土星のお蔭で」(コメント)

    山路:じゃあなんか本当に系外惑星というのが、凄いコモンというか、当たり前のものになったというのは、この20年くらいのびっくりする変化ですけれどもね。

    小飼:まあびっくりというよりも、まずはおかしい、で、やっぱりあった、で、やっぱりもうゾロゾロあったと。そうそう、まっとうな恒星系であれば、惑星を従えているのが当たり前だろうと。実際当たり前でしたと。

    山路:そうかそうか、まだ知的生命体みたいなものは見つかってないですけど、この前地球に、太陽系に飛来してきた。

    小飼:だから地球っぽいやつもいっぱい。それはちょっと別ですね。

    山路:地球っぽいやつも、まぁスーパーアースとか、それこそ地球と同じサイズのやつとかも見つかってたりするので、なかなか凄い話ではありますよね。

    小飼:凄いというのか、普通そうだろう、というのが、やっぱりそれが普通でしたというのがわかった。

    山路:うんうん、「ノーベル物理学賞、宇宙の理解を前へ進めた」って「前進させた3氏に」ってうん。

    小飼:だから「まさか」でなくて「やはり」という意味で、でもわりと時間かかったよな、だって。

    山路:賞を貰うまでに?

    小飼:うん、マイヨールの観測、確か95年だよね、これ。わりと待ったほう。

    山路:もう20年以上、ぜんぜん経ってるんですね。

    小飼:でも今ノーベル賞ってそうだから。

    山路:もうつかえているくらいに。

    小飼:だからもうノーベル賞という賞自体がもう。

    山路:世の中こんなIT企業で、超お金持ちいっぱいいるんだから、そういう科学の賞とか増やしてもいいんじゃないかっていう気がするですけど。

    小飼:歴史があるっていうことと、受賞者がとても少ないという希少価値で、むしろ外で賞を作れば作るほど、ノーベル賞に箔がついちゃうというのはある程度、仕方のないことではある。

    山路:まあ確かに一線の科学者だったら金銭的にも困っているわけでもないから、それがインセンティブになるとは限らないだろうしな。

    小飼:金銭的にもショボいしね、今どき。しかもリーマンショックのお蔭で少し賞金減っちゃったしね。

    山路:なんかしょっぱい話が、ノーベル賞なのに。

    小飼:もうノーベルの頃には考えられない程、でかい実験装置とかも出来るようになっちゃいましたからね。だから、その場合というのは本当にはした金にすらならないわけですよね。

    山路:なんか1兆円かかるやつに、1億円とかの賞金貰ってもしょうがないですもんね。

    小飼:そういうことなんです。

    山路:なんか1日の電気代かよみたいな話ですもんね。本当に名誉の賞、まぁでもいいニュースではありますよね。じゃあちょっと科学絡みの。

    小飼:これで安心して人類滅亡できるな、みたいな。

     
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