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国際プロレス、全日本プロレス、パイオニア戦志、SWS……昭和から平成にかけて様々なプロレス団体を渡り歩いてきたアポロ菅原インタビュー第5弾。
北尾光司vsジョン・テンタがシュートマッチになった理由を語り尽くします!(聞き手/ジャン斉藤)


【アポロ菅原インタビューシリーズ】




――
前回、SWSの鈴木みのる戦を振り返ったインタビューが大好評で。

菅原 ああ、そうなんですか。

――
今回も期待しています!

菅原
 よろしくお願いします(笑)。

――
その鈴木みのる戦があったSWS神戸大会で、北尾(光司)さんがWWEから派遣されたアースクエイク(ジョン・テンタ)相手に試合を壊すような行為に出ました。脇固めで腕を折りにいったり、目潰しのポーズで威嚇しながら、実際に目を狙って攻撃。激怒したテンタとお互い目潰しのポーズで威嚇し合うという……。最後は北尾さんがレフェリーに暴行して反則負けでした。

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菅原
 自分のことで手一杯だったので、あの試合自体はちゃんと見てなかったんですよ。あとからいろいろ話を聞いて……この試合は東京ドームでもシングルマッチをやってますよね。

――
2日前にやってテンタがヒップドロップからの体固めで勝ってますね。 

菅原
 その日の晩、横綱から自分に電話があったんですよ。「神戸でも負けるのかな」と。自分は「それはないと思うけどなぁ」と言ったんですよね。だって東京ドームで負けるって影響力はありますよね。それなのに2日後にまた負けるということは、なかなか考えにくいと思うんですよ。でも、横綱は「また負けるのかなあ」という感覚でいたみたいで。いまだから言えますけど、自分は「最悪の場合、ケガしたということで会場に来なくてもいいんじゃないか」って。そんなふうに言ったんですよ。

――
そんな反則アドバイスを(笑)。菅原さんからしても2連敗はさすがにないと思ったんですよね。

菅原
 テンタさんがWWEでプッシュされているのはわかっていても、横綱は知名度的にもこれから日本のプロレスを背負って立つ人ですよ。 

――
北尾さんにとってはSWSはホームだし、相手は他団体の選手で今度はいつ来日するかわからない。

菅原
 もっと他にやりようがあったんじゃないかなあとは思いますけどね。

――
いまの話を聞いて驚いたのは、北尾さんとテンタの2連戦はかなり前に決まっていたわけじゃないですか。マッチメーカーから事前に試合内容についての説明はなかったということですか?

菅原
 なかったんじゃないですかね。わかりません、それは。さっきも言ったように東京ドームが試合が終わった夜に、横綱は自分の所に電話をかけてきて「神戸でも負けるかもしれない」って言ってたんですよ。

――
ということは事前に説明はされてないということですよね。 このカードは注目カードですけど……。

菅原
 よっぽどの試合だったら事前に説明はあるかもしれないですけど。普段のシリーズなんかは16時ぐらいに会場入りしますよね。それでポンポンで了解ですよ。相手のことはわかってますから、こういう技を使ってくるから、自分がどういう風に対処するかとか考える程度ですよ。

――昭和のプロレスはエース外国人がシリーズ最終戦に猪木さんや馬場さんとシングルマッチで戦うじゃないですか。それまでにシリーズ中にタッグマッチなんかで何度か肌を合わせて……。

菅原
 最後に大きい会場でやりますのでね、それに向けて持っていくっていうところはありますよね。途中の札幌中島体育センターあたりで気合いの入った試合を見せたりして。

――あのときのSWSとWWEの接触は東京ドームと神戸大会だけで、テンタと北尾さんは今回が初手合わせでした。北尾さんからすれば、2連敗後の展開はどうなるのかという不信感があっても不思議ではないですね。

菅原
 そういうところはあったと思いますよね。本人が納得するかどうかは横に置いといても、 事前に説明があればまた違ったんでしょうけど。ましてやシングルマッチですからね。シングルマッチに2連敗はかなり厳しいと自分は思ってますよ。 これは風の噂で聞いたんですけども、「いくらなんでも2つはないだろう」という選手の声があったと記者さんたちから聞きました。 仮に東京ドームで負けて、神戸で勝ったとしても3:7くらいの気持ちですよ。

――プロレスは初戦で勝つことが重要ですよね。 

菅原
 横綱の初戦の負けが反則だったら、まだいいんですけどね。

――当時SWSのマッチメーカーだったカブキさんは天龍源一郎さんのレボリューション所属。反天龍派の荒川さんが北尾さんを焚きつけたんじゃないか……という噂もありますね。<会員ページへ続く>


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