非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part66は大好評インタビュー17本、コラム6本、13万字オーバーで540円!!(税込み)
◎さらば英雄!PRIDE最強時代の幕を開けたミルコ・クロコップの軌跡■笹原圭一
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◎【使用拒否続出!?】新木場1stRINGに何が起きているのか■事情通Zの「プロレス 点と線」
◎計量オーバーはバカほど過剰にバッシングする説!
◎【門番マネル・ケイプ戦】水垣偉弥インタビュー「堀口選手にラブレターを送り続けます!」
◎【復帰戦完勝も内容に不満!?】帰ってきた中井りんインタビュー「だから、だから、私が悪いんです!」
◎ボクシングの「共同声明」はなぜ反感を買ってしまったのか?
◎UFC女子ストロー級王者が「RENA、一緒に練習しよう」と言っています■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
◎「那須川くんはアメリカでボクシングをやって、日本でキックを続ければいいんです」■三浦広光
◎「ここで何もできなかったら…」居合パンチャー町田光の不器用な叫びを聞け!
◎【興行論・考】堀口恭司戦は朝倉海をいちばん高く売れるカードである
◎世界を目指す日本人誕生――堀江圭功、UFC電撃契約の裏側■石井史彦
◎DDTセクハラマッチから考えるプロレスとLGBT■事情通Zの「プロレス 点と線」
◎安納サオリ「プロレスで360度から見られることで人生が変わりました」
オマスキファイトのMMA Unleashed
・UFC新記録! ホルヘ・マスビダルの史上最速5秒KO劇を多角検証する
・これは今話題のパワハラなのか!? ああ無情、デイビーボーイ・スミス新日本離脱の顛末
・海外オッズメーカーは今年のG1優勝者をどう予想しているのか
・ガヌーは進化したのか、そしてベナビデスはタイトルに挑戦できるのか
アメプロインディ通信「フリーバーズ」
・勝つか死ぬか……超マジメ人間のデスマッチ論
・怪物フランケンシュタインのYoutube
――笹原さん! 今度のRIZIN.17でミルコ・クロコップの引退式をやるとかやらないとか話になってますが、笹原さんにとってもミルコは印象深いファイターのひとりになるんでしょうね。
――藤田和之の「噛ませ犬」としてリングに上がり、そのあともしばらくは「倒されるべき者」として扱われていましたね。
笹原 立ち技からMMAにチャレンジしたRENA選手や那須川選手にしても、MMAをステップにする明確な目標があったじゃないですか。ミルコの場合は完全にMMAをやらされたわけですもんね。
――RENA選手や那須川選手のように「アナタをスターにしますからMMAをやってみましょう」というわけではなかったと。
笹原 いまはRIZINから格闘技を見始めたファンも増えていますし、そういう人たちに向けて格闘技の歴史を語り継いでいくことって重要になってきますよね。
――ボクがプロレス・格闘技をちゃんと見始めたのは90年代ですけど、あのときは過去をざっと20年ぐらい振り返れば、歴史の流れは把握できるじゃないですか。でも、いまのファンって格闘技の大河ドラマをきちんと理解するには40年近く遡らないといけないから大変ですよね。
笹原 しかも今と昔じゃ情報量が桁違いですもんね。 だからこちらから歩み寄るという言い方はちょっと偉そうですけども、何が起きていたのか伝えていくことで、自分たちがRIZINでやっていることの理解も深まるんじゃないかなと思いますね。
――ミルコを語るうえで絶対に欠かせないのはMMAデビューとなった藤田和之戦です。2001年8月19日のK-1JAPAN決勝戦のリング。ゴールデンタイム中継したのは日本テレビ。この試合は大晦日の藤田和之vsジェロム・レ・バンナを見据えた前哨戦で、藤田選手の相手はK-1ファイターならば誰でもよかった。PRIDEとは関係ない企画だったわけですよね。
笹原 当時のPRIDEはK-1や猪木さんたちと一緒に仕事はしていましたけども、この試合に直接的にはPRIDEは関わってないですね。今のファンからすると「え?K-1でMMAやってたの?」ってそこから説明しなくちゃいけませんど(笑)。
――その話を詳しくすると5000字くらいかかるので省略しましょう(笑)。
笹原 とにかくK-1のリングで藤田vsミルコが組まれたんですよ。
――「どうせ藤田が勝つんでしょ?」っていう雰囲気の中、ミルコは藤田選手のタックルにヒザを合わせて流血ドクターストップ勝ち。
笹原 この試合「猪木軍vsK-1軍」という枠組みだったので、K-1の選手もたくさん会場にいたんですよね。で、ミルコが勝ったときに、バンナやベルナルドが大喜びしているんですよ。バンナはミルコと抱き合うくらい喜んでいて、「あんたたち、そんなに仲良かったっけ?」って(笑)。でも、思わず抱きついちゃうくらい、みんな負けると思っているなかで勝っちゃったという試合だったんです。本当にタイミングよくヒザが当たって、もしあのとき藤田さんが大流血していなかったら……格闘技界の歴史はまた違ったものになっていたでしょうねぇ。
――次の試合は11月のPRIDE.17の高田延彦戦。そのときはK-1所属のファイターとしてPRIDEに派遣されたわけですよね。
笹原 はい。当時の関係をざっくり説明すると、PRIDE、K-1、猪木さん(新日本プロレス)たちがそれぞれの自分たちのイベントをやりながら、ときには協力して『猪木祭り』や『Dynamite!』、『W-1』(プロレス)なんかのメガイベントをやっていたんです。
――出た、新日本プロレスがひとり大損していたクロスプロモーション!(笑)。
笹原 いやいや、リング上は勝負の世界ですよ! ミルコだって藤田さんの生贄としてMMAをやらされましたけど、実力と運で勝負をひっくり返したわけですからね。
――勝てば商品価値は上がり、選手と団体の発言権が強くなるってことですね。
笹原 そういうことです。ミルコも最初は強制的にMMAをやらされましたけど、勝ったことでMMAファイターとして自立し始めましたし。
――MMAの経験が浅いこともあって、危うい試合もあったと思うんですね。リスクのある試合をマッチメイクしてるなっていう。
笹原 ヴァンダレイ・シウバや桜庭(和志)さんともやっていますよね。MMA2戦目は東京ドームで高田さんとやっていますし。
――高田戦を見た新日本界隈が「いまなら倒せる!」と送り込んだ永田さんは左ハイでKOされたという……。
笹原 永田さんとの試合から徐々に本領発揮していきましたね。その次にPRIDEでやったヴァンダレイ・シウバとの試合は特別ルールだったんですよね。3分5ラウンドで判定はなし。当時のPRIDEは1R10分、2・3R5分のルールが基本でしたけど、グラウンドができないミルコに配慮したルールでやったんですよ。
――試合はドローでしたけど、ルールに守られたとはいえミルコの強さも見せつけた内容になって。このときにセミは菊田早苗vsアレクサンダー大塚というPRIDE史に残る泥試合で(笑)。
笹原 ありましたねぇ(笑)。
――ボクみたいなプロレス者は大興奮の泥試合だったんですけど(笑)、観客は菊田vsアレクよりもヴァンダレイvsミルコに大歓声大熱狂で。
笹原 オープニングの大歓声も凄かったですよ。リングを囲っていた幕が下りた瞬間、ヴァンダレイとミルコの2人がリングに立っているという演出だったんですけど。ヒョードルに「オマエはもっとプロレスを見て勉強したほうがいい」って言うだけあって(笑)、ああいうときのヴァンダレイって観客の煽り方が天才的にうまいじゃないですか。
――肩を揺らしながら、相手にかかり気味になるパフォーマンスですね(笑)。
笹原 そんなヴァンダレイが相手だったからこそ、ミルコの外敵感も生まれて、お客さんもあそこまで盛り上がったと思うんですよね。
――それまでPRIDEのメイン層はU系ファンでしたけど、そことはまた違う「PRIDEファン」がこんなにたくさんいるんだ……ってわかった瞬間でしたね。
笹原 それまでのヴァンダレイってミドル級のチャンピオンでしたけど、「桜庭和志の敵」というイメージが強かったと思うんですね。K-1ファイターのミルコを迎え撃ったことで、PRIDEの代表に化けた感はありましたよね。
笹原 PRIDEからすればヴァンダレイに2連敗した桜庭さんに勝って復活してもらいたかったし、猪木さん側からすれば藤田さんにリベンジしてもらいたい。そこはK-1、猪木さん、PRIDEが三すくみになって主導権争いをしてましたね。
――たとえば藤田和之を出すんだったらミルコ以外とはやらないよ……と猪木さんサイドが駆け引きするわけですね。
笹原 ということですよね。 そのうえでそのカードに話題性があればマッチメイクされますけど。そこにフジテレビやTBS、日本テレビも関わってくるわけですから、交通整理は死ぬほど大変だったと思いますよ(笑)。その中から生まれたモンスターがミルコ・クロコップなのかもしれないですよね。
大好評インタビュー17本、コラム6本、13万字オーバーの詰め合わせセットはまだまだ続く……