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小飼弾の論弾 #258 「クロアチアのスーパーEVと躍進するベトナムEVメーカー、中国大手不動産の倒産」
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小飼弾の論弾 #258 「クロアチアのスーパーEVと躍進するベトナムEVメーカー、中国大手不動産の倒産」

2023-08-29 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2023年08月21日(月)配信のテキストをお届けします。

     次回は、2023年09月05日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2023/08/21配信のハイライト

    • 「頑張ってほしかったZoom」と「オープンソースはユースケースを限定できない」
    • 「ARM上場の影響」と「ゼルダとGDP」
    • フェラーリに余裕で勝つクロアチアの電気ハイパーカー
    • SAKURAと海外EVのディーラー網と「電動バイク3億台」
    • EVで日本は逆転できないだろうというところまではまだ来てない
    • 「サンフランシスコで自動運転」と「恒大破産の海外への影響」

    「頑張ってほしかったZoom」と「オープンソースはユースケースを限定できない」

    山路:なんかコメントで「倒産の話は無料枠?」って、恒大の話のことかな。

    「オープンソースの件、聞きたい」(コメント)

    山路:ああ、オープンソース、ちょっと軽く炎上してますよね。

    「この番組を楽しみに1週間生きてきました」(コメント)

    ちょっと重すぎませんか(笑)、私らにかけられている期待が。そこまで期待に応えられるかどうかわかんないんですけれども、とりあえず今日も暑いですよね、と。

    小飼:そうですね、今日も暑かったです、過去形でもないが。

    山路:この暑さで、まぁ前回はサボテンが枯れちゃった話とかしたんですけど、競馬の競争馬も亡くなってしまった、

    小飼:ありゃま、

    山路:ディープインパクトの血統を受け継ぐ有名な馬らしいんですけれども。それが熱中症で亡くなって。で、競馬の世界ではナイターにしたほうがいいんじゃねーのみたいな議論が高まっているという(笑)。高校球児よりも(笑)、

    小飼:大事にされている、

    山路:大大事にされている、

    小飼:あるいは部活小中高生よりも、

    山路:なんであんなに高校球児は踏みつけられるのかなぁ、みたいなとこはありますけどもね。

    「まずは甲子園やろ」(コメント)

    山路:そうですね、そっちのほう、対策したほうが絶対早くすべきですよね。

    「お金産むから」(コメント)

    山路:高校野球、なんでお金産んじゃいけないんですかね。

    小飼:なんででしょうね。

    山路:べつに大儲けするとかそういうんじゃなくて、単純にお金取って配信して、それ、いろいろ高校野球の業界というか、それに還元したら良くないですかって思うんですけど。

    小飼:あと、なんでいつも甲子園でやるんだろう。

    山路:あれ、ドーム球場じゃダメなんですか、名前つけて、第二甲子園てつけてべつにやりゃいいじゃないですかって(笑)、

    小飼:まぁでも、確かに全英テニスはウィンブルドンでやってはいるけれども、そんなに球場としてあれなわけ、いいわけ?

    山路:そんなこともないと思いますけどね、

    小飼:野球全然わかんないんだよ、

    山路:まぁだから、そのブランド価値みたいなものっていうのが私らピンときてないっていうことはあるんでしょうけどもね。

    「決勝だけ甲子園でやれば」(コメント)

    山路:まぁそうですよね。

    小飼:まぁそれ言ったら、僕も馬をわかんないけどもね。堀江さんに、「弾さん馬好きですか」って言ったら、「美味しいです、馬刺し」って答えちゃいましたからね(笑)。

    山路:この番組見てる人も、そんなに熱く甲子園とかにブランド価値感じてない人多そうですけどね。

    小飼:まぁ、でも馬が熱中症で死んじゃうっていうのはな。まぁでも確かに、馬と人間と一つに似たところって、どっちも汗かきなんですよね。馬は毛がある分、熱はこもりやすいだろうな。人間のほうが熱には強いはず。

    山路:サラブレッド、べつに熱に強いわけでも何でもないみたいな、全然ない話聞きますしね。これ、なんか本当に2、3年ぐらいこういう猛暑とか続いたりとか、あるいは増えてきたりとかしたら、けっこう社会としての生活サイクル、サマータイムにするのバカげてるにしても、会社の始業時間を7時からにするとか、そういうことは何か十分にありそうな、

    小飼:あるいは日本でもシエスタの習慣が、

    山路:というか私、べつに暑くなくてもシエスタとってますけどね(笑)。なんでみんなシエスタをしないでちゃんと働くことができているのかが、不思議でしょうがないんですけれども。みんなシエスタをしなくても大丈夫な遺伝子を持っているのかなぁ。

    「馬にも塩分が重要みたいな」(コメント)

    小飼:いや、それはどの生物にも塩分は重要なんだけども、汗をかくものというのは特に重要です。

    山路:ああ、出ますもんね、その時に一緒に。馬のコメントで

    「馬のお金払ってもらった議員いた」(コメント)

    山路:いたいた、いましたねー。なんか3000万だったか、もっとか。なんだか、それがすごい金を立て替えてもらってみたいな。そういうところで政治家とか、あるいは富裕層とかに「馬」っていうのはけっこう刺さるキーワードなんかもしれないですけどもね。

    「お盆休みに台風が必ずぶつかる」(コメント)

    山路:この辺のところもなんか毎年のようにズレてきそうではありますけれどもね。

    小飼:でも、そもそもお盆っていうのも、本来は旧暦だった、実はその辺、七夕を7月にやるか8月にやるかっていうのと似てて、旧暦通りだとしたら、お彼岸とも言うし、その彼岸花というのは秋のものでしょ。よく考えたらこんな、夏のド暑い時に盆が来るっていうのはおかしいといえばおかしいんだよ。

    山路:そうですよね、確かに、

    小飼:それ言い出すと、新年もあれだよね、

    山路:1月の半ばぐらいに、

    小飼:春節にやらなきゃいけなくなるんじゃないかという。

    山路:台湾とか中国とか、今でもそっちのほうで正月はメインに祝ってますけど、

    「地方によっては七夕を旧暦でやるところあります」(コメント)

    山路:ああ、ありますね、確かに。

    小飼:仙台とかはちゃんと8月にやる。

    「夏休みなくなっちゃう」(コメント)

    山路:こんなにみんな一斉に夏休み取らなくてもいいんじゃないかと思いますけどね、全国で。地域によって違ってもいいと思うし。

    小飼:そうそう、もっと分散させたほうがいい。

    山路:学校に関しても。会社なんかも、お盆とかにみんな一斉に休まなくても、普通に有給を好きに取れよとは本当に普段から思っとるんですけどもね。なかなか自由にはみんな働けないですよね。

    「甲子園を北海道にしたらいいのに」(コメント)

    小飼:ただ北海道行ったら、猛暑になったりしてね、北海道、例の東京オリンピック札幌マラソンみたいな。

    スタッフ:いやいや、今年も北海道30度超えてますからね。

    山路:ああ、なんかすっかり避暑地でも、もうなくなってきましたよね。じゃあちょっと、

    「私は部署で一人だけ連休を取らずにずらしました」(コメント)

    山路:そのマインドは重要ですよ。じゃあちょっと、働き方の話出たところで軽くZoomの話題、触れときましょうか。Zoom、あのオンライン会議のZoomの会社が、社員に出社を指示という、なかなかじわじわ来る話でありますよね。これ、ただこれってどうなんでしょうかと、結局、人が働くのにリモートワークは向かなかったっていうふうな。

    小飼:リモートワークで全てはできないというふうに、これはどうなんだろう、白旗宣言として受け取るべきなのか、単に、いやZoomといえども出社したほうがオプティマルなことはあるよっていうふうに受け取るべきなのか。でもZoomで完結することってけっこう少なくないし、パンデミックのピークの頃っていうのは本当Zoom様々だったよね。

    山路:法人相手との仕事してたりとかすると、このオンライン会議が根付いたことでめちゃめちゃ私、楽になりましたけどね。本当につまんない用事で会議とか、やたら昔は呼び出されたのが、もうそういうのはなくなりましたからね。顔合わせではリアルで会うことはありますけど。

    小飼:ただフリーランスの人が、まぁ我々みたいな、客と打ち合わせするというのと、社内で何かを詰めるというのは、例えばペアプログラミングとかっていうのはリモートでできなくはないけれども、どうなんだろうというね。

    山路:私ペアプログラミングってやったことないんですけど、やっぱあれっていうのは単純にコードを書けば、やり取りできればいいっていうもんじゃなくて、そこのところで何か話し合いながらやるもんなんですか、人間同士、生で。

    小飼:いろんなやり方があるんだけど、実は僕は苦手で(笑)。
     今すぐ手を出したいんだけども待ってなければいけなかったり、その逆に手を出してほしくない時に手が出てきたりっていうので。

    山路:本当にできる人、すごいなとか思っちゃったりもするんですけどもね。本当に効率上がるんでしょうか。

    小飼:パッチの送り合いのほうが、僕としては、まぁ古いタイプの人間だからなのかもしれないけれども。ペアプログラミングっていうのは苦手だな。

    山路:働き方として、非同期になったことがネットの素晴らしさじゃないかと私は思ってたりもするので、何かこう、リアルタイムを、同期を要求するこのZoomも含めて、オンライン会議とか苦手なところがある、

    小飼:ただ今のこの場というのも、まさに同期でやってるわけで、山路さんと僕がインシンクでやってるわけで。だから、ちょっとじゃあ、『論弾』をリモートで、それぞれ一人ずつの部屋で、Zoomでできるかって言ったら、僕はやり切る自信はないかな。

    山路:Zoomとかって、微妙なタイムラグがありますよね。

    小飼:あるよね。すこし計算して話してた、

    スタッフ:いちおう今写ってるようなこの画面構成でディスコードで二つ並べて、話せる内容を表示して、いちおうできはするとは思いますけど。やっぱり話しているときの空間になるんですか?

    山路:何なんだろうな。その、たぶん、情報を、相手が言おうとしているっていうのを、相手の音で発言する前に、情報として捉えていたりもして、早めに対応しているとかっていうこともあるのかもしれないですよね。

    小飼:それはある。

    山路:そのへんのところが、オンライン会議だとちょっと情報量が少ない、

    小飼:あとけっこうラグがあるというね。

    山路:ただなぁ、それでも8割は、

    小飼:それでも頑張って欲しかったな、Zoomは。

    山路:完全フルリモートで全部できますと言って欲しかったですよね。

    小飼:あるいは、こういうリリースを出さなくてもいいだろうと。だから、出社させるのもけっこうだけど、こっそりやれとかね(笑)。そういうわけにはいかないのかしら。

    「がっつり会社員という方と、元々フリーランスの方でリモート機能的な仕事の仕方への慣れがだいぶ違うかと」(コメント)

    小飼:違うだろうね、それは。

    山路:あと、やっぱり仕事、会社員にとっての仕事って居場所だったりとか、コミュニティみたいな要素っていうのもあるから、フリーランスでどっかの取引先の仕事と、本当にもう仕事だけと割り切ってやってるっていうのはやっぱりだいぶ違いはしますけどもね。じゃあちょっと仕事絡み出たところで、もう一つ。仕事関係、若者の早期退職をAI部が分析というこの、またディストピア臭のする(笑)、いかがでしょうかと。

    小飼:何、じゃあ分析したところで何、

    山路:そういう奴を採らないってことですよね。早く辞めそうな奴は取らない。

    小飼:ああ、これってあれか、採用の時のスクリーニングとして、そうか。就職前なんだ。

    山路:そうです。

    小飼:そう、就職しなければ退職もしないわけだからね(笑)。

    山路:ただこれって、若者の対応力舐めてませんかと。絶対この早期退職の傾向が出ないようにマニュアル本が出回ると思うんですけど。

    小飼:出回るよね。

    スタッフ:これ、AI逆に使えないんですか。早期退職されやすい会社をAIが分析、

    山路:そうすべきだよね(笑)。

    スタッフ:で、こういうふうに出てますから改善していきましょうっていう方向が良くないですか?

    山路:あるいは経営者とかがね、バカなことをいう可能性が高いかどうかを予測するとかね。この人材不足の時に早く辞めそうな奴を判定しても、その早く辞めるっていう奴って、もしかしたら優秀かもしれないじゃないですか。その会社の業績とかを見たりとか、そういうことの判断が早いという意味で優秀な人間もあると思うから、それをやるのはいかがなものかとも思いますけどね。

    「倒産しない会社をAIで分析したほうがいいか」(コメント)

    スタッフ:そうか、むしろ若者が会社選びに使いそうですよね。AIを、もうこれからは。

    山路:ただ、そのAIを使うとこに金を払うのはやっぱり企業のほうだから、採用のコストを下げるようなサービスのほうが需要はあるんでしょうけどもね。この流れでちょっとIT絡みで一つ最近話題になっていた、改めて話題になっていた、

    小飼:久しぶりに誤用を見たね、しかもわりと、大御所というのか、有名どころがやらかしたなぁという。

    山路:東大の松尾研究室が、

    小飼:有名どころですよね、

    山路:非営利で使うやつを出したんですよね。で、それを「オープンソース」っていうふうに表現しちゃったんですよね。それがけっこう波紋を呼んでいるという。私もきちんと理解してなかったんですけれども、オープンソースで、それを非営利に限定するっていうようなライセンスはできないわけなんですね。

    小飼:できない。

    山路:ある意味、作ったほうがどういうふうに使われるかを指定することはできないようにしている。

    小飼:そう。だから、ユースケースを限定しちゃダメなのね。ユースケースを限定するライセンス、イコールもうオープンソースではない、だから。ピリオドだから。

    山路:これ、ちなみオープンソース以前にはそれこそリチャード・ストールマンなんかがやってたフリーソフトウェアっていうムーブメント、運動ありましたよね。その違いだったりもするわけなんですか、それとも、

    小飼:それとも違う、

    山路:それでもないのか。これ、オープンソースでそのライセンスを、作り手のほうが、

    小飼:使い方ね、

    山路:ああ、そうそう、使い方を絞ることができないというのはソフトウェアとかを商用でも問題なく使えるようにってことを考えて、やっぱそういうふうにしてったってことなんですかね、オープンソースが、

    小飼:この場合の、何、オープンソース一般の話?

    山路:厳密な定義のオープンソース、そういうふうにライセンスとかで縛れないようにしたっていうのは、もっといろんなとこで活発に商用で使われるようにっていう意図があったのかなって。

    小飼:どっちかっていうと、商用ソフトウェアからのムーブメントだったのね、オープンソースというのは。だから、お金が動くときに、お金によって足枷をはめられないようにするために。だからどっちかっていうと、ストールマンのフリーソフトウェアの立場からは、ある意味真逆の立場からの動きだった。

    山路:FSF(Free Software Foundation)ほうって、けっこうなんていうのか、自由みたいなことをまず挙げて、イデオロギーっぽい感じの、ソフトウェアを解放するとかなんかそんなような感じだったような、

    小飼:だから、「非自由にする自由がない」の自由なの。だから、すごいラディカルな自由なんですよ、フリーソフトウェアファウンデーションのフリーというのは。だから、拘束する自由はないんです、そこに。

    山路:GPLを採用したソフトのコードを取り入れると、利用しているものも全部GPLにしなきゃいけないとか、

    小飼:まずもってそのソフトウェアをどういうふうに利用するのかというのはライセンスで縛れない、どのオープンソースライセンスでも。そのソフトウェアそのものを改変したり、援用したりするときにそれぞれのライセンスの違いが出てくる。例えばGPLの場合というのは、もし自分のところで、そういうのを改造したりした場合というのは、改造したソースも公開「しなければ」いけない。要するに、自分で作ったところだけをブラックボックスにするっていうのはダメなのね。

    山路:ああ、なるほど、なるほど。

    小飼:だから、全部オープンしなければいけない。強制しなければいけない。

    山路:それは確かにビジネスとすごく折り合いが悪そうな。

    小飼:そういうところというのは、追加した部分とかっていうのはオープンにしなくてもいいですよっていうのがBSDとかMITとかの、より緩いほうのオープンソースライセンスなんですけど、その場合でも、ユースケースというのは縛れない。だから悪人は使っちゃいけませんとかっていうのはダメなの。

    山路:そこのところでユースケースを縛らないようにしたことのメリットというのは結局、何だった、どういう意図があってその縛れないようにしたんですか? 例えば、こいつには使わせたくないみたいな縛りができないようになっているとか、

    小飼:いや、だからそれはもうその時点でオープンでないという。アウトオブクエスチョンだったわけです、それであればオープンを名乗るなと。

    山路:なるほど。そこのところはある意味、リチャード・ストールマンなんかの言っていることと共通するところはあったわけなんですね、理念的には。

    小飼:だから、それであればちゃんと別の言葉を使うべきで、例えばノーコマーシャルライセンスみたいな言い方ができるわけですよね。

    山路:クリエイティブコモンズとかがあるわけですしね、

    小飼:あります、だからCC BY-SA、だから4でしたっけ、松尾研究室が、

    山路:そうそう、ちゃんとクリエイティブコモンズのやつには準拠している奴を、なんかオープンソースと言っちゃったみたいなところがあったわけなんですよね。しかもLLMの、大規模言語モデルのオープンソースのソースってなんだよ、みたいな話ですよね(笑)。

    小飼:そうなんだよね。

    山路:大規模言語モデルを公開して、それはソースなんかいみたいな話もあるし、結局、適切な言葉がないっていうことなんでしょうねと、要は。それでちょっと興味深いニュースがあって、そういうオープンソースとかの言葉を定義して管理している団体、オープンソースイニシアティブですか、そこが最近この言ってる、言い始めたのがLLMとかそういうものに対してオープンであるっていうことがどういうことか、そういう言葉だったりとか、そういうものを定義するムーブメントを始めたという、

    小飼:確かにね、ノンコマーシャルとか適切な用語が見当たらないというのはあるのかもしれないけれども、でもオープンソースは言っちゃダメだと、看板にちょっと偽りがありすぎという。

    山路:ただこう、本当にIT系のソフトウェアエンジニアの人だったら、それって言うのはまぁ知ってて当然のことなんかもしれないけれども、世の中でオープンソースっていうことが使われた時に、商用不可にはできないっていうことを理解している人がどれだけ、

    小飼:いや、でも松尾研でそれやっちゃダメでしょ。

    山路:(笑)そうですか。確かにそれはそうですね、情報系のなんというか、総本山みたいなところでやったら、

    小飼:そうそうそう。

    山路:信頼性を失っちゃいますよね。

    小飼:お前は何言ってるんだ、みたいな話ですね。

    「ARM上場の影響」と「ゼルダとGDP」

    山路:これはちょっと確かに厳しく追及されても仕方のないところだったかもしれないですよね。じゃあちょいとIT系の続きで、これデカいと思うんですが、いかがでしょうかと。

    小飼:今まで何をやってたんだという。そもそも孫さんのところが買収して、いったん非上場にする前は上場されてたんだよね、ARMは。

    山路:ずいぶん昔に私、ARMの株持ってましたよ、伸びると思って。それを孫さんが買ったせいで、なんかはした金をもらって泣く泣く。

    小飼:ああ。

    山路:そのまま伸びたの確かなのに、なんか全然嬉しくなかったですね、あの孫さんの買収は。

    小飼:いや、だからなんか一周して元に戻ってきましたっていう(笑)。

    山路:もっと早くになんかそういうことできたんじゃないかと思うんですけどね、孫さんが買収してなかったら。そんなことないですか、

    小飼:いや、もうそもそも孫さんが買ったのがいけないっていう話にはなってはしまうよね。

    山路:今回上場すると同時にAppleやSamsungとか、あとNVIDIAが出資するっていうところまで、

    小飼:もともとNVIDIAが全部買い取るという話だったんだけど、それはだからダメだって物言いがついちゃったんだよね、FTC(米連邦取引委員会)から。で、それでこういう形になったと、本当に、本当にグルッと一周したなぁという。

    山路:今回の座組みをは弾さん的に見てどうですか?

    小飼:いやー、まぁグルッと一周したよなぁという感想しか出ないけども、その間に孫さんがARMを買った頃っていうのは、RISC-Vとかって本当に知る人ぞ知る、だったんだよね。今けっこう伸びてきてはいる、

    山路:ジム・ケラーとかもね、プレイヤーとして大物も出てきたりとか。

    小飼:だからある意味、ARMを取り巻く状況というのはARM的視点では、悪化というのか、向かい風ではあるわけだよね。

    山路:これからどうです、上場して、

    小飼:とは言っても、現在のライセンシーがなかなか強いですしね、これもそうですし。

    山路:上場して伸びるんでしょうか、さらに株価は。

    小飼:どうなんでしょうね。でも、もともと孫さんが買った時にもそんなに、はっきり言って割高には見えましたね。

    山路:ああ、そうですか。ほうほう。

    小飼:PERが3桁だったっていう記憶はありますよ、孫さんが買う前にね。

    山路:Qualcommなんかとちょっとビジネスモデル的にはやや似ているところもありますね。知的財産権で商売してるあたり、

    小飼:まぁ、でも知的財産権だけ、なんだよね。Qualcommの場合、ファブレスとは言ってもちゃんと作ってもらってるわけですよ、Qualcomm自体がTSMCとかにお金を払って、これだけチップを作ってちょうだいってやってるわけです。そこが決定的に違う。ARMはチップは自分では作らない。

    山路:そうか。かなり危ういといえば危うい会社でもある。

    小飼:そうなんです。

    山路:それこそ、より優れた設計というか、そういう設計思想みたいなもんが現れてきたら、塗り替えられちゃうっていうことではあるわけなんですね。

    小飼:まぁそういうことだよね。

    山路:やっぱりリアルなものを作っとるって、半導体の世界でもリアルなもの作りに携わっていることっていうは、かなりデカいことなんですかね。

    小飼:けっこう違う。

    山路:いや、面白いですね。まぁでもちょっと株価はチェックしておきたいですね、伸びるのかどうか。あともう一つ、相変わらずのお騒がせ、

    「オリンピックとかネタ掴みますね」(コメント)

    山路:(笑)ネタ掴みますね、か。じゃあArmも買っとくかな、とりあえず、ネタになるから。急落するかもしれないな。
     このニュース、Xがブロック機能を削除という。

    小飼:あ、じゃあまずスパムとかなくなったのかよ。で、僕はブロック機能、唯一使っているのが、要はスパムアカウントですね。ただ基本的にブロックの主な使い方っていうのは見たくない、見られたくないユーザーというのを自分のタイムラインから排除するということで。

    山路:で、まぁイーロン・マスクはこの機能というのは意味ねーよみたいなことを言って排除、

    小飼:じゃあどうやって自分のタイムラインから不快なものを見ないですむような、のがあるのを配慮するのかっていう問題はあるよね。

    山路:ミュート機能で十分なんじゃないか、みたいなことだったりするんですかね。

    小飼:どうなんだろう。そう、だからミュートとブロックの違いっていうのは、ブロックの場合、されたほうがブロックされているというのがわかるんだよ。だからその人のタイムラインに行けば、あなたブロックされてますって出るから、

    山路:ああ。ミュートはスレッドごとになるんですか、

    小飼:ミュートは出ないんだよね。ミュートはたぶんユーザーごと。発言ごと、それから、それから何があったっけ、けっこう細くできるんだよね。あとキーワードごと。

    山路:それで十分じゃねえかみたいなことを言ってるんだけど、かなり悪質、

    小飼:そう言ってた? ミュートがあるからいいじゃんって、

    山路:ミュートっていうのは具体的には言ってないですね。

    小飼:そうなの?

    山路:ブロック機能っていうのが、

    小飼:確かにミュートを残して、ブロックを消すというのは、それならありかな。べつにブロックされている事実は相手に知らせる必要はないと。

    山路:ミュートに関しては、マスクの今の発言に関しては言及はしてなかったですけど、そういうことかなと私は捉えましたけどね。

    「相互フォローしてるけど、ポストが多い割にはつまらない人はミュートしてる」(コメント)

    山路:(笑)。ブロック機能を排除するとかいう以前に、そもそも煽り的なアカウントとかが増えるような施策をどんどん今Xやってるようにも見えるんですけどね。

    小飼:そうなんだよね。スパマーが喜びそうなことばっかりしているような。特にチェックマークは、そうだよね。金払えば、

    山路:Twitter Blueやってチェックマークついた人は収益化ができる、みたいな話ですよね。

    小飼:そういえばあれって、マーク消せるの?

    山路:そうですね、私も実はTwitter Blueやってるんですけど、なんかいかがわしいアカウントに見られるのがイヤで、青いマークを非表示するオプションを選んで、Twitter Blueに加入しているということがわからないようにわざわざしてますよ。

    小飼:いや、だから本来の意味でのベリフィケーションをやってほしいですよね。

    山路:本当に。

    小飼:ペイドでなくて、ベリファイド。

    山路:それだったらまぁ月1000円ぐらいはなぁ、

    「一番困るのは河野太郎」(コメント)

    小飼:そうかもしれない、

    「課金ユーザーのみブロックとか大丈夫かな」(コメント)

    小飼:いや、でもかつてであればそういったことというのも、自分でAPIを叩けば、Twitterクライアントを作ればできたんだよね。あるいはサードパーティーのクライアントだが通せば、わりと楽にできたんだよね。要は、Twitter自身に機能がなくても。例えば、チェックマークがついているアカウント「は」見せない、みたいなことっていうのは。Twitterの機能としてはなくても、サードパーティーのクライアントとしては実装できたんだよね。

    山路:これなんていうか、前にもマスクの苦手なことは物理っぽい、物理関係のことは得意だけど、人間相手のことは苦手っていうのは話をしたじゃないですか。本当に、このXに関してイーロン・マスクがどういうふうなものにしたいっていうビジョンが見えないんですよね。

    小飼:まぁCEOを外から入れた形にはなってるけれども、でも今でも誰の声が一番反映されるかといったら、マスクの声のように見えるからね。

    山路:なんかそんなスーパーアプリを作るみたいな構想自体は言うけど、SNSとしてのTwitterをどういうふうにしたいっていうふうなビジョンは、あんまり彼からは見えないですけどもね。

    「ユーザーの心情は少なくとも理解してないっぽいな、マスクは」(コメント)

    小飼:してない、してない、

    山路:その辺のところの共感性の薄さは何かこう、ちょっと病的なものを感じますけどね、正直(笑)。

    「リストしか見てないんだよな」(コメント)

    小飼:それ、なかなか賢い使い方だと思うけど、僕はもうあまりにずぼらで。リストすらろくに作ってない。

    山路:私はもう最近リストしか見ないですね、この人と同じ。お勧めで見ると無限に見ちゃうじゃないですか。

    小飼:あんま無限に見ちゃわない。

    山路:そうですか(笑)、リストとかでも、この人、これを見るみたいなことを決めとけば、なんか追い切れるというか(笑)。

    小飼:だけども、リストを管理するというテーマが今度発生するじゃん。

    山路:まぁそうですね、それはそうですね。お勧めのをなんか適切な決めた時間の分だけ見るみたいなふうにできればいいんでしょうけれどもね。あと、このIT関係で軽いニュースというか、『ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・キングダム』、

    小飼:そんなにすごい影響が出たの、

    山路:GDP、その四半期のGDPを押し上げる効果があったというような報道が(笑)。

    小飼:これって、コンソールはSwitchだけだけですよね。で、そんだけ影響が出るの?

    山路:みたいですね。

    小飼:そうなの?

    山路:新作ゲームの中でも、特に『ゼルダ』じゃねえかみたいなふうにこの、リンク出した記事では推測をしてる、

    小飼:でも上がるほうに影響が出たんだ。プレイヤーが仕事ほったらかしにすることによって、下がるというふうに言い出すかと思いきや。

    山路:それが出るのは次の四半期かもしれないですね(笑)。いや、私も『ティアキン』やってますけど、ヤバいですよ、中毒性というのが。常になんかやらせる、やることがある、

    小飼:そもそもSwitchを持ってもいないんだよね。娘は持ってんだけれども。

    山路:もうインボイスの悪影響を上回るんじゃないかっていうぐらい、生産性を押し下げる効果はあるんじゃないですか、

    小飼:はっはっは、なのにGDPを押し上げるっていうふうに言ってるのはあれかな、まぁ単純に、

    山路:売り上げで、

    小飼:でも他にも波及してるっていうことだよね、なんか1000万本ぐらい売れたらしいけども、

    山路:そうですね、しかも、しかもすごいのが、これソシャゲ的なガチャとか、後からの課金て一切ないんですよ。DLC、追加コンテンツはたぶんこれから出てくるんでしょうけど、そんな、そういうちまちま課金するみたいなことはなかったりするし。いや、すごいですよねと。本当になんか任天堂が悪い会社に支配されたらどうなることか。

    小飼:けっこういらっしゃいますね、買ってるのにまだやってないという人が。ここにもいたし。

    「買ってるのにまだやってない、怖いから」(コメント)

    「水木一郎ニキが生きてたら、またとんでもない時間やってたんだろうな」(コメント)

    小飼:そうですね、

    山路:水木一郎さん、『ゼルダ』のファンだったんですか?

    「なんか正当派で稼いでるのかっこいいね」(コメント)

    小飼:ほんとそう思う。ゲーム内課金ではなくって。

    山路:それがやっぱり長期的な会社の信頼にもなっているわけですからね。

    「水木一郎さん、前作3000時間やってたらしいですよ」(コメント)

    小飼:3000時間って、だって1年が8000何時間だっけ、

    山路:1日10時間、毎日やっても、1年間。すごいなぁ。

    「ヤバすぎだろ」(コメント)

    山路:いやほんと、その通りですよね(笑)。

    小飼:1年て、8765時間しかないんだよね。ここでの1年というのは平均の1年ですね、1年365.2425日で計算しました、グレゴリオ暦で。

    山路:いや、すげーわ。いやまぁ確かに、やるのが怖いというのもよくわかりますよ。

    小飼:寝る間どころか、飯の間も惜しまないと、これ3000時間というのは無理だな、もう。

    山路:サンドイッチ伯爵みたいな感じで、摘まめるものをシェフに作らせる(笑)、

    小飼:そうそうそう、いつ歌ってたんだよ(笑)。

    フェラーリに余裕で勝つクロアチアの電気ハイパーカー

    「水木時空になってるんじゃ」(コメント)

    山路:まぁちょっと、『ゼルダの伝説』いいニュースではありましたと。で、今日、タイトルにもしてたEV。今日弾さん、EVについて語りたいモードですか。

    小飼:そうですね。

    山路:まずこれ、クロアチアの発明家、エンジニアが作ったレーシングカー、レーシングカーじゃ、ハイパーカーと言わなきゃいけないですかね、

    小飼:そうですね。スーパーカーというのは、まぁフェラーリの普通の奴とか、ランボルギーニの普通の奴とか、要するに数千万円オーダーのものというのはスーパーカーなんですけども、それよりも一桁お高い奴はハイパーカーというらしいですよね。

    山路:縁のない世界だ(笑)。これが2、3億ぐらいなんでしたっけ、

    小飼:はい、ただ何がすごいかって言ったら、それもEVになったと。EVでなくって、内燃機関で一番すごいハイパーカーというと、たぶんブガッティという会社が作ってるやつだと思います。ブガッティという会社を聞いたことがないという人、ちょっと手を挙げてみてください。まぁブガッティという会社があるわけです。売ってる車はまぁ要はmillions of dollarsのオーナーが、

    山路:本当にハイパーカーなわけなんですね、

    小飼:で作ってるところの車についているエンジンというのは、さて、ここで問題です。内燃機関の複雑さを示し指標として、気筒の数、ピストンの数というのがあるんですよ。ピストンがいくつついてるでしょう、そのブガッティが売っている、

    山路:『マッドマックス』で出てきた、あの信者たちが崇めてたのがV8エンジンですよね、

    小飼:はい、その倍ついてるんですよ、W16なんですよ。それで、かつてのフランスのメーカーで、いったん没落しちゃったんですけれども、名前ごとフォルクスワーゲングループが買い取って、改めてフォルクスワーゲンが作った一番すごいエンジンの車を作らせたのが、今のブガッティなんですけれども。それがまず、ヴェイロンというハイパーカーが出て、それが1000馬力。

    山路:1000馬力。

    小飼:その後の後継モデルとして、シロンというのを出したんですけど、それが1600馬力。だからピストンがまず16個ついてて、8ではなくって、W16っていって、4列かける4列。

    山路:(笑)

    小飼:1個1個のピストンにバルブが4個ついてるんですよ。64バルブ。

     
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